■2026年9月2日に開催された、モト・グッツィ新社屋、新施設の完成式典
2026年9月、イタリアの老舗モーターサイクルブランドであるモト・グッツィが、コモ湖畔のマンデッロ・デル・ラーリオに新たな拠点を完成させた。1921年の創業以来の歴史を刻むこの地に、およそ5年の歳月と5000万ユーロ(約80億円)以上を投じて建設された本施設は、世界のバイク産業をリードする新たなハブとなるだろう。
技術と伝説が融合する革新的なデザイン

新拠点の設計は、ヴェネチア・ビエンナーレ建築展で金獅子賞を受賞したアメリカ人建築家、グレッグ・リン氏が率いるチームが手掛けた。単なる生産工場や博物館にとどまらず、技術と伝説、実験と情熱が融合する独自の文化空間としてデザインされている。

ピアッジオグループCEOのミケーレ・コラニーノ氏が「金属とロボット、静寂とアートを融合させる仕事」と語る通り、過去と現在が共存するかつてない体験を提供する場所へと生まれ変わった。

環境への配慮と最先端技術を備えた新工場
中核となる新しいファクトリーは、環境への配慮と資源の効率化を重視し、1300m2の太陽光パネルを備えたクラスA基準の建屋として設計された。5500m2の施設増設により工場面積は3万8000m2に拡大し、生産能力は年間3万台以上に引き上げられている。さらに、最新世代の自動化エンジン組立ラインを完全新設で導入した。最終検査への車両引き渡しには、ピアッジオ・ファスト・フォワード(PFF)製の地上走行ドローン「kilo」が活用され、作業員の負担軽減と安全性の向上を実現している。




100年の歴史を体感する新ミュージアム
工場に隣接して新設されたミュージアムは、マンデッロのメタリックな美意識を反映した3000m2の開放的な空間である。世界に一台しかないプロトタイプ「G.P.」やWGPを14度制したレーシングマシンなど、修復された160台以上の貴重な車両が展示され、100年を超えるブランドの歩みを多角的に体感できる。また、ミュージアムからは組立ラインを望むことができ、バイクが作られる工程を直接見学することが可能だ。








世界中のライダーを迎え入れる複合スペース

修復された風洞実験施設「ガレリア・デル・ヴェント」や大型店舗、カフェ、イベントスペースを含む4200m2の複合施設は、一般に開放される。歩行者専用の屋外エリアには象徴的なプロムナードが整備されており、稼働中の工場を眺めながら散策することができる。世界中から訪れるライダーを一年中迎え入れるこの新拠点は、歴史ある赤いゲートの先で、すべてのグッツィファンにとって唯一無二の目的地となるだろう。



まとめ●モーサイ編集部 写真●ピアッジオグループジャパン
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