日本から何千kmも離れた異国の地で、昔から変わらずに愛され続けているデザイン。
現在でも色褪せない普遍的な美しさが垣間見えるのである。
ファクトリーカスタムはここから始まった
ハーレーダビッドソン創業者の血を引くウイリー・G・ダビッドソンがデザインした、ファクトリーカスタム車のハシリがFXSローライダーだ。

1977年 HARLEY DAVIDSON FXS LOW RIDER
●1200㏄のショベルヘッドエンジンにキャストホイール、フロントダブルディスクブレーキを装備してスポーツ性を高めたモデル。寝かされたフロントフォークでロー&ロングスタイルを形成している
低く、長く、ワイルドでシンプルに。いらないモノを外しぶった切る(チョップ)手法で生まれたのがチョッパーで、コンセプトはこのバイクと共通するところがある。それまでビッグツインといえばFL系のツアラーだったが、ウイリー・Gはそんな古くさい形も概念もチョップした。現行ローライダーもオリジナルのスタイルと精神を継承している。

●速度計、回転計を縦に配置したタンクオンメーターも現在まで受け継がれている特徴のひとつ。燃料タンクは左右分割式で、給油キャップが左右に付いている
1987年 FXLR LOW RIDER CUSTOM

●ローライダー10周年を記念して登場。FXRフレームに1340㏄エボリューションエンジンをラバーマウントし、快適な乗り心地と鼓動感を両立。フロントホイールは20インチのスポーク
1993年 FXDL DYNA LOW RIDER

●コンピューター設計の"ダイナフレーム" を採用し高剛性と迫力あるスタイルを両立。99年型でエンジンを1450㏄のツインカム88に刷新。15年型で再びラインアップに復活した
縦置き90度Vツインシリーズのルーツ
1960年代以前は単気筒が主軸だったものの、近年は縦置き90度Vツイン専業メーカーとして知られるモト・グッツィ。
その原点は67年型V7で、以後の同社はこのモデルの排気量を徐々に拡大しながら、幅広いジャンルに進出。

1967年 MOTO GUZZI V7
●挟角90度の703㏄ Vツインエンジンを縦置きして後輪をシャフトで駆動。最高出力50馬力。69年には757㏄のV7スペシャルへ発展するが、V7も警察用として76年まで作られた
なお80年代以降は前衛的な方向に進んだが、08年以降から発売が始まったV7シリーズでは、初期のV7を彷彿とさせるレトロなルックスを採用している。
2017年 V7Ⅲ ANNIVERSARIO

●08年型のV7クラシック以降、エンジンやフレームを改良し続け第3世代となった新型V7の誕生50周年記念車。燃料タンクをはじめメッキパーツを多用、750台の限定販売
→:【時代を駆け抜けたバイクたち8】KAWASAKI ESTRELLA・DUCATI SCRAMBLER
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