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■タイトル写真:WDW会場へ向かう道路は連日大渋滞。ちなみにここは2003年に逝去したGPライダー・加藤大治郎にちなんで名づけられた『viale daijiro kato(加藤大治郎通り)』。
創業100周年のメモリアルイヤーも重なったビッグイベント
2年ごとに開催されるドゥカティの祭典『ワールド・ドゥカティ・ウィーク(WDW)』が、7月3日(金)から5日(日)までの3日間、イタリアのミサノ・サーキットで開催された。現地で3日間取材したレポートをお届けしよう!
WDWは1998年に第1回が始まり、今年で13回目を迎えたビッグイベント。さらに今年はドゥカティの創業100周年とあって、用意されたコンテンツは3日間あっても時間が足りないほど。すべてを書き記すと、それだけで記事が終わってしまうほどのボリュームなのだった。



主だったコンテンツは、MotoGPとWSBKをはじめとする世界で活躍するドゥカティ・ライダーたちが各所のブースに登場してのミーティングや撮影会、彼らが“本気で遊ぶレース”の『レース・オブ・チャンピオンズ』、MotoGPチーム対WSBKチームによるエンジンの分解/組立競争(エンジン分解競争は一般参加者用もあり)、スタントライドショーとフリースタイルモトクロス(FMX)。
そして、WDW会場で初公開となったコンペティションマシン・デスモ250MXとデスモ450SM/EDSのお披露目、DRE(ドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス)ではパニガーレV4でのサーキットの走行や、2代目へと進化した新型デザートXによるオフロード体験、一般公道で現行モデルを走らせる試乗会、100周年記念メーカーカスタム車展示、ドゥカティ100年のヒストリック製品(初期のラジオやカメラから歴代マシン)展示……と、このあたりで止めておかないと本当にキリがないほどなのだ。
そうしたこともあって、ドゥカティの公式発表によれば、今年のWDW来場者数は、世界94カ国から11万8036人! この数字はMotoGPのヨーロッパラウンドの観戦者数に匹敵するレベルで、それをドゥカティ一社のみのイベントで達成してしまったのだから怖ろしい。
約12万人という来場者数が具体的にどんなものかというと、初日と2日目の朝は会場へ向かうドゥカティの群れで大渋滞が発生。ミサノ・サーキットへ至る道路は完全にストップし、入場を待つバイクはオーバーヒート防止のためにエンジンを停止して待機した。また、初日の夕方に行われたドゥカティ・パレードでは、隊列の最後尾がサーキットを出発するまでに40分を要し、ゴールとなったリッチョーニの町までの道路が18kmにわたってドゥカティで埋め尽くされたのだ。パレードに参加したバイクの台数は公表されていないが、2万台は軽く超えていたに違いない。
また、ドゥカティジャパンによれば、日本から参加したドゥカティスタ(ドゥカティ乗りを意味するイタリア語)たちはおよそ200名とのことで、これもやはりWDW史上最多だ。

現役トップライダー、レジェンドライダーによるエキシビションレースも圧巻!
さらに、ドゥカティにしかできないことといえば、MotoGPやWSBKで活躍中の現役ライダーがWDW会場にやってくることだ。MotoGPからは、マルク・マルケス、フランチェスコ・バニャイア、ミケーレ・ピッロ、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、フランコ・モルビデリ。WSBKからはニッコロ・ブレガ、アルバロ・バウティスタ、ヤリ・モンテッラ、ロレンツォ・バルダッサーリなどの現役トップライダーだけでなく、ケーシー・ストーナー、トロイ・ベイリス、カール・フォガティ・ロリス・カピロッシといったレジェンドライダーも含めた総勢36名が集ったのだ。



これほどのトップライダーを集められるのはドゥカティしかない。ドゥカティの「強さ」は、レースで結果を出すだけでなく、こうしたところにも表れている。
しかも、彼らはただ顔を見せに来ただけでなく『レース・オブ・チャンピオンズ』を繰り広げ、予選と決勝レースを走ったのだ。あくまでデモンストレーションだし、マシンは外装こそそれぞれのマシンを再現しているものの中身は市販車のパニガーレV4Sだが、シーズン途中の大切な時期にトップライダーがミサノ・サーキットを走るのだから、ファンにはたまらない。むしろ本番レースよりも貴重なシーンかもしれない。
なお、イベント最終日に行われた決勝レースを制したのは、今季のWSBKでもトップを独走しているニッコロ・ブレガだった。


深夜まで続いたナイトショーは、花火とドローンの演出でクライマックス
この季節のヨーロッパは日が長く、夕暮れが4時間以上も続く。そのためWDWも日中だけでは終わらず、初日は近隣の海水浴場でビーチパーティー、2日目はミサノ・サーキットのコース上の特設ステージを使ったナイトショーが催された。特に、ナイトショーは日付が変わる深夜まで続き、ライダーたちがドゥカティに乗ってステージに登場し、トークショーを展開。最後は花火とドローンによる演出で、WDWの盛り上がりは最高潮に達したのだ。


また、WDWのユニークなところは、来場者たちが会場内に点在するスペースのどこにでもバイクを駐車していいことだ。そのため会場のあちこちにさまざまなドゥカティが雑然と並んでいて、会場全体がドゥカティ・ミュージアムになったかのような様相。日本ではなかなか実現困難なやり方だが、これこそがバイク本来の自由な楽しみ方、オーナーズミーティングの姿かと思わされる。



そう、あまりに大規模で豊富で贅沢なコンテンツばかりに目がいってしまうが、WDWはあくまでメーカー主催のオーナーズミーティングで、主役はドゥカティオーナーたちなのだ。
そして、とっても膨大なコンテンツのため、来場者も、取材記者も3日間では時間が足りない。『ワールド・ドゥカティ・ウィークエンド』でなくて『ウィーク』なのだから、できれば1週間ずっと開催してもらいたいほどだ。もっとも、だからこそ「2年後もまた来たい!」と思わせるのかもしれない。こういったさじ加減もなかなか秀逸で、ドゥカティというメーカーの底力を感じさせた。
できることなら、日本でもWDWのようなかたちのバイクイベントの開催を期待してしまうが、現実的にはなかなか難しいかもしれない。もっとも、それこそが文化の違いであって、だからこそ日本のバイクファンは、WDWでカルチャーショックを感じられる。今回、現地訪問できなかったドゥカティファンはもちろん、ドゥカティファン以外のバイクファンにもぜひ味わってもらいたいイベント、それがWDWだ。イタリアはとても遠いし、費用もそれなりにかかるが、一見の価値は大いにあるのだ。

レポート&フォト●山下 剛 取材協力●ドゥカティ
































