雑ネタ

イカやタコ、鮭にサバ…走っていると磯の香りがしそうな「魚介ロード」10選

日本各地をクルマやバイクで走って、変わった愛称のついた道路を見かけたことはないでしょうか。
そうした中には「焼きイカ」「鯖」「タコ」など、走っているだけで磯の香りがしてきそうな道も……。

「なんで道の名前に魚介類が!?」と思ってしまいますが、由来になっている魚がその道で運ばれていた、その道路近くにある海辺で由来となっている海産物がよく取れていた──など、ちゃんとした理由がありました。
そこで、当記事では日本各地にある「魚介類・海産物の名前が付けられた道路」とその由来について紹介していきます。


日本各地にある魚介類が由来の道路

生街道・鮮魚街道(千葉県)

千葉県松戸市本町から我孫子市布佐までを繋ぐ「鮮魚街道」の案内看板。

千葉県松戸市と千葉県我孫子市を結ぶ「生(鮮魚)街道」。
江戸時代、千葉県の銚子や茨城県の鹿島灘などで水揚げされた魚は、競りが行われる日本橋にある市場に送られていました。その輸送路として使われていたのがこの道で、新鮮な魚が運ばれたことから「生(鮮魚)街道」という愛称が付けられました。

江戸時代の歴史にまつわる道ということで、「生(鮮魚)街道」沿いには昔の建造物などがあるのかと思ったのですが、残念ながら当時の面影を伝えるものはほとんどありません。
ただ唯一「常夜灯」(道を照らす街灯)は昔のまま現存しており、貴重な文化財となっています。

鯖街道(福井県など)

はるか昔、福井県は朝廷がある「京の都」へ食料を献上する「御食国」(*)で、名産品の鯖を都へ運んでいました。その輸送路として使われたルートが「鯖街道」と呼ばれています。

*御食国とは、日本古代から平安時代まで皇室や朝廷に海産物を中心とした食料を献上した国のこと。

なお、鯖を運ぶルートは様々あったそうで、福井県三方上中郡若狭町から京都へ至る複数の道が「鯖街道」とされています。

焼きイカ通り(青森県)

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町にある「イカのカーテン」。

収穫量全国1位ということで青森県はリンゴのイメージが強いかと思いますが、そんな青森県にイカが由来となっている道路がありました。
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町を通る大間越街道の「焼きイカ通り」です。

生干しされたイカを焼き、食べることができるお店が沿道に10軒近くあることから「焼きイカ通り」と名付けられた道で、クルマやバイクなどで訪れた観光客の中には、焼きイカ(1本300円程度、各店舗によって値段が異なる)の香ばしい匂いにつられて「焼きイカ通り」で足を止めてしまう人も多いそう。

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町にある海岸線には、イカがズラーッと干されている「イカのカーテン」という物珍しい光景が見られる観光スポットがあるので、イカが苦手な人も行ってみたらいつの間にかイカ好きになっているかもしれません。

北九州カニ・カキロード(福岡県)

タケノコや洋ランの収穫量が全国1位、いちご、キウイフルーツなどの収穫量が全国2位(平成30年度)の福岡県は、ほかにも豊前海で取れた「豊前本ガニ」や「豊前海一粒かき」という海の幸も名物です。
そこで、福岡県北九州市はそれら海産物を地域全体でPRするため、福岡県北九州市門司区から北九州市小倉南区を通る周防灘沿岸の道に「北九州カニ・カキロード」という愛称を付けました。

そのシーズン中(豊前本ガニ5月~12月、豊前海一粒かき11月~3月)には「北九州カニ・カキロード」の通りにあるお店が活気を見せはじめ、カニやカキ関連の料理、グッズなどの販売が盛んになります。

しらす街道(静岡県など)

しらすの生産量が1位の静岡県(平成30年)、3位の愛知県(平成30年)に「しらす街道」という愛称の道路があります。
静岡県富士市の「富士山しらす街道」、伊勢湾と三河湾の間にある愛知県の「南知多しらす街道」などが有名ですが、その沿道にはしらすを販売するお店がたくさんあり、「しらす丼」といった定番のものから、「しらすアイスクリーム」など一風変わったグルメも販売されています。

名前の由来はシンプル、その道路のある地域でしらすがよく取れることから「しらす街道」と呼ばれるようになったというものです。

天草ありあけタコ街道(熊本県)

たくさんの干しダコが吊るされている「天草ありあけタコ街道」。

大きなタコのオブジェクトがあることで有名な熊本県天草市の国道324号には「天草ありあけタコ街道」という変わった愛称があります。
天草市はタコによるまちづくりを行っており、その一環として2006年(平成17年)に天草市内を通る国道324号に「天草ありあけタコ街道」という愛称を付けました。

「天草ありあけタコ街道」沿道にはタコ料理を提供する飲食店が数多くあり、地元で取れたタコを使った「タコステーキ」や「タコカレー」など、ちょっとめずらしいメニューも食べることができます。

また、天草市では夏の風物詩として8本足を広げた干しダコが吊るされている光景が見られるほか、天草市はさまざまなタコにまつわる見どころがあります。天草市内をじっくり観光してみると、もしかしたら「インスタコ映え」スポットが発見できるかも!!

オイスターロード(三重県)

カキを使った料理が思う存分堪能できる「カキ小屋」が道沿いにたくさんあることから愛称が付けられた「オイスターロード」(ご存知の人も多いと思いますが、オイスターとは英語でカキのことです)。
三重県鳥羽市から三重県志摩市を結ぶ三重県道128号(パールロード)の生浦湾(おおのうらわん)を通るエリアが「オイスターロード」となります。

カキのシーズン中(11月から3月)になると、沿道にあるお店で肉厚かつジューシーなカキを食べることができることから、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

うなぎ街道(茨城県)

うなぎというと川魚のイメージがありますが、湖や河川である程度成長したあと、海に移動する習性があります……ということで当記事「海産物の愛称がある道」に含めさせてください(笑)。
そんなうなぎの愛称を持つ道とは、国道6号の茨城県龍ケ崎市を通るエリア。「うなぎ街道」という名が付けられています。

沿道にうなぎ屋さんがたくさんあるのがその名の由来で、桑名屋や伊勢谷、鶴舞家や山水閣など、何十年も続く老舗うなぎ料理店が立ち並んでいます。
ちなみに、その中でも山水閣というお店は大相撲力士の「稀勢の里」(きせのさと)さんが何度も訪れていた場所だったそうです。

越後村上鮭塩引き街道(新潟県)

各家の軒下に鮭を吊るす伝統文化がある「越後村上鮭塩引き街道」。

新潟県村上市庄内町と村上市小町を結ぶ「越後村上鮭塩引き街道」。
村上市の伝統文化、冬の風物詩である「塩引き鮭」(*)という手法で吊るされた鮭が各家の軒下にあることから、その通りに愛称が付けられました。

*塩引き鮭とは、内臓を取り除き水洗いした鮭に塩をすり込んで、1週間ほど置き流水に浸しながら余分な塩を抜き、数週間干したもの。村上市特有の夏は短く、冬は非常に寒い気候だからこそできるやり方なのだとか。

また、村上市は明治時代に世界で初めて鮭の自然ふ化増殖に成功したことで有名な町でもあり、まさに「鮭の街」といえる場所です。

くじらロード(東京都)

東京都昭島市玉川町、東中神駅近くにある「くじらロード」の入り口。

厳密に言うとくじらは魚ではなく哺乳類に分類される生き物ですが、「鯨」と漢字で表記するときに「魚偏」となり、はるか昔は魚として扱われていたため、強引かもしれないけど、許してください……。
是非とも紹介したいくじらの名前の道があるんです。しかも、海に隣接していない東京都の内陸部にあるというミステリー。

その道とは、東京都昭島市玉川町の東中神駅周辺にある「くじらロード」。
東京都昭島市は23区の西にあり、海からはかなり離れています。なぜ道の名前にくじらと付けたのか──。

その由来は意外なものでした。
1961年(昭和36年)に東京都昭島市近くにある多摩川橋梁周辺でくじらの化石が発見されたのをきっかけに、くじらがまちのシンボルマークに。「くじらロード」もその一環として名付けられました。

なお、昭島市で発見された化石は当時世界で初めて確認された新種のくじらで、その化石は「アキシマクジラ」と命名されています。

ちなみに「くじらロード」を歩いているとくじらの像やくじらのイラストが描かれている壁画があるほか、化石が出土した場所の周辺には「くじら公園」「くじら運動公園」などがあり、昭島市が「くじら推し」なのがよ〜くわかります。


余談ですが、「うなぎ街道」沿道にある山水閣では「稀勢の里」が実際に書いたサイン色紙がいくつも飾ってあるので、稀勢の里ファンの人はぜひ茨城県龍ケ崎市に訪れてみてはいかがでしょうか?

レポート●モーサイ編集部・小泉 写真●一般社団法人 天草宝島観光協会/公益社団法人 青森県観光連盟/townphoto.net/一般社団法人 村上市観光協会

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