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バイク好きで知らぬものはいないホンダ・CB スーパーフォアシリーズ。
「プロジェクトBIG-1」から生まれたこのシリーズは、紛うことなきネイキッドバイクの金字塔といえるだろう。
ネイキッドモデルを日本で愛されるバイクカテゴリーにまで押し上げた同シリーズの傑作モデルたちは、現代でもなお輝き続けているのである。
新時代CBフラッグシップの出発点・CB1000SF/CB1300SF
1992年 HONDA CB1000 SUPER FOUR
CB750フォアに対して、本田宗一郎氏が「こんなデカいバイク誰が乗るんだ」と言ったのは有名な話だが、このCB1000SFに比べたら750フォアなど本当に小さい。
23ℓの強大なフューエルタンクと前後18インチのホイール径で登場したこのモデルは「プロジェクトBIG-1」のコンセプトを見事に表したとても堂々としたモデルで、リッタークラスネイキッドブームの高まりのなかで多くの人を魅了した。

「走る者の心を魅了する感動性能を有すること」をコンセプトに、水冷エンジンや前後18インチホイール、23ℓ容量の燃料タンクで力強さを表現。排気量998㏄、最高出力93馬力。乾燥重量235㎏
セクシー&ワイルドを目指したルックスはかつてのCB1100Rをイメージさせる赤と白のカラーリングに包まれ、ホンダの伝統も感じさせるスタイリングを具現化。エンジンはツーリングモデルとして存在したCBR1000Fのものに専用チューニングを施し搭載するのだが、これもV型が一般化したレースの世界に対しホンダらしい並列4気筒とし、やはりファンを集めた。その巨体に似合わず走らせると驚くほど軽快なのも魅力だろう。
- ●丸型断面φ35の大径ダウンチューブを持つフレーム。エンジンはCBR1000F用がベースで、黒メタリック塗装やバフ仕上げのクランクケースカバーで機能美を追求
- ●速度計と回転計にステンレスリング、警告灯のマウント部分にアルミパネルを設けて質感を高めている。中央は水温計で、回転計のレッドゾーンは9000回転からとなっている
小変更が加えられた後、1998年にはよりドッシリとしたイメージの1300にチェンジ。さらに03年に20㎏もの大幅な軽量化とともに現在の形へと進化した。
1998年 CB1300 SUPER FOUR

97年登場のX4用に開発された1284㏄エンジンをベースとし、極太トルクと重厚な乗り味を追求。ダブルプロリンクサスを採用し最高出力100馬力。乾燥重量249㎏
2003年 CB1300 SUPER FOUR

シャープさを感じさせるデザインにして「キレ」のよさを表現。4-2-1マフラーの採用やフレームのコンパクト化で重量を約20㎏低減し運動性能も高めた。乾燥重量226㎏
2005年 CB1300 SUPER BOL D’OR

高速道路2人乗り解禁に合わせて追加されたモデルで、高速走行時の風圧軽減と走行安定性を向上させるハーフフェアリングを装備。合わせてABS仕様も追加されている
ライバル車 1994年 YAMAHA XJR1200

クラス最後発となったヤマハが送り出した空冷エンジンネイキッド。1188㏄で最高出力98馬力。98年にXJR1300へ発展。15年にヘリテージスタイルのXJR1300Cも登場
カブ、VTと並ぶ熟成が極まった名車・CB400SF
1992年 HONDA CB400 SUPER FOUR
万人が認めるベストバランスバイク、CB400スーパーフォアもはや25周年。
ゼファーに代表されるネイキッドブームの起こりにホンダが出した答えが、あくまでベーシックでありながら、それでいて一定のパワーとスポーツ性能を持っているSFだった。

CB1000SFと同じ"PROJECT BIG1" コンセプトに基づいた、力強さをアピールするデザインが特徴。エンジンはCB-1用をベースにカムギヤトレーンをチェーン駆動に変更し最高出力53馬力、乾燥重量172㎏
鉄フレーム、2本ショックにグラマラスな車体はいかにもバイク然としていて誰が見てもカッコよく、初代モデルから念入りに造り込んだおかげで性能も折り紙つき。
公道を走らせることにおいてちょうどよいバランスもあり大ヒットし、その後の400㏄ネイキッドカテゴリーの指標になる1台となった。
- ●スイングアームは極太の角型断面アルミ押し出し材を採用。サスはφ36のピストン径を持つガス封入式リザーバータンク付き倒立ダンパーを採用してハードな走行に対応する
- ●シート下には容量5.5ℓのユーティリティボックスを装備。レインウエアなどを収納できるようにしたほか、荷掛けフックも左右4カ所に設けて使い勝手を向上させている
初代から1998年まではほぼその内容は変わらないまま、よりスポーティなバージョンRやSがラインアップに加わり、98年にはオリジナルカラーのホンダ50周年モデルも展開。
99年にバルブ稼働本数を切り替えるハイパーVTECを搭載し注目を集めるとともに、車体まわりもラジアルタイヤ化に伴い大幅な進化を果たした。
その後、主にVTECの設定変更を繰り返しながら進化し、現在のインジェクションモデルのハイパーVTECRevoへとつながり、熟成を極めている。
1995年 CB400 SUPER FOUR VERSION R

耐久レーサーイメージのビキニカウルを装着、走りに応じて理想的な点火時期を供給するPGM-IGを装備。96年には同車をベースにカウルを省略した"バージョンS" が登場
1999年 CB400 SUPER FOUR

フレームを新設計、さらにエンジン回転数に応じて1気筒あたりのバルブ作動数を2個か4個に切り替える"HYPER VTEC" が新採用された。最高出力53馬力、乾燥重量168㎏
2005年 CB400 SUPER BOL D’OR

高速道路2人乗り解禁に合わせて投入。カウル内側両わきには容量1ℓの収納スペース付き。角型マルチリフレクターヘッドライトの採用で夜間視認性も向上。乾燥重量175㎏
ライバル車 1993年 YAMAHA XJR400

各社が送り出した400クラスネイキッドのなかでも直接のライバルとなったのがこれ。往年のXJ400同様のイメージを追求し空冷DOHC4バルブエンジンを採用。最高出力53馬力、乾燥重量176㎏
(1)ホンダCBR900RRファイヤーブレード
(2)DUCATI 851・HONDA CBR600F/VF750F
(3)KAWASAKI 900 SUPER FOUR(Z1)& Ninjaシリーズ
(4)HONDA CB1000 SUPER FOUR・CB400 SUPER FOUR
(5)HONDA VT250F
(6)DUCATI MONSTER M900・Harley Davidson SPORTSTER・HONDA EARA
(7)Harley Davidson FXS LOW RIDER・MOTO GUZZI V7
(8)KAWASAKI ESTRELLA・DUCATI SCRAMBLER
(9)トレール・オフロード・アドベンチャー
(10)小排気量・スクーター編