雑ネタ

今のままで大丈夫!? 日本一台風の多い県のバイク屋さんに聞いた「自分でできる愛車の台風対策」

台風の強風からバイクを守る方法とは

1年で最も台風が多い月、それが9月です。
悪天候の日が増えればツーリングに行き辛くなるため、ただでさえライダーにとってはオモシロくない時期ですよね。
それに加え、愛車が暴風雨による被害を受けてしまうようなことがあれば、泣きっ面に蜂という他ありません。
台風から愛車を守るため、ユーザーにできる対策はどのようなものがあるのでしょうか?

そこで「台風の上陸数が日本で最も多い県」鹿児島で6店舗を展開する大手バイクショップ「バイクフォーラム」の伊敷店スタッフ・桑幡さんに対策テクニックを聞きました。


バイクの台風対策、これは正解? それとも不正解?

せっかくなので○×クイズ形式で紹介していきましょう。
台風からバイクを守る方法として正しいと思えば○、間違っていると思えば×と回答してください。
問題は全部で7問あります。あなたの「台風から愛車を守れる度」は何点!?

Q1.雨風から車体を守るためにバイクカバーはしっかり掛けておくのが良い。

Q2.強風で飛んできた物がぶつかった際に車体が動くことで衝撃を逃がせるよう、ギヤはN(ニュートラル)に入れておくのが良い。

Q3.強風でバイクが倒れないよう、スタンドはセンタースタンドを立てておくのが好ましい。

Q4.強風で車体が倒れても最低限のダメージで済むよう、なるべく壁に寄せて停めておくのが良い。

Q5.強風でタイヤが動いてしまわないように、ブレーキを引いた状態で固定しておくとよい。

Q6.サイドスタンドで停めておく場合、サイドスタンド側への車体の傾きとバランスを取るために、ハンドルをスタンドと反対側に切っておくのが良い。

Q7.台風が過ぎ去ったあとは、早めに車体を洗ったほうが良い。

いかがでしたか? 正解は次のとおりです。

雨風から車体を守るためにバイクカバーはしっかり掛けておくのが良い?

【正解は×】

強風時にバイクにカバーを掛けておくと、カバーが船の帆のように風を受けて大きな力がかかり、車両を倒してしまうことも! 

雨に愛車をさらしておくのは心が痛むかも知れませんが、バイクは高圧洗浄機などで丸洗いもできるように、基本的にあるは程度の防水性があるものです。

雨に濡れることによる被害よりも、車体が倒れてしまったときの被害のほうが大きくなる場合が多いので、なるべくカバーは外しておきましょう。

強い雨になる可能性が高く、浸水が気になる場合にはマフラーの排気口にだけ水が入らないよう、ビニール袋などで塞いでおくのがベター。

事情があってどうしてもカバーを掛けておきたい場合には、風が入りにくいように、カバーを車体に添わせてしっかりしばっておきましょう。

強風で飛んできた物がぶつかった際に車体が動くことで衝撃を逃がせるよう、ギヤはニュートラルに入れておくのが良い?

【正解は×】

サイドスタンド、センタースタンドに関わらず、バイクのスタンドは車体が前に動くと想像以上に簡単に外れてしまいます。

ギヤをニュートラルにせず、1速などに入れておけばタイヤが回らなくなるので、強風や飛んできた物の衝突によって力が加わっても車体が前に動きにくくなります。
結果的にスタンドが外れにくくなり、転倒を防ぐ一助になるのです。

強風でバイクが倒れないよう、スタンドはセンタースタンドを立てておくのが好ましい?

【正解は×】

バイクのスタンドには大きく分けてサイドスタンドとセンタースタンドの2種類があります。
見た目からはバイクが真っすぐ立つセンタースタンドのほうが安定しているように感じるかも知れませんが、実は台風などの際に倒れにくいのはサイドスタンドを使った駐車。

センタースタンドを使用して駐車すると後輪が完全に浮いた状態になります。
イコール接地面積が減ってしまうことになるので、軽い力で左右どちらにも倒れやすく、サイドスタンドを使用した場合に比べて安定感が損なわれてしまいます。

センタースタンドを使ってバイクを停めている例。後輪をよく見ると地面から完全に浮いており、サイドスタンドに比べて軽い力で左右どちらにも倒れてしまう可能性がある。

ただし、サイドスタンドを使用して駐車する場合の注意点もあります。
センタースタンドを使用する場合に比べてスタンドの一点にかかる重量の負担が大きくなり、スタンドの「足」が地面にめり込みやすいのです。

駐車場の地面が土や砂利の場合には、スタンドパッドなどを使ってめり込まないようにする工夫をすると良いでしょう(雨が降ると土や砂利の地面はさらに柔らかくなってしまいますし)。

スタンドパッドはバイク用品店などで500円くらいから購入することが可能です。地面に置いて使うタイプのほか、サイドスタンドに直接履かせるタイプのものもあり、サイズやデザインもまちまちなので、お気に入りの一品を見つけてみてくださいね。

もし台風急接近ッ調達するのが間に合わない!というときは、丈夫な板などでも代用可能です。

サイドスタンドの先端の足を載せるサイドスタンドパッド。

強風で車体が倒れても最低限のダメージで済むよう、なるべく壁に寄せて停めておく?

【正解は○】

置く場所や置き方を変えるだけでも、台風対策として十分な効果が期待できます。

たとえば駐車場所の近くに壁がある場合、バイクはなるべく壁に近づけて停めましょう。
万が一、強風で車体が倒されてしまったとき、地面に横倒しになってしまうより、壁にもたれかかるようにぶつかった方が被害が少ないためです。

クルマを持っていて、なおかつ自宅に駐車スペースがある人ならこんな方法も。
まず、クルマを家屋の壁や駐車スペースなどの壁から少し離して駐車し、スペースを作ります。そして、その壁とクルマのスキマにバイクを入れて停めると、クルマと壁が暴風壁の役割を果たしてくれるため、強風によるバイクの転倒をより防ぐことができます。

また、風向きに対するバイクの置き方は、風が向かってくる方向に対してバイクを縦向きにしておくのがベター。
バイクは全長よりも車幅の方が短いため、風向きに対して縦を向いていたほうが風を受ける面積が少なくて済み、倒れにくくなるのです。

そうは言っても、そんなに自由自在にバイクを停める位置や向きを変えられないよ!というケースもあるかと思いますが、それでもできる対策はあります。
バイクをサイドスタンドで停車し、風が吹いてくる方向にスタンドのない側を向けておくだけで(=風向きの方向にサイドスタンドがある状態)、強風による転倒の可能性は低くなります。
車体が風から受けた力を、サイドスタンドが支えてくれるからです。

また、一般的に台風は「目」を境に風向きが変わります。
身の安全を確保したうえで余力があるようなら、台風の目が通過したタイミングで風向きにあわせてバイクの向きを変えるとさらに安心かもしれません。

自宅スペースに余裕があれば、物置や、簡易車庫タイプのバイクカバーも有効と言えそうです。
しかし桑幡さんによれば「過去に簡易車庫ごと飛ばされたお客さんもいる」とのことで、簡易車庫を地面へ固定する方法によっては油断は禁物。
特に、地面に杭を打ち込んで固定するだけのタイプは飛ばされやすいようで、注意が必要です。

一番「防御力」が高いのは、台風でも飛ばないコンテナ式の車庫に入れてしまうこと。レンタルトランクルームによっては最低1ヵ月から利用できるものもあるので、台風の多い地域に住んでいるライダーは夏〜秋だけ短期で借りるという手も。

強風でタイヤが動いてしまわないように、ブレーキを引いた状態で固定しておくとよい?

【正解は○】

ゴムやロープを使い、ブレーキレバーを引いた状態でハンドルに固定しておくと、ブレーキが掛かった状態を常にキープしておくことができます。
そうすることで、風などの力が加わってもタイヤが動きにくくなり、スタンド外れによる車体の転倒を防ぐことができます。

用品店などに行けば「ブレーキキーパー」という用品を購入することもできます。
ゴムやロープを使わなくても、簡単にブレーキを引いたままの状態で固定することができ、台風対策だけではなく、普段の駐車時(特に傾斜のある場所に駐車する際など)にも掛けておくと安心です。
価格も1000円以下で手に入れられるものもあるほど安価なので、ひとつ持っておいてもいいかもしれません。

バイク用洋品メーカーの「ラフアンドロード」が販売する、イタリアの用品ブランドprintの「レバーブロッカー」。フロントのブレーキレバーを固定し、タイヤをロックしておくことができる。価格は2178円。

サイドスタンドで停めておく場合、サイドスタンド側への車体の傾きとバランスを取るために、ハンドルをスタンドと反対側に切っておくのが良い?

【正解は×】

ハンドルをサイドスタンド側に切っておくと、バイクの重心がスタンドのある方に傾くので、より倒れにくくなります。

スタンドが折れるか、外れてしまうかしない限り、サイドスタンドのある側に車体が倒れることはまずないので、ハンドルはサイドスタンド側に切って、重心はなるべくスタンド側に傾けておくことを心がけましょう!

台風が過ぎ去ったあとは、早めに車体を洗ったほうが良い?

【正解は○】

沿岸部では特に、台風で巻き上げられられた海水が雨風に含まれていることがあります。
塩分が付着したまま車両を放置しておくと、サビなどの劣化の原因になってしまいます! 風をやり過ごした後は、なるべく早めに真水で洗車を。
洗車とあわせて、サビを防ぐために防錆ケミカルなども使用するといいでしょう。


梅雨・台風シーズン前にバッチリ対策して、秋の絶好ツーリングシーズンを万全の状態で迎えましょう!

まとめ●モーサイ編集部・中牟田

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