ヒストリー

珠玉の並列3気筒! 2000年代名作バイク、トライアンフ・ストリートトリプルを解説!(2009年)

 

ミドルトライアンフ モデルヒストリー

トライアンフは再生復活した’90年、750から1200までの3/4気筒車をラインナップし、以降、並列2気筒モデルなども加えて現在に至るが、並列3気筒は今やトライアンフを代表するエンジン形式のひとつになっている。
’60年代末~’70年代、日本メーカーでも2/4サイクルの並列3気筒を積むスポーツ車を開発・販売した経緯はあるが、トライアンフも3気筒車の歴史は古く、’60年代末までさかのぼる。

’68年、排気量拡大が進みつつあった世界的時流の中で、トライアンフは従来の650ツインを上まわる性能を求めて空冷並列3気筒のトライデント150を生み出し、’70年代に入るとディスクブレーキやセリアーニタイプのフロントフォークなどを導入したその進化型である150Vを発売している。
その後英国車は衰退の道をたどり、トライアンフも経営が立ち行かなくなり、その歴史に一旦の終わりを迎えることとなる。

だが、同社は’90年に復活し、エンジンやシャシーを合理的に共用するモジュラーコンセプトに基づいて、前述のような複数の車種を開発・発売し、新生トライアンフとして再スタートを切る。
そして’94年、現在も受け継がれているネイキッドスポーツのスピードトリプルを生み出す。
水冷並列3気筒855㏄だった同車はその後排気量が拡大され、アルミフレームを導入するなどして、戦闘力が高められた。
現在は1050㏄となり、トライアンフのネイキッドスポーツの最上級車として世界中で堅調な支持を得ている。

一方、トライアンフがグローバルミドルとして世界中で定着していた600㏄クラスに参入したのは’00年のTT600からだった。
日本製のスーパースポーツ600と同じ水冷の並列4気筒(ボア・ストローク68.0×41.3㎜、599㏄)を搭載した同車は、市場のニーズに対応して生み出されたスポーツモデルだった。

このTT600をベースに、よりスポーツ性の高いフルカウルデザインや足まわりを採用するなどして開発され、’03年に登場したモデルがデイトナ600である(デイトナはその後、’05年には排気量を拡大したデイトナ650となる)。
また、’03年にはTT600をベースにカウルを取り去り丸目2灯ライトを装備するミドルネイキッドのスピードフォーもデビュー。同車は’06年型まで生産販売される。

トライアンフのミドルクラスに並列3気筒エンジンが登場したのは’06年だった。
新開発された675㏄の水冷トリプルは、レーシーなフルカウルをまとうシャシーに積まれ、デイトナ675としてデビュー。
並列4気筒の日本製SSと同等以上のパフォーマンスが与えられた同車はヒットモデルとなる。

このデイトナ675と基本を同じくするパワーユニットをネイキッドにふさわしい特性へと造り込み、スピードトリプル譲りの躍動的なスタイリングデザインの車体に積んで’07年秋に登場したモデルがストリートトリプルである。
軽量コンパクトな車体と、108㎰の十分な力との組み合わせはエキサイティングなスポーツランを可能とし、世界中で人気を得て日本でもヒットモデルとなっている。

そして約1年後の’08年末には、そのバリエーションモデルであるスピードトリプルRも追加された。
Rはデイトナ675と同形式のフルアジャスタブル前後サスとフロントブレーキ、専用のテーパードハンドル/シートを採用するハイグレードバージョンで、欧米や日本でスタンダード車に負けない支持を得ている。

トライアンフには巨大なクランク縦置き3気筒を積むロケットスリーもあり、先ごろビッグツインを積む大型クルーザーの新サンダーバードが登場して話題になっているが、ストリートトリプル/Rやデイトナ675といったミドル・トリプルモデルは、スピードトリプルなど1050㏄の水冷並列3気筒を積む大型スポーツとともに、トライアンフのアイデンティティともなっている並列3気筒の歴史をさらに明確に刻んでゆくであろう。

 

1994 SPEED TRIPLE(初代)

並列3気筒を積む初代のスピードトリプルはボア・ストローク76×65㎜、855㏄で出力は98㎰。車重は乾燥で209㎏。
丸目1灯ライトを装備し武骨なイメージだった。

 

2000 TT600

トライアンフの600㏄スポーツ第一弾として登場したTT600。
アルミツインスパーフレーム、フルカウルの車体に599㏄で燃料噴射を採用する並列4気筒搭載。出力110㎰。

 

2003 DAYTONA600

TT600をベースに生み出されたミドルSSでシャープなフルカウルなどを装備し、並列4気筒は112㎰へと性能向上。
’05年には排気量を646㏄へ拡大し、デイトナ650となる。

 

2003 SPEEDFOUR

TT600のカウルを取り去り丸目2灯ライトを装備するネイキッドがスピードフォーで、出力は98㎰。
2006年型まで生産販売された。
ストリートトリプルの先代モデルである。

 

2005 SPEED TRIPLE(4代目)

1050㏄の3気筒を新設計のアルミツインスパーに搭載して登場。
2代目からの丸目2灯は継承しつつ、デザインも刷新。
現行車は’08年に小変更されたが基本は同じ。

 

2006 DAYTONA675

デイトナ650の後継車として開発されたトライアンフの新世代ミドルSS。
新設計の並列3気筒は74×52.3㎜で、排気量675㏄。
出力は125㎰で乾燥重量165㎏。

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