ヒストリー

【時代を駆け抜けたバイクたち6】DUCATI MONSTER M900・Harley Davidson SPORTSTER・HONDA EARA編

発売当初、全く新しい設計思想とスタイリングから良い意味でも悪い意味でも世を沸かせた3車種。
しかし、そのどれもが現代まで受け継がれていることを思えば、当時のこの試みは大成功を収めたと言っていいだろう。
現代にも受け継がれる魅力とは一体何だったのだろうか?

カジュアルになったドゥカティ

ドゥカティの若手デザイナー、ミゲール・ガルーツィはスーパースポーツからカウルを外し、ハンドルをクリップオンからバーにして、軽快で誰にでも楽しめるストリートスポーツに変身させた。
これが1992年に発表され大反響を呼んだモンスター900だ。

1992年 DUCATI MONSTER M900
92年のドイツ・インターモトで発表、93年型から発売。デザインは後にモト・グッツィV7レーサーなどを手がけるミゲール・ガルーツィ。851系用の鋼管トラスフレームに手を加え900SS系の空冷OHC2バルブエンジンを搭載

エンジンはもちろん"Lツイン"で、トレリスフレームに搭載。
それまでドゥカティはレーシングイメージが強いスーパースポーツがほとんどで、もっとセールスを上げるには多くのバイクファンや、まだバイクに乗っていない人々に受け入れられるデザインのモデルが必要だった。

当初ドゥカティマニアには毛嫌いされたが、多くの新しいファンを得た。
本国イタリアでも女性に大人気(そのひとりがバレンティーノ・ロッシのお母さん)。
モンスターなら街で乗っていてもしゃれていて、普段着のまま乗っていいのだ。
遊び心をくすぐるデザインだけでなく、スポーツ性も高いから、走り自体も楽しめ、以後、モンスターシリーズは人気を不動のものとした。
また、モンスターのデザインは現在のスポーツネイキッドバイクのお手本となった。

2001年 DUCATI MONSTER S4

916系の水冷エンジンを、ラージフレームと呼ばれるST4用の高剛性フレームに搭載。前後サスもフルアジャスタブル式にして強化される。最高出力101馬力、乾燥重量193㎏

2003年 DUCATI MONSTER 1000S

この年にリリースされたムルティストラーダ1000用に開発された、ツインスパーク仕様の空冷エンジンを新採用。排気量992㏄、最高出力84馬力。乾燥重量189㎏

2009年 DUCATI MONSTER 1100S

登場以来初となる全面変更。フレーム剛性が強化され、エンジンは新設計のクランクケースを採用。1100Sはオーリンズサスを装備する上級版。1078㏄、最高出力95馬力

2017年 DUCATI MONSTER 797

2016年末発表のエントリーモデル。排気量803㏄、最高出力76馬力でフレームも初代M900をほうふつする作り。水冷の1200/Sも2017年型でデザインなどの変更を受けた

RIVAL 1994年 TRIUMPH SPEED TRIPLE

デイトナ900のカウルを外し丸目1灯ヘッドライトを装着した"ストリートファイター"。最高出力97馬力の885㏄並列3気筒エンジン搭載。現在の1050の基礎となった人気車

英国車の打倒を目指したVツインスポーツ

トライアンフやBSAといった英国車に対抗するために、ハーレーがスポーツスターを発売したのは1957年。

1957年 HARLEY DAVIDSON SPORTSTER
1つのバルブを1つのカムで作動させる4カムOHVは現在まで受け継がれる。排気量883㏄、最高出力42馬力。58年には圧縮比を高めXLH883とレース向けのXLCHに分化 ※写真提供 ハーレーダビッドソンジャパン

軽さと運動性能を重視したこのモデルは、以後は基本設計を大きく変えることなく60年にわたり熟成を続けてきたのだが、近年のハーレーは主軸をローダウン仕様にスイッチ。
とはいえ、やはりその方向だけでは物足りないと感じたのか、2016年からは久しぶりのスポーツモデルとして、XL1200CXロードスターの販売が始まっている。

1952年 HARLEY DAVIDSON MODEL K

4カムサイドバルブエンジンを搭載するスポーツスターの前身。当初750㏄で最高出力30馬力だったが、パワー不足という声が多かったことから54年型で883㏄に拡大された

1986年 HARLEY DAVIDSON XLH883 SPORTSTER

52年型から続いた車体(Kフレーム)は78年にCRフレーム、83年にXLHフレームへと進化。86年型からオールアルミ製のエボリューションエンジンが採用された

2004年 HARLEY DAVIDSON SPORTSTER XL1200R ROADSTER

04年型で新設計フレームに刷新、エンジンをラバーマウント化して快適性が大幅に向上。XL1200Rはこの年に登場した、フロントダブルディスクブレーキを装備するモデル

大型オートマチックバイクの原点

CB750FOURにホンダマチック(ATミッション)を装着したモデル。

1977年 HONDA EARA
機構は四輪向けのATを転用したものでレンジ切り替えは左ペダルで行なう。型式名CB750A。輸出仕様は76年型から78年型まであるが日本向けは77年型のみ。最高出力47馬力、車両重量262㎏

ギヤレンジはローとスターの2つで、スターに入れたままでも十分走れた。
なおギヤの切り替え操作はチェンジペダルで行なう。
現在のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)とは構造はまったく異なるが、ノンクラッチ操作・自動変速ということでは、このエアラが原点。
続いてCB400TホークⅡ にもAT車が追加された。
当時はどちらも販売が振るわなかった。

回転計の代わりに各種インジケーターを装着。スタンダードのCB750FOURにはない燃料計も付く。速度計にはロー(登坂やエンジンブレーキ用)とスターの守備範囲もしるされる

1978年 HONDA HAWK CB400T HONDAMATIC

OHC3バルブ並列2気筒で最高出力30馬力、車両重量187㎏。このほか海外向けにCM400Aホンダマチックというアメリカンタイプも存在しており、83年まで販売された

2008年 HONDA DN-01

2007年の東京モーターショーで発表。ロックアップ機構付き油圧機械式無段変速機(HFT)で6速MTモードを含む3モードが選択可能。最高出力61馬力、車両重量269㎏

2012年 HONDA NC700S Dual Clutch Transmission

10年型VFR1200Fで初採用された"DCT"は、12年発売のNC700シリーズで第2世代へと進化。以降もCRF1000Lアフリカツインなど採用例を増やし続けている
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