基本的な性能・機能を押さえ、多方面で調整機構を導入
詳細解説
折り紙のような、と形容されるエッジを利かせたデザインは、ひと目でRC8と分かる個性的なもので、存在感も大きく、衆目を集める。
全体的にシャープな雰囲気があり、SSとしてバランスも取れている。
同じオレンジでも部位によりツヤあり/なしを使い分けるなど、カラーリングもざん新だ。
↑上下に2灯を配し、それを挟むようにアッパーカウル両側をスクリーン下端まで高く伸ばす。
リヤビューは大胆に跳ね上げた、薄くコンパクトなシートカウルが特徴的だ。
ブレーキ/テールライトやウインカーはLED。
↑ハンドルは開き気味で、SSとしては大きな切れ角を持つ。15㎜の範囲で高低調整も可能だ。LEDウインカーがビルトインされるミラーはボディ別体の鏡面を持つ。
クラッチは油圧式で、ブレーキともにマスターシリンダーはマグラ製ラジアルポンプ。
トップブリッジ上にWP製ステアリングダンパーも装備する。
↑軽量コンパクトかつデザインも独特な多機能デジタルメーター。
トリップや水温、時計だけでなく、電圧低下や前後シリンダーの水温差、残燃料、外気温(3℃以下)などの警告、予備燃料での走行可能距離、タイヤ空気圧、ラップタイムなどが表示できる。
↑左側スイッチボックスにはパッシング、ディマー、ウインカー、ホーンの各スイッチのほか、デジタルメーターのモード切り換えとラップタイムの計測スイッチも装備する。
右側はキルスイッチとセルボタンが付く。
↑前後ともキー操作で脱着が可能なシートは、シートレールのフレームへの取り付け位置をずらし、シート高(標準805㎜)を20㎜高められる。
また、ステップの高さを2段階、左右ペダル踏部も前後に3段階の可動機構を有するなど、調整範囲の広さも特徴。
フロントシート下に車載工具が納まる程度で、リヤシート下にも収納スペースは存在しない。
↑フレームはクロモリ鋼管トラス構造のメイン部とアルミパイプのシートレールの組み合わせ。
スイングアームはダイキャストとプレス材を組み合わせたアルミ製でアルマイト仕上げだ。
マフラーはエンジン下に配置される。
↑水冷4サイクル75度V型2気筒・DOHC4バルブエンジンは、2軸バランサーを採用し、103㎜×69㎜のボア・ストロークから1149㏄を得る。
潤滑方式はドライサンプで、オイルタンクをクランクケース前に配置。
日本仕様の出力は98psだがフルパワーは155ps。
2㎜大きなボアで1194ccとなるRC8Rは、日本仕様で101ps、フルパワーが170ps。
↑RC8のホイールは前後マルケジー二で、’10モデルはピレリ・ディアブロロッソが標準(試乗した’09モデルはドラゴンスーパーコルサプロだった)。
ブレーキは前後ブレンボで、フロントはラジアルマウントの対向4ポットキャリパーと320㎜径ディスクのセット。
インナーチューブ43㎜径のフロントフォークはWP製のフルアジャスタブルタイプ。
↑RC8Rのホイールは同じマルケジー二製ながら鍛造となり、タイヤはピレリ・ディアブロスーパーコルサSPが標準。
WP製フォークはチタンコートされ、キャリパー塗色も異なる。
ブレーキディスクサイズはRC8と共通だ。
↑220㎜径ディスクと対向2ピストンキャリパーが組み合わせられるリヤブレーキはRC8/RC8Rともに同じ(写真はSTD)。
↑スイングアーム上部にリンク機構(車高調整機構付き)を持つリヤショックは、RC8/RC8RともにWP製のフルアジャスタブル。
↑シート下に収納される車載工具は、KTMの伝統を受け継ぐ立派なもの。
→次ページ:KTMの歴史を振り返る