バイクライフ

SNSに頻出する「納車警察」って何者!?「納車されました」ではなく「しました」を使うライダーの心理とは

日本語の間違いを正す「納車警察」

ついにバイクが手に入ったという喜びの気持ちを、TwitterなどのSNSで報告するときに「納車しました」と書くと、「お前はバイク屋(自動車販売店)か。正しくは『納車されました』だろう」と指摘するクラスタがいます。
これは通称「納車警察」などと呼ばれる一群で、間違った日本語を正しているのだとばかりに正義を主張しています。

納車警察的マインドを整理するとユーザーサイドは「納車されました」と使うべき理由は以下のような考え方でしょう。

・バイク屋さんなど販売店が「お客様に納車しました」と使うのが正しい
・オーナーはお客なのだから受動的に「納車されました」となるのが正しい

おそらく車両購入時に「納車整備」という項目があって、そこに一定額を支払っているという事実も、納車の主体が販売店になっているという認識を生んでいるのかもしれません。

もし上記のような理解が絶対だとすれば、なぜ書き手は「納車しました」と記してしまうのでしょうか。TwitterなどのSNSは話し言葉で活用されるものですから、意味が通ればどちらでもいいだろうと思うところもありますが、「納車しました」を使ってしまうライダーのマインドを理解しないと、いつまでも議論は平行線なのではないでしょうか。

「納車しました」はNGなのに「散髪しました」はOK?

そもそも日本語的にいえば「しました」と「されました」は非常に区別が難しい言葉ともいえます。能動的、受動的な意味合いだけでなく、敬語にもなるからです。

「Aさんが合格しました」
「Aさんが合格されました」

この場合、前者は単純な事実を示すもので、後者はAさんへの敬意をしめしています。

また受動的な行為であっても、それに主体性があれば「ました」という表現を使うことはあります。

たとえば、「家を建てました」という表現は一般的に使われますが、その場合「家を買った」と同義であって、DIYで家を建てたという意味でないことは明確です。

納車警察的な視点でいえば家を建てたのは建設会社なのだから「家を建ててもらいました」が正しいと言いたくなるかもしれませんが「建ててもらいました」には家を買ってもらったというニュアンスが生まれてしまいます。

もちろん「家を建設しました」というと納車警察が指摘するような主体が不明なニュアンスも出てきます。漢字二文字に「しました」をつけると違和感があるのでしょうか

そうとは限りません。「散髪しました」の場合は、バリカンを使って自分で坊主頭にしたという意味合いだけでなく、床屋さんや美容院で髪を切ってもらったようなシチュエーションも含めた表現として理解できます。

つまりお金を払って、その対価としてモノを手に入れたり、サービスを受けたりすることは主体的といえます。その意味では「納車しました」は意味が通るともいえるわけです。

そもそも「買いました」と書けばいいのでは? とも思いますが、バイクについては購入契約から納車までの期間が伸びていることから、「ようやく手元に届いた」という気持ちの表現として「納車」という言葉が使われているのかもしれません。

ヤマハがバイクがオススメする「納車!」という書き方

そんな「納車しました」「納車されました」論争に終止符を打ったのがTwitterのヤマハ バイク・アカウントです。2018年6月17日の投稿で『「納車!」にしておくと無難だと思うよ』とアドバイスしています。たしかに「納車!」と書けば、喜びの気持ちも表現できますし、これが定番になれば納車警察の出番もなくなっていくかもしれません。

それにしても、投稿日からすると4年前の段階で納車警察がいろいろな意味で話題になっていたことがわかります。正しい日本語を守りたいという気持ちは尊重したいところですが、せっかく納車で喜んでいる人がいるのですから、言葉尻を捕らえるのではなく、「納車おめでとう」と素直に祝ってあげればいいのにとも思います。

レポート●山本晋也 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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