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A.S.H.クオリティの真髄⑩ 水冷高出力の多気筒エンジンを熱ダレから守りたい! 最高峰「FSE MOTO-SPEC」の効果とは

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高出力高回転型の水冷多気筒エンジンにマッチするオイルは?

バイク大好き、走るの大好きカメラマンの小見哲彦といいます。

昔から、レースに出る時以外はメーカー純正オイルを普通に使ってきました。
それで問題も不満もナシ。ちゃんと走ってくれるので。

ただ、どうにも動かない渋滞にハマったときや猛暑日となると、気になることも……。致命的な大問題があるとかではないのですが。

特に、近年の真夏の温度上昇は尋常じゃない。
空冷エンジンにとっては相当厳しいと思われますが、水冷エンジンと言えど、自分のカワサキ ZZR600のような少々古めながら高出力志向のエンジンにとっても辛いときがあります(仕向地によってバラツキはありますが、カタログスペックでは最高出力100馬力)。

筆者の愛車、カワサキZZR600。エンジンは600cc水冷DOHC4バルブの並列4気筒。リッター換算すれば166馬力! 今どきのマシンにも負けませんぜ、数値以上にポジションが楽チンですから。

ストップ&ゴーの多い街中など、サーモスタットが作動し冷却ファンが頻繁に回るような場面では油温もかなり上がっているのでしょう、エンジンがゴソゴソした回り方になるというか。

それゆえ、夏場は混雑した場所や人混みを避けるため、夜間涼しい時間帯にバイクを走らせることが多かったのですが……モーサイ編集部から「オイルに過酷な夏だからこそ、オイルの実験をしてみませんか?」という面白そうなお話が。

聞けば、相応な価格ではあるものの、レース用オイルとしても使える高性能なオイルで、高温時の安定感が抜群に高いと。
それだけでなく、公道を走るバイクにとって大事な耐久性やレスポンス面での効果も期待できそうな製品なのだそうです。

古い経験で恐縮ですが、1Lで5000円クラスという価格帯のオイルでも「筑波」でさえ1レース走ったら、次は練習走行でも性能が落ちてしまうことがあったような。
当時は空冷のナナハンを改造したクラスとか、燃焼室容積を小さくして圧縮を上げたSR500とか、けっこう無茶をしたマシンを走らせていたのもありますが、いかに高性能なオイルも短期間での劣化は宿命だと考えていました。

なので「性能と耐久性を両立」というのにオッ!?と思ったのです。時代はどんどん変わり、きっと技術も進化しているのでしょう。

その「実験」を行ったオイルというのは、A.S.H.オイルの二輪用ラインアップ最高峰だという100%エステル化学合成油「FSE MOTO-SPEC 10w-40」。グレードはZZR600の純正に合わせました。


アッシュオイルの製造を行うジェイシーディプロダクツの岸野 修代表に「高回転高出力の水冷マルチエンジンに最適なオイルは?」とモーサイ編集部が聞いたところ、オススメされたのが「FSE MOTO-SPEC」。
価格は10w-40で1L缶:5368円。
(FSE MOTO-SPECは5w-40、10w-40、10w-50の3グレードが展開)

劣化していった際にスラッジの要因となる粘度調整剤(PMAまたはOCPなどのポリマー)は使わず、ベースオイルの調合によって粘度調整を行っている100%エステル化学合成油で、植物油に近い吸着膜と油圧の安定性で二重の油膜を作る「デュアルプロテクション」によってエンジンを保護。
ワ-クスレベルのレ-シングオイルとしても使用可能で、二輪用アッシュオイルのラインアップ中で最高峰に位置する。

岸野代表によれば「他の100%化学合成油のFSやVSE、部分化学合成油のスタンダードなPSEでも困ることはないと思いますが、FSEの熱安定性は別格です」という。


FSE MOTO-SPEC注入前、注入後、なるべく同条件で走行比較

なるべく公正を期すために、既に入っていたオイル(交換してから時間は経っておらず、そう劣化してはいないハズ)での燃費と、FSE MOTO-SPECに交換後の燃費や走行の感触を見てみました。

FSE MOTO-SPECに交換する際は、気長にエンジン内部の古いオイルが抜けるまで気長に待ってから、レベルの確認を数度行なって注入。しっかりと抜ききったつもりです。オイルフィルターは新品としました。

古いオイルは燃費データをとってから交換。オイル交換はもちろんアンダーカウルを外さなくてはいけません。猛暑はオイルに厳しいだけでなく、人間にも厳しい。汗もじんわり……な作業。
ZZR600の規定オイル量は3.7L。というわけで、FSE MOTO-SPECの1L缶×3本は迷わず注ぎ込み、残りは規定量の3.7Lを下回るであろうと徐々にレベル窓を確認しながら調整。

まずは交換直後の感触ですが、新しいオイルがなじんでくるまで空いた道路で淡々と流してみました。
メカノイズに注意しながら走ってみたのですが、アイドリングすぐ上の低回転域が落ち着いて回るようになり、3000~4000rpm付近の常用域が徐々に滑らかな感じになってきました。それに、高周波音も少し減ったような……落ち着いて走りやすくなった印象です。

それでいて、高速道路をひた走っているときにも、一定速度で走らせているときも、高回転の伸びが気持ちが良い!上までスムーズに回っていくのです。

後日、テストコースでパワーバンドのピークまで回してみたところ、以前のオイルよりもピックアップが心持ち鋭くなって、年式と走行距離上で落ちているであろうはずの馬力が本来の100馬力近くまで戻ったかのような感覚。これは驚いた……。

そして燃費。
一般公道での平均的と考えられるゆったりツーリングペースと、テストコースでワイドオープンにした平均値を両方で計測してみましたが、これは共に16km/L前後でほとんど差が出ませんでした。
これは、自分のZZR600はメインジェットを標準の135から140にしてあるせいかもしれません。いや、FSE MOTO-SPECへと交換した後はエンジンフィーリングの気持ちが良すぎて、もしかしたら全開時間が多くなっていたのか!?

燃費計測は、満タン方式ですり切り一杯の手前までそれぞれ入れて計測しました。

一番気になる「熱への耐性」は?

さて、そんな事も含めて120kmほど双方のオイルで極低速~全開まで試しましたが、FSE MOTO-SPECで一番反応を見たかったのは過熱状況となる「夏場の低速」。
気温は30度後半、バイクに乗っているとサウナ状態、冷却ファンが頻繁に回る混雑した市街地に白昼堂々敢えて突入してみたわけです(本当、ストップ&ゴーの連続で、足を着きながらノロノロと進むしかない状況もありました)。

夏休みの観光地の渋滞などでも、車と一緒にスロー走行&停止の繰り返しってよくありますよね。オイルがダメだとエンジンが不機嫌になってきて、人間も余裕がなくなってきて、よりグッタリしてしまうことも。

「ヒートテスト」を行った日のガレージ内の気温。日なたに気温計を持っていったら49度という表示が。

それはそうと「ヒートテスト」の結果ですが……ある程度走り込んだ後でもFSE MOTO-SPECは抜群に安定感がありました!

ギヤチェンジの操作性は落ちないし、クラッチミートを意図的に1500~2000
rpmと低めに限定してロー→セカンドの繰り返しでスロー走行していても、エンジンの回転にガサガサした感じは出ず、エンストも発生しません。
ラジエターの冷却ファンがガンガン回っていても、アイドリングはビシーッと安定してる。これには驚かされました。

水温計が半分までいくと冷却ファンが「ぶぅーん」と回り始めるも、アイドリングは安定。

この様子からすると、サーキット走行会などに自走で参加したとしても、その後、急いでオイル交換しなくても「しばらくは大丈夫なんじゃないかな」というくらいの余裕を感じます(理想を言えば、こまめに換えるにこしたことはありませんが)。

そんな印象をメモにまとめているころ、古い友人がZZR600を置いている車庫に遊びに来てくれました。
「A.S.H.オイルってなかなか良いねぇ」なんて私が話したところ、友人はとっくに
愛用していたのだそうです。今時のテクノロジー、勉強の良い機会をいただきました。

スローペースからハイペースな高速巡行まで、常に安定してエンジン動かしてくれるオイル。価格に応じた価値があると思います。

レポート&写真●小見哲彦 編集●上野茂岐

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