新車

世界初公開!ホンダ『CB1000F コンセプト』を実車から分析する「その乗り味は? 実現度は?」

CB1000F コンセプト ホンダ モーターサイクルショー

『CB1000F コンセプト』はCB1000ホーネットのエンジン、フレームを活用か

ホンダが大阪モーターサイクルショー2025で世界初公開した『CB1000F コンセプト』は、ホンダのロードスポーツバイクを象徴する「CBブランド」の、新たな基幹モデルをイメージさせるコンセプトモデルだ。ホンダによると、そのテーマは「進化するスポーツバイクの基準」を具現化したものであると言う。

エンジンは水冷DOHC直列4気筒で、これを剛性としなやかさを高次元でバランスさせたダイヤモンドフレームに搭載──とも説明があるが、エンジンやフレームの外観から察するにそのベースとなっているのはCB1000ホーネットだ。そこから考えると、乗り味は扱いやすいベーシックなものとなっていることだろう。

しかも、ライディングポジションなどはCB1000ホーネットよりも、ややアップライトなものになっているようだ(実際に車両に触れた編集スタッフ談)。そもそもCB1000ホーネット自体が、ストリートファイター系ネイキッドにしてはあまり前傾がキツくないので、この『CB1000F コンセプト』はより普遍的で親和性の高いネイキッドモデルを目指したものと予想できる。

『CB1000F コンセプト』
『CB1000F コンセプト』

『CB1000F コンセプト』とCB1000ホーネットを比べてみる

CB1000ホーネット:2017年型CBR1000RRをベースにした999cc並列4気筒エンジンをスチール製のツインスパーフレームに搭載する
『CB1000F コンセプト』 エンジン、メインフレーム、スイングアームなどはCB1000ホーネットと同様に見えるが、シートレール(リヤサブフレーム)は間違いなく別物だろう
『CB1000F コンセプト』のエンジン。CB1000ホーネットはスタンダードで最高出力152ps、上級仕様のSPで158psを発揮するが、全体として扱いやすい特性。そこも受け継がれるか

『CB1000F コンセプト』デザインのモチーフは明らかにCB900F/CB750F

肝心の、と言うよりも、このモデル最大の特徴であるのはスタイリングと言ってもいいはずだ。ホンダは「“CBの物語”を想起させるスタイリングで、所有する誇りを感じられる存在であることを目指した」としているが、このスタイリングのモチーフは1980年代初頭の大ヒットモデルCB900F/CB750Fであることは明らか、カラーリングはその北米仕様を範としている。

さらに詳しく言えば、1980〜1982年にAMAスーパーバイクで活躍した「CB750F」、特に動力性能では約150psとスーパーバイクで最強を誇った1982年型がそのイメージに源流であり、古いファンにはお馴染みの、当時天才ライダーと注目されたフレディ・スペンサーが乗ったマシンを想起させるものだ。

そのAMAスーパーバイクでは、ホンダ CB750F、カワサキ Z1000、そしてヨシムラスズキ GS1000が3シーズンに渡って三つ巴の戦いを繰り広げ、そこでは様々な伝説的なレースが展開された。今から約40年前に起きたこの大排気量4ストローク4気筒の躍進こそは、現在に続く4気筒エンジンに対する根強い人気の原風景なのだ。

1982年のAMAスーパーバイク デイトナ100マイルレースでフレディ・スペンサーがこのゼッケン19「CB750F」に乗り優勝
なおサイドカバーには「CB750F」とあるが、載せられているエンジンはRS1000をベースとした1016cc……とされる
1979年に発売されたホンダ CB750F。先にヨーロッパ向けのCB900Fが発売され、日本と北米では750が販売された。市販車のマフラーは左右2本出しである

最新のスポーツ車を骨格としながらも、各部の「再現度」が高い

そう考えるとこの『CB1000F コンセプト』の市販版がもしも登場すれば、現在の大型4気筒ネイキッドバイクカテゴリーで人気のカワサキ Z900RS、あるいはスズキのKATANAと真っ向からぶつかることになるだろう。いずれも70年代〜80年代に各ブランドのルーツとなったモデルのスタイリングイメージによって、現代のメカニズムをパッケージングしたものである。

これまで、このクラスではモダンなパッケージングのCB1000Rしか持たなかったホンダにとって、この『CB1000F コンセプト』が現実ものとなれば、カワサキやスズキのライバルモデルにストレートに対抗できることになる。これは4気筒ネイキッドに関心のあるホンダファン、CBファンにとっても、待ち望んでいた未来形と言ってもいいだろう。

そういう点では、ホンダもついに大型ファンバイクで過去のイメージ財産に手を出したのかとも感じるかも知れないが、ユーザーにとっての新しい歓びになるのなら、それもありなのかと思う。と言うのは、思いの外その仕上がりが良いのである。

例えば、後方にやや跳ね上がる形状の集合マフラー(もちろんスーパーバイクイメージ)は、容量を確保しながら可能な限りコンパクトなサイズに抑えられているし、手前がやや角張った燃料タンクからサイドカバー、テールカウルにかけての造形は流麗であり、おおよそデザイン的なまとまりも良い。

『CB1000F コンセプト』
『CB1000F コンセプト』
『CB1000F コンセプト』
『CB1000F コンセプト』

CB1000ホーネットという現代のモデルの車体パッケージをベースにする難しさはあっただろう。だが、40数年前のCB900F/CB750Fのスタイリングイメージとしての再現性はかなり高く、この点からもカワサキ Z900RSと同等か、それ以上の存在感や商品性を実現しているようにも感じる。

筆者が個人的に気に入ったのは、オリジナルのCB900F/CB750Fはリヤサスペンションが2本ショックであるのに対し、この『CB1000F コンセプト』では現代のモノショックであるが、タンデムステップのマウントがちょうど2本ショックのように見える構成となっている点だ。これは作り手が意識したに違いないだろうが、これが有ると無いのとではイメージが大きく異なるはずだ。

同時に、車体をつぶさに観察すると、各部の仕上がりは量産性を意識した緻密さを備えており、あるいは近い将来にこのモデルが登場するのではないかという妄想に駆られるほどレベルの高い仕上がりを見せているのだ。
こうして原稿を書いていても、『CB1000F コンセプト』には「早く乗ってみたい」と思わせる何かがある。今こそホンダファン、CBファンは「早く出して欲しい」と声を大にした方がいい。

『CB1000F コンセプト』

レポート●関谷守正 写真●山内潤也/ホンダ 編集●上野茂岐

CONTACT

「Hondaモーターサイクルショー2025」 特設サイト

https://www.honda.co.jp/motorcycleshow/

  1. 【わかる?】車検のある400ccクラスで発売からもう4年……だけど2024年まで『ベストセラー』を誇ったHondaのバイクってどれだと思う?

  2. 【え?空冷?】新型『CB1000F』を「予備知識ゼロ」でレビューすることになった→聞いてた話と違うじゃないか!?【Hondaの道は1日にしてならず/CB1000F ①第一印象 編】

  3. 【驚異の価格】新型EVスクーター『ICON e: (アイコンイー)』は26Lのシート下収納スペースありで充電もラク!【Honda2026新車ニュース】

  4. 徹底解説!レブル250の「Eクラッチ」が圧倒的に支持される「7つの理由」って? 【Honda E-Clutch/Rebel 250 S Edition編】

  5. 【質問】このバイクの車名ってわかる? Rebel 250(レブル250)じゃないよ!DAYTONA×Dope製のCL250向け『カスタム』です!

  6. ツーリング好きの私が年甲斐もなく『峠の走り』に夢中になってしまったバイクの話【Hondaの道は1日にしてならず/GB350 S インプレ・レビュー 前編】

  7. バイク歴18年のライダーはGB350 Cで初のMT車デビュー「これにしかない良さがあります」

  8. CRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)が予想外のニューカラー!?新型モデルからは『MT』と『<S>』が無くなり『DCT』のみに!

  9. GB350はモトクロスの女王、川井麻央選手も絶賛「GBがいいヤツすぎて仲良くなりました」

  10. Honda純正オイル「Pro Honda」の上位グレード「SPORTS」と「PREMIUM SPORTS」はどこまで違う? Honda二輪車のエンジン開発にも使用されるハイグレードオイルは〇〇〇が全く別物です!

  11. 【新車】125ccスクーター『LEAD 125(リード125)』がニューカラー2色追加で新発売! シート下スペース約37Lでスマートキー&USBソケットも標準装備!

  12. 10年、20年後も色褪せない「控えめに言って最高」GB350 Cを全力で絶賛する理由

  13. GB350を手に入れて1年半。休日はバイク漬け。女性ライダーの語る愛車の魅力。「行動範囲を広げてくれる素晴らしい相棒」

  14. 大排気量ツアラー一筋だったベテランライダーがXL750 TRANSALPに乗って感じた自由と楽しさとは?

  15. のんびりツーリング最強の大型バイク『CL500』がアップグレード!新色にも注目です!

  16. 通勤・通学、二人乗りもOKの遊べる125cc『ダックス125』は初心者の人も安心!

  17. 50歳からライダーデビュー。エネルギッシュな女性ライダーが考える悔いのない人生

  18. 新型『NX400』ってバイク初心者向けなの? 生産終了した『400X』と比較して何が違う?

  19. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  20. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける