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「スズキDR-Z4S&SM」注目の400ccオフ&モタードモデルにまたがってみた!〜第41回大阪モーターサイクルショー2025速報〜

RR-Z4S DR-Z4SM

新型DR-Z4シリーズ、取り回し性「ギリギリ、イケそう」は旧型と同様!?

スズキの新型デュアルパーパスモデル・DR-Z4S。かつてのDR-Z400Sの直系後継モデルと言える存在だ
大阪モーターサイクルショー展示車のDR-Z4Sは、STDより30mm低いローシートが装着されていた模様

インテックス大阪で開催されている第41回大阪モーターサイクルショー2025の会場で、スズキは昨年秋のEICMA(ミラノショー)で正式発表していた新型デュアルパーパスのDR-Z4Sと新型スーパーモトのDR-Z4SMを国内初披露。会期前日の事前発表会で、またがりに成功した!! 

日本仕様は秋頃の発売がウワサされているDR-Z4SとDR-Z4SMの2台は、排ガス規制強化の影響により日本では2008年に生産終了となり、北米地域を除いて日本以外の地域でも順次販売終了となったDR-Z400SおよびDRZ-400SMの後継モデル。それぞれフルモデルチェンジによりパワーユニットが大幅アップデートされ、フレームや外装類などが完全刷新されている。

従来のDR-Z400シリーズは知る人ぞ知る名機で、特にオフロードタイプのDR-Z400Sは、二輪メディア業界にもファンが多かった。何よりも秀逸なのはその排気量設定で、日本の免許制度にマッチすることに加え、オフロードスポーツ系の中心的な排気量帯となっていた250ccと比べて馬力&トルクに余裕があり、ビッグアドベンチャー系と比べたら林道などに踏み込んで遊ぶことがはるかに現実的な車格と車重だった。

新作スチール製フレームを採用する新型DR-Z4Sにもその長所は受け継がれ、オフロード遊びをある程度はしたことがある人にとっては「これなら、林道でもなんとかなるか……」と思える大きさ。海外仕様の車重は151kg(SMは154kg)と発表されており、舗装路で少し試した限りでは、オフロードでの引き起こしもそれなりの体格がある男性でマイナス角からでなければ、なんとかなりそう……。

同時発表のスーパーモタードモデル・DR-Z4SM

足着きは、DR-Z4Sの場合ローシートでもキツいかも……。ただしライポジは具合よし

今回の展示車両には、DR-Z4SとDR-Z4SMで異なるシートが装着されていた。Sには純正アクセサリーのローシートが装着されており、Sの標準のシート高920mmに対して30mmダウンとなっている模様。一方のSMに付いていた標準シートの場合890mmを公表されているから、スペック上ではローシートのSとノーマルシートのSMは同数値となる。

まずノーマルシートのSMにまたがってみたところ、身長167cm・体重68kgのライダーがシートの一番前に座ったときに、両足のつま先がツンツンで着く感じ。撮影のために両足接地を試みたが、基本的には少し腰を左右にずらし、片足で支えるほうが安心だ。

続いてローシートのSにまたがったが、こちらはさらに厳しく、辛うじて両足のつま先が地面を捉えたが、指先というより靴の先端部分が地面に触れているイメージだ。数値が同じなのに足着きの違いが生まれるのは、シートの形状によるところが大きそう。Sのローシートは薄いが、上面の角があまり削られておらず、股が開き気味になることでロスがあるのだ。ただし上面が広いので、片足で接地したときに、太腿の裏側がシートに密着しやすいという利点がある。また、シートが薄くなっていることでクッション性が犠牲になっているが、上面がフラットなのでお尻への面圧が分散されて快適性ではメリットになりそうだ。

DR-Z4Sのライポジ。身長167cmの両足接地では、辛うじてつま先が地面を捉える程度。Sのシート座面が比較的角張っていることも原因か
この高さだと、つま先にあまり力が入らない

そしてDR-Z4Sのライディングポジションは、自然にオフロードを楽しめそうなフィーリングもあるが、シッティングで足を前に出す姿勢を試したときには、角ばったシート形状が少し気になった。300mmの最低地上高が確保されていることもあり、スタンディングではかなり高い位置に視点がある印象。ステップに対するハンドル位置は、積極的にオフロードを楽しみたくなる設定だ。

数値上はローシートが装備されていたSと同じ890mmのDR-Z4SMだが、シート形状がスリムな分、両足接地では足先が地面を捉えやすい。
そのため、DR-Z4Sより車体を支えやすい。

一方、ノーマルシートのDR-Z4SMは、より車体と平行に近い方向へ足を出せるイメージ。シート上面が絞られていることで、車体そのものがよりスリムになったように錯覚する。足が短くホイールが小径なSMでも、シート高は890mmとかなり高さがあるが、ライディング時の操縦性を考えたら、身長165cm以上ならノーマルシートをお薦めしたい。とはいえこれは、1mmも走らせていない段階での話だが……。

展示車のDR-Z4Sに装着されていたローシート。シートは標準より薄いものの、座面幅が広く角が太ももに当たる印象があって、足着き性を若干スポイルしている
DR-Z4SMの標準シート。シート厚はSのローシートよりあるものの、座面幅がスリムで足着き性はよくなっている。だがツーリング等では平らな面の広いSのローシートのほうが快適かもしれない

DR-Z4シリーズはスタイリングにも見どころアリ。エキパイがカッコよし!

398cc水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは、電子制御スロットルやチタン吸気バルブなどを採用の新規のパワーユニット。2ストチャンバーのようなエキパイがカッコよし!
出力特性を3段階に切り替え可能で、グラベルモードを含む3段階+オフのトラコンも装備

DR-Z4SとDR-Z4SMの仕様と違いについては昨秋に報じたとおりだが、簡単におさらいしておくと、電子制御スロットルやチタン吸気バルブも採用した398cc水冷単気筒エンジンを、スチール製のツインスパーフレームに搭載。出力特性を3段階に切り替えられるドライブモードセレクター、グラベルモードを含む3段階+オフのトラコン、リヤのみオフにできるABS(Sは前後オフも可能)を装備。

前後サスはKYB製で、フロントは伸圧減衰力調整が可能で、リヤはフルアジャスタブル。サスストロークはSのほうが長いが、フロントブレーキはSMのほうが大径。スイングアームはアルミ製で、スポークホイールはSが前後21・18インチ径、SMが前後17インチ径となる。スタイリングでは、超小型LEDヘッドライトも特徴的だが、実車を見てあらためて注目したのはエキゾーストパイプ。触媒を内蔵した部分が膨らみ、2スト時代のチャンバーみたいでカッコいい!

バー形状、高さともに操作性のよさそうなSのハンドル設定。メーターまわりはコンパクト
個性的なフロント面を主張するLEDヘッドライトをはじめ灯火類はウインカーなども含め全LED化
KYB製のカートリッジ型倒立フォークを採用のSのホイールトラベルは280mmで、伸圧減衰調整が可能。タイヤは同車専用の内部構造を持つ21インチのIRC製GP-410を装着
同じくKYB製のリヤショックはプリロードほか伸圧減衰力調整が可能で、296mmのホイールトラベルを確保。スイングアームは軽量なアルミ製。ホイール径は18インチ
一方DR-Z4SMの足まわりは前後17インチ。タイヤはダンロップ製のスポーツマックスQ5Aを標準装着。ホイールトラベルは前260・後277mmで、ともに伸圧減衰力調整機構付きだ

日本では大阪モーターサイクルショー2025で初披露されたDR-Z4SとDR-Z4SM。国内正式発表&販売開始まではもう少し時間がかかりそうだが、ショーでの注目度も高く、ヒットの予感!!

レポート●田宮 徹 写真●モーターサイクリスト編集部

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