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SHOWAが2輪用アフターマーケットサス市場に参入!? カワサキ ニンジャZX-25R&Z900RS用の試作品を公開

久々の日本製リプレース用サス登場? SHOWAの取り組みに期待大

国内外問わず様々な2輪車メーカーの純正サスペンションを供給しているSHOWAが、2020年10月、リプレース用(アフターマーケット用)サスペンションのプレゼンテーションを行いました。
「プレゼン」と言ったのは、まだこれらが市販化もしくは市販予定の製品ではなく、プロトタイプだからです。しかし公開するからには、もちろん市販化の目算があってのことでしょう。

今でこそアフターマーケット製サスペンションはオーリンズ、WPを始め海外製がほとんどですが、かつてはSHOWAやKYBなどの日本製もかなりありました。なので、SHOWAの方向性というか心意気にはエールを送りたいですね。
OEMでは成し得ないリプレース品ならではのよさがありますから、是非市販化してほしいものです。

まずがカワサキ2機種、Z900RSとニンジャZX-25R用プロトタイプをお披露目

カワサキ ニンジャZX-25R用フロントフォーク「SFF-BP」

まず紹介するのは、ニンジャZX-25R用です。
フロントフォークはSFF-BPですが、これはSeparate Function front Fork-Big Pistonのこと。
フォークの片側に分離加圧ダンパーを、もう一方にスプリングを備えた機能分離タイプのフロントフォークです。左右1本ずつ機能が異なるので、ONE-BY-ONEフォークとも呼ばれます。元々はモトクロッサーに用いられた機構で、SFF-BPではダンパー容量を増やしたビッグピストンタイプとなっています。
37mm径のインナーチューブには、摺動抵抗が驚くほど小さいというSHOWA独特のエメラルドコーティングが施されています。
なお、調整機構はありません。

SFF-BPフォークのインナーチューブは、モトクロッサー用にも採用のエメラルドコーティング処理。インナーチューブ径は37mm。
SFF-BPは片方にダンパー(カートリッジ)を、もう片方にスプリングを備えており、軽量なのが特徴。参考展示車用のプロトタイプには調整機構はありませんでした。

カワサキ ニンジャZX-25R用リヤショック「BFRC-lite」

一方リヤショックはBFRC-lite(Balance Free Rear Cushion-lite)です。
これは(ショック本体の)シリンダー内のピストンにではなく、シリンダー外側に減衰力発生機構を設けているのが特徴です。元はスーパーバイク世界選手権のニンジャZX-10R用がベースで、BFRC-liteではさらに軽量化を実現。ピストン(減衰力発生機構)を直列に配置することで圧力バランスの変動を抑え、窒素ガスによる加圧で応答性を高めています。
ピストンは30mm径、ロッド12.5mm径で、これらのサイズは大型モデル用と同じです。調整機構は伸び/圧側減衰力(各一頭のアジャスター装備)と、プリロード(ナット式)です。

ライムグリーンのスプリングが鮮やかなBFRC-lite。プリロード調整はナット式。伸び側(TEN)と圧側(COM)の減衰力調整機構は1ヵ所にまとめられています。

カワサキ Z900RS用フロントフォーク「BFF」

そして公開されたもう1台、Z900RS用はフロントフォークがBFF(Balance Free front Fork)で、旋回時など、サスペンションがストロークするシーンでも接地感が安定しています。
SHOWAのスタッフ曰く「まっすぐ走っているだけでも上手になったと、ライダーに感じてもらえるダンパーシステム」とのこと。

バランスフリー構造の場合、ストロークする箇所から減衰力を発生する箇所までの距離が遠いため、応答の遅れが心配されますが、窒素ガスによる加圧でそのタイムラグを最小化。外乱にも強く、安定した動きを実現しています。
また、アクスルホルダーは鍛造で高品質。もちろんフルアジャスタブルで、伸び/圧側減衰力、プリロードを調整可能。インナーチューブ径は純正フォークが41mmなのに対して43mmと大径で、当然剛性アップ。
表面処理はフリクションが極小のカシマコートです。

伸び側(TEN)と圧側(COM)減衰力調整機構は、ボトム側にあります。ゴールドの長い筒がリザーバータンクで、加圧された窒素ガスが充填されています。
アッパー側にはプリロード調整機構を装備。BFFは通常どおり両側にスプリングとダンパーを備えているので、各調整機構も両側にあります。

カワサキ Z900RS用リヤショック「BFRC-lite」

一方リヤショックはBFRC-liteで、ピストン径は30mm、ロッド径12.5mmです。もちろんフルアジャスタブル(伸び/圧側減衰力、プリロード)ですが、油圧式のプリロードアジャスターを後ろ側(リンク側)に付けて操作しやすいようにしてあります(通常なら逆ですが)。
何でもないような配置ながら、この辺もスペースを上手く使った有効な工夫。さらにショック長(=車高調整)も可変式です。ナット式でアッパー側にその調整部があります。

リヤショックはアッパー側(フレーム側)に伸び側(TEN)/圧側(COM)減衰力調整機構を装備。また、アッパーマウント部にはショック長可変機構も備えています。一方油圧式のプリロード調整はリンク側に配置。

作り・コストから見て市販化が早そうなのはリヤショック

そして気になるのは、やはり発売時期と価格。

リプレース用試作品前後サスペンションを装着したニンジャZX-25Rの参考展示車は、A-TECH(エイテック)製カーボンパーツ、BEET製のチタンマフラーやバックステップなどでカスタムされたマシン。その中でSHOWA製のエメラルドグリーンに輝くフロントフォーク、ライムグリーンのリヤショックは存在感があります。

そもそもSHOWAはこれらの製品の発売を明言していないのですが、価格については「リヤは(オーリンズのTTXより)安く提供できるんじゃないでしょうか」(SHOWAの某エンジニア)とのことで、Z900RS用BFRC-liteだと17〜18万円くらいでしょうか。
もうひとつのニンジャZX-25Rのリヤ用は、油圧式のプリロードアジャスターではないので、さらにリーズナブルなハズ。
実物を見た限り、リヤショックは2台用ともかなり市販化が近い印象です。

ではフロントフォークは?
ニンジャZX-25R用だと「調整機構なしのSFF」というタイプのためオーリンズでは比較する製品がないのですが、倒立フォークのフルアジャスタブルだと一般的に30万円以上します。
市販するならば是非フルアジャスタブルにして、20万円台でお願いしたいところです。

これらに対して、Z900RSのフロント用BFFは相当高価な仕様に感じます。
比較できそうなレベルのオーリンズ製品を考えるとリザーバータンク付きTTXフロントフォークFGR300(レース用です)となりますが、140万円以上します。
実際この辺についてSHOWAの某エンジニア氏も「う〜ん、安くはないでしょうね」と語っているので、最低でも70万、80万円は下らないでしょう。

それでも、スーパーバイク世界選手権6年連続世界チャンピオンのジョナサン・レイ選手が乗るニンジャZX-10RRスーパーバイクマシンとほぼ同等のフロントフォークが手に入るとしたら、グラッとくる人はいるんじゃないでしょうか!?

リプレース用試作品前後サスペンションを装着したZ900RSの参考展示車は、ブロンズのアウターチューブを持つBFFフォークが実に目立ちます。装着は純正の上下フォークブラケットを使っているので、完全ボルトオン。

というわけで、今回プレゼンされたSHOWAのリプレース用サスペンションでは、リヤショックのほうが早い登場が期待できそうで、作り、価格ともに市販可能なレベルだと感じます。
現在は外国製ばかりのアフターマーケット製サスペンションですが、国産製もここらで頑張ってほしいところ。ぜひSHOWAに参入してもらいたいですね。

レポート●石橋知也 写真●岡 拓 編集●上野茂岐

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