ヒストリー

【時代を駆け抜けたバイクたち2】DUCATI 851・HONDA CBR600F/VF750F編

この世にバイクが登場して以降様々な新機構が生み出され、車両性能は止まることなく進化し続けている。
ここで紹介する3車種は、当時画期的とも言える技術と、思わずときめくようなコンセプトが存分に詰まったバイクたちだ。
水冷Lツイン、気軽に味わえるスポーツ性を標榜した開発理念、GPマシンからのフィートバック……。バイクの歴史を紐解けば、そこは時代を変えてきたパイオニアが多く存在するのである。

※本記事はMotorcyclist2017年3月号のものです。

 

4気筒を負かした水冷"Lツイン" DUCATI 851

ドゥカティ量産スポーツ車初の水冷"Lツイン" となる851は、1987年のデイトナBOTTレースでプロトタイプが登場した。

ヘッドはDOHC4バルブデスモドロミック(バルブスプリングがないバルブ強制開閉機構)で、鋼管トレリスフレームに搭載。市販車改造のスーパーバイクレース参戦を最初からねらって設計された。

この排気量アップ版となる888で1990年はレイモン・ロッシュ、91年&92年はダグ・ポーレンがスーパーバイク世界チャンピオンを獲得。
それまで2気筒エンジン車は日本製4気筒エンジン車より非力で遅いという常識があったが、これを一蹴した革新的なモデルだった。

スーパーバイク世界選手権などは当初2気筒1000㏄まで、4気筒750㏄までとされていたが、ドゥカティの強さが目立ち、2004年に気筒数問わず1000㏄へ統一された。
現在は4気筒1000㏄まで、2気筒1200㏄まで(ただし改造範囲が狭い)。
851系の後、現代車のスタイリングに大きな影響を与えた916系(故マッシモ・タンブリーニがデザイン)、999、996、1098、1198と来て、1199パニガーレで伝統のトレリスフレームを捨てモノコックとなった。
 

1993年 888

●92年型で888㏄に拡大。851ストラーダと高性能版の888SP4 / SPSの3タイプを用意。93年型は888ストラーダ、888SP5の2タイプを用意、ストラーダは94年も販売

 

1994年 916

●排気量を916㏄に拡大しフレームも刷新。片持ち式スイングアームを採用した個性的なデザインはマッシモ・タンブリーニの作。最高出力114馬力、乾燥重量198㎏

 

2003年 999

●916→996→998まで発展した後、この999で全面刷新。排気量は998㏄(高性能版の999Rのみ999㏄)。05年型でカウルのデザインやエンジンの変更を受けている

 

2007年 1098S

●排気量を1099㏄(1098Rは1198㏄)に拡大、フレームも14%の剛性向上と1.5㎏軽量化を果たす。この後12年型でアルミモノコックフレームの1199パニガーレへ進化

 

RIVAL 1987年 HONDA VFR750R

●88年から始まったスーパーバイク世界選手権向けに1000台限定販売、予約が殺到したことは今も語り草に。レースではフレッド・マーケルが88年、89年と連覇を飾った

 

オールラウンドスポーツの原点・HONDA CBR600F

ホンダがたびたび掲げてきた「F」コンセプトは、このCBR600Fがもっとも表しているだろう。

スポーツバイクでありながら、そのスポーツ性能をサーキットに限定することなくあらゆる場面で、場合によってはタンデム時でさえも、車体と一体となってスポーツライドが楽しめるように、非常に懐の深い設計がなされ特に欧州で絶大な人気を集める。

99年アルミフレーム化、01年にインジェクション化(F4i)され、03年にRRへバトンタッチした。
 

1992年 CBR600F

●91年型でコンパクト化された新エンジンを採用。最高出力100馬力。センタースタンドやグラブレール、荷掛けフックなどの実用装備も充実。92年型(写真)で国内仕様も登場

 

2011年 CBR600F

●CBR600F4i(01年型〜06年型)以降途絶えていたFが復活。アルミモノバックボーンフレームのCB600Fホーネットをベースにフルカウル化したモデルで最高出力102馬力

 

2014年 CBR650F

●ノンカウル版のCB650Fと同時デビュー。新開発の650㏄エンジンを鋼管ツインチューブフレームに搭載。欧州仕様87馬力、国内仕様83馬力とし、扱いやすさを追求している

 

RC30へと続く新技術の幕開け・HONDA VFR750F

空冷並列4気筒全盛の70年代から、時代が変わるような大きな革新を模索していたホンダは、WGPで2ストローク勢を相手に奮闘していたNRの技術を市販車にフィードバック。

1982年 HONDA VF750F
●82年12月発売。748 ㏄、最高出力72馬力。バックトルクリミッターを採用しホイール径は前16、後ろ18インチ。フレディ・スペンサー、フレッド・マーケルらがレースで同車を駆り大活躍した

新たにスリムで高性能な水冷V型4気筒エンジンをリリース。バックトルクリミッターなど最新装備を満載しただけでなく、フロント16インチホイールの採用や角断面パイプフレーム、モノショックなど車体面においても新しいスポーツバイクを提案した。
 

1982年 VF750 SABRE

●一次振動を理論上ゼロとする90度V型4気筒エンジンでリヤサスはプロリンク、駆動方式はシャフト。光ファイバーを採用した盗難防止装置も装備する。最高出力72馬力

 

1982年 VF750 MAGNA

●セイバーと同時デビューのアメリカンで最高出力72馬力。ミッションもセイバーと同様の5速+オーバードライブとし、高速走行を快適化。ホイール径は前18、後ろ16インチ

 

→:【時代を駆け抜けたバイクたち3】KAWASAKI 900 SUPER FOUR(Z1)

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