ヤマハは、2023年8月19日に行われたバイクの日のイベント「HAVE A BIKE DAY」に、日本での発売を予定している原付二種(125cc)スポーツ、XSR125、MT-125、YZF-R125の3台を展示した。
これら3台は、2023年3月のモーターサイクルショーで日本導入を正式アナウンス。このときは展示のみだったが、MT-125とYZF-R125は全国各地で開催されているヤマハライダーズカフェでまたがれる車両を用意。7月末の鈴鹿8耐でも、XSR125を含めた3台を展示した。今回のイベントでは3台全てにまたがることが可能で、多くの来場者が実車の感触を試し3台の違いをチェックしていた。
その3台の展示車は、いずれも日本仕様と思われる車両だった。その根拠は下の写真。市販車同様の警告表示がすでに貼られていたのだ。
会場にいた関係者に話を聞くと、これらの車両はアジア各国でも販売されているが、日本に導入されるのは排ガスなどの規制が日本と似ている欧州仕様に近いものになるそう。ただし、コストダウンのためか欧州仕様とは細部が異なっており、アジア仕様に似た部分も少なくない。ちなみにヤマハライダーズカフェや8耐などで展示されたのは日本向けの生産試作車だという。
気になる価格は……ライバルと比較しても大幅に高くはならないとのこと。例えば、ホンダCB125R(47万3000円)やスズキGSX-R125(45万3200円)に対抗できる価格帯(40万円台?)になるはずだ。発売は年内を予定しており、準備ができ次第順次(つまり一斉発売ではない!?)、発表されるようだ。
XSR125
スポーツヘリテージモデルの末弟として登場するのがXSR125。ただし、XSR900のようなカフェレーサースタイルではなく、クラシカルなネイキッドといった雰囲気だ。エンジンは124cc水冷単気筒OHC4バルブで、欧州仕様は11kW(15馬力)/10000rpm、11.5Nm(1.17kgf・m)/8000rpmを発揮。なお、エンジンスペックは3台とも共通となる模様。
XSR125にまたがった印象は、車体自体はスリムだが燃料タンクはボリュームがあるため、まるで250ccクラスのように思えた。フラットなシートは座り心地がよく、ポジションはアップライトすぎない自然なもの。通勤や通学など日常の足としても使い勝手が良さそうだ。
YZF-R125
ヤマハのSSとしては最小排気量となるYZF-R125は、欧州や東南アジアでは2023型で大幅改良が施された最新モデル。展示されたブラックのボディカラーでは映り込みもあり分かりづらいが、M字形ダクトを採用するのはほかのYZFシリーズと共通。ヘッドライトはR25/R3のような2眼タイプではなく、R7と同じくダクト内に1眼ライトを装備し左右にポジションランプを配置する。
真横や斜め後方から見ると、フロントからリヤまで続く水平基調のラインが印象的。新世代YZRシリーズらしく、R25/R3よりもシャープな、クラスレスなデザインだ。またがるとコンパクトに感じ、足着き性は3車の中でもっともよかった。なお、欧州仕様はクイックシフターも装備可能だ。
なお、YZF-R125と同じシャシーを採用する155ccモデル、YZF-R15も日本導入予定だ。
MT-125
MT-10を頂点とする、ヤマハのスポーツネイキッドシリーズ。その最小モデルがMT-125だ。MTシリーズの特徴である、アップライトな乗車姿勢のモタードスタイルを継承しており、フロントマスクはMT-25/03に近いデザインを採用する。
またがってみると塊感があるというか、非常にコンパクトにまとめられているのが分かる。足着き性はXSR125よりも良好で、ポジションもよりアップライト。これなら細い路地が多い市街地でも運転しやすそうだ。なお、エンジンスペックはXSR125やYZF-R125と同じ。
250ccモデルと比較しても維持費が安く、手軽に乗れる125ccモデル。会場でも注目度は非常に高く、またがりを試すのはベテラン(と思われる)ライダーはもちろん、若者や女性の姿も多かった。手軽なコミューターやセカンドバイクとして、そして何より走らせて楽しいスポーツモデルとして、多くの注目を集める原付二種が日本の道を走るのはもうすぐだ。
report&photo●片倉義明