KTM
1190 RC8/R
KTMがトップレンジ・カテゴリーを担う一台として、またレースへの対応も考えて開発・発売した同社初のスーパースポーツがRC8シリーズである。
大胆かつ魅惑的なデザインと高性能により競合車多きSS市場で存在感を示している。
文●野口眞一 写真●岡 拓
※本記事は別冊Motorcyclist2010年8月号に掲載されていたものを再編集しています。
WSB参戦も視野に入れて生み出されたKTM初のスーパースポーツモデル
車両概要
かつてはロードスポーツも製作し、ロードレースにも参戦した歴史を持つオーストリアの二輪メーカーKTMは、’60年代半ば以降、エンデューロレースやモトクロスで世界に名を馳せ、日本でもポテンシャルの高いオフロードマシンを製作するメーカーとして認知されてきた。
そんなKTMが、フルラインメーカーを目指して商品ラインアップの充実を図り、また、スーパーバイク世界選手権=WSBへの挑戦も視野に入れて生み出したのが1190RC8/RC8Rである。
’03年にプロトタイプが発表されてから約5年後の’08年春にRC8が発売され、その1年後にハイグレードバージョンのRC8R(排気量が45cc拡大され、前後ホイールやサスペンションなど足まわりの仕様も異なる)が登場、現在に至る。
’10年型は基本的な造りやスペックを踏襲しつつ細部のリファインが行われている。
また’10年型で、RC8ベースのアクラポヴィック・レプリカ、RC8Rベースのレッドブル・レプリカ(いずれも限定車で日本には各10台入荷)も加えられた。
車体色はSTDのRC8がオレンジ、RC8Rがブラック(限定車は各専用色)。
価格はRC8が207万9000円(限定車は214万2000円)で、RC8Rが241万5000円(限定車は262万5000円)である。
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