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本誌にたびたび寄稿しているイギリス人モーターサイクルジャーナリストのアダム・チャイルドが、選ばれしドゥカティオーナーのためのプレミアム体験試乗会「DRE MotoGPエクスペリエンス」に招待された。その貴重なレポートを前・中・後編に分けてお届けする。後編では、ついにMotoGPマシンのデスモセディチGP26に試乗!
「MotoGPマシンに乗る」というライダーの夢の実現
SBK(スーパーバイク世界選手権)仕様のパニガーレV4Rの強烈な走りを体験したことで私の体はボロボロになり、ひと息ついて態勢を立て直したいところだが、時刻はすでに午後5時40分。コースは午後6時に閉場となるため、ササッと水分補給をしつつ先ほどの走行についてチームスタッフと軽く振り返りを行ったら、そのままMotoGPマシンのデスモセディチGP26(以下GP26)へと乗り換えることになる。
これまでも緊張に押しつぶされそうになったことはある。ノースウエスト200のスタートラインに並んだときも、マン島TTに出走した時もそうだった。だが、今回はそれらとは全く別次元の感覚だ。ロードレースに挑む際は、何が待ち受けているかある程度予想がついていたし、準備には何年もかけていた。しかし、GP26が一体どんなマシンなのか、私には全く見当もつかない。SBK仕様のパニガーレV4R(以下ワークスV4R)でさえ240馬力だが、今から乗るのは300馬力ものパワーを誇るマシンだ。エンジンの回転数も、1万4000〜1万5000回転という領域から、一気に1万8000〜2万回転の世界へと跳ね上がる。

私は努めて呼吸を整え、笑顔を浮かべ、落ち着いているように装う。マルク・マルケスが乗った極めて貴重なMotoGPマシンをドゥカティが私に託そうとしているという事実よりも、制作すべき写真や動画の撮影に集中し、メディアの一員としてプロフェッショナルであり続けようとする。マシンのセットアップはファクトリーライダーが使用するものとほぼ同じだが、いくつの相違点がある。例えば、レブリミッターの作動回転数が少し低く抑えられていること、そしてカーボン製ではなくスチール製のブレーキディスクが装着されていることなどだ。
今回、私の先導を務めてくれたのは、ドゥカティ・コルセ(ドゥカティのレース部門)のテストライダーであり、MotoGPにもワイルドカードで参戦しているミケーレ・ピロだ。先導車両はパニガーレV4Rだが、彼は公道仕様の市販車であってもワールドスーパーバイクのレースペースに肉薄するタイムで走れる実力者であり、手加減して走ることはまずないだろう。

ドゥカティ・レノボ・チームのスタッフたちでさえ、少し緊張した面持ちになっている。エンジンに火が入ると、猛々しい咆哮が空中に放たれた。カーボン製のエアロパーツを蹴らないように注意しながらマシンにまたがり、左ハンドル側にあるアジャスターでブレーキレバーの位置を少し手前に調整する。マルク・マルケスがこの設定変更を気にしないといいのだが。
幸いなことに、クラッチレバーは一般的なタイプで、リヤブレーキを親指で操作するためのサムレバーや、車高調整デバイス操作用のレバーは取り外されていた。つまり、発進時のクラッチリリースに集中し、いつもどおりのブレーキングを行い、1速と2速の間にニュートラルがないレース用シフトパターンを覚えていればOKだということだ。シームレスミッションを体験するのも初めてのことなので、とにかくエンストだけは避けなければ。

発進してピットレーンを通ってコースに出ていく。ドゥカティ車らしさはほんのわずかに感じるくらいだ。ダッシュボードはパニガーレV4Rと似ているが、それ以外は全て別物と言っていいほど異なる。ハンドルバーの周りには所狭しとボタンが配置され、バックグラウンドではたくさんのシステムが稼働している。これまでに乗ったどのドゥカティ車とも、それどころか、これまでに乗ったどんなバイクとも異なる印象だ。
それもそのはず、ドゥカティはこのマシンを「サーキットを可能な限り速く走る」というただひとつの目的のために設計したのだから。ワークスV4Rもミサイルのように速いが、あくまで日常的な使い方にも対応できる公道走行用車両をベースとしたレーシングマシンだ。一方で、MotoGPマシンであるGP26にはそうした妥協が一切ない。

まさに二輪界のF1マシンであり、あらゆる構成部品、セッティング、設計上の工夫が、レースに勝つためだけに存在している。一般的なライダーが安全に走るための妥協や便利なデバイスなど何もない。その事実はすぐに体感できる。
レーシングマシンとしてはハンドル位置が高く幅も広いが、それでもワークスV4Rほどワイドではない。シートは驚くほど面積が広く、グリップ力も極めて高い。燃料タンクの形状はライダーのポジションをしっかりと固定するような作りで、まるで遊園地の乗り物のように脚を包み込み、ブレーキングで体が前方に投げ出されそうになるのを抑えてくれる。シート後部の盛り上がりは、加速時に体が後ろへ滑るのを防ぐ。ある意味では快適なマシンと言えるかもしれない。
無尽蔵に思えるパワーとシームレスミッションによる驚異の加速
さて、自分のペースでバイクに慣れていけるほど時間はない。ピロはすでに攻めの走りをしていて、序盤からハイペースを刻んでいる。タイヤ温度とエンジン回転数を適正値で維持するため、私は自分を奮い立たせて本格的なライディングを開始した。
300馬力というパワーをある程度解き放てる最初の本格的なチャンスは、6コーナーを立ち上がって長いバックストレートに入り、緩やかなカーブである7コーナーを抜け、8コーナーへのブレーキングに入るまでの区間だ。GP26のエンジンを思いっきり回していると、加速感が通常のバイクとは異なるのに気づく。車体が沈み込んだり、何らかの挙動を示したりすることがなく、途切れることのない力強い加速がただひたすらに続く。シームレスミッションが、その無限に続くかのような、不断の駆動力をさらに際立たせる。
そうして懸命に加速をしているのに、私はシフトランプが点灯するのをまだ目にしていない。つまり、GP26のV4エンジンを十分に回しきれていないということだ。ランプは1万8000回転付近で点灯するはずだが、エンジンは狂気じみた唸りを上げながらも1万5000回転程度までしか達していないようだ。

サーキット最速区間へと続く10コーナーのヘアピンに差し掛かり、私は「あの忌々しいシフトランプを絶対に点灯させてやる」と決意した。エンジンの回転域を使い切らずにピットに戻るわけにはいかない。そこで、コーナーを2速で立ち上がると、GP26をほぼ直立状態にし、スロットルを全開にした……。
シフトランプが点灯した! 3速へ入れる。また点灯した! 4速に入れ、そのまま高速コーナーへと突っ込んでいく。
とんでもないマシンだ。つい30分前まで、私にとって最も爆発的な速さを持つバイクだったワークスV4Rと比べても、まったくの別物と言っていい。ギヤ間の“隙間”が存在せず、加速が途切れる瞬間がないのだ。その代わりに、言葉では表現しがたい強大な力とトラクションの波が押し寄せ、未来にふっ飛ばされるような感覚を味わわせてくれる。これに比べれば、私がこれまで乗ってきた他のバイクは全て、推進力が足りていないと感じられるほどだ。

GP26は限界がないように思えるマシンであり、また、まるで生きているかのようだ。とはいえ、私はまだコーナーを目一杯攻めるような走りはしていない。ブレーキングや旋回において、自分の限界に挑んでいるわけでもない。ただタイヤとブレーキの温度を適切に保ちながら、自分がミスを犯すことのない範囲で走っているだけだ。
だが私は、最終コーナーを立ち上がり、ホームストレートへと入る際、コースサイドに立つドゥカティのスタッフ全員の視線を感じたことで、次の周からはより速いペースで走ると決意した。1コーナーの進入でハードにブレーキングして2速まで落とすと、これまで経験したことのないような素早いギヤチェンジを体感する。先へ続く流れるようなレイアウトのセクションでも、私はまだ走りの感覚を調整している最中だ。ターン1からターン4にかけての一連の複合コーナーは、せわしなくシフト操作を行うのは避け、あえて2速のまま走り抜けることに決めた。ひとつひとつのギヤチェンジを、意図を持って正確に行いたかったからだ。事前説明で「パワーをかけた状態でシフトアップしなければギヤが入らない」と言われたことも意識していた。
シフトライトが点灯するごとに、2速、3速、4速とギヤチェンジする。パニガーレV4Rに乗って前方を走るピロに、私は猛烈な勢いで迫る。ストレートでのスピードの乗りがすさまじく、コースの左右どちらからでも彼をパスできそうなほどだ。GP26がパニガーレV4Rを丸呑みにしようとしたその瞬間、ピロはブレーキングを遅らせた。彼はMotoGPライダーであり自分の技量を完全に理解しているからそれができたが、私ではそうは行かない。だが、GP26がどれほど速いか示すことはできた。

シームレスミッションのおかげで、シフトショックやトラクションの途切れは一切ない。ギヤ段数の変化を知る唯一の手がかりは、ダッシュボード上の数字が2、3、4と素早く切り替わっていくようすだけだ。加速感は、4速に入れているときでも1速の時と同じくらい強烈。あまりにも効率的で、かつ強大なパワー・トルク・トラクションが発揮されるため、どう扱えばいいのか戸惑うほどである。
ブレーキにもまた、体験したことのない性能が備わっている。カーボンではなくスチールローターを使用しているにもかかわらず、その性能は際立っている。レバーの操作は信じられないほど軽く、指一本で極めて繊細なコントロールが可能で、マシンの挙動にさらなる精密さをもたらしている。だか、私程度ではこのマシンのブレーキ性能やコーナリング性能の限界を探るような領域にはとても立ち入れそうにない。
300馬力ものパワーを持ちながら重量が160kgを切るようなバイクというと、制御不能な野獣のようだと思いがちだが、GP26に神経質さや荒々しさは感じられない。ハードブレーキング時でも、フロントフォークが極端に沈み込んだり、リヤホイールが浮き上がって不安定になったりすることはない。これまでにも何台かのハイパワーモデルに乗ってきたが、それらは往々にして攻撃的で、挙動が激しく、制御が難しいものだった。しかし、このマシンは違う。

その代わりに味わえるのは、容赦のない加速力だ。直線区間がまるで半分の長さになったかのように、距離感を狂わされる。ワークスV4Rの速さも脅威に感じたが、ストレートで状況を把握する余裕があった。しかし、GP26ではそうはいかない。2速、3速、4速とシフトアップし、すぐにストレートエンドでブレーキング。それほど目まぐるしい速さなのだ。
何より驚かされたのは、このマシンが私程度の走行ペースであっても実に扱いやすく、私がうまく走れるようにサポートしてくれたことだ。MotoGPライダーなら1速で通過するようなコーナーを2速で回ることもできる。スロットルを開けていくと、トラクションコントロールが作動しているのを感じる。私はリヤタイヤを空転させたり、マシンをスライドさせたりしているわけではないのだが、パワーをかけ始めた瞬間にわずかな“ため”がある。明らかに電子制御が安全を確保してくれているのだ。その後、マシンが起き上がり、1万8000回転でシフトライトが点灯するまで、そのパワーを余すところなく解き放つ。
シャシーは路面に吸い付くように安定しており、許容度も高い。タイヤの動きが手に取るように分かる。たとえ私が、このマシンが本来想定しているレベルとは程遠い走りをしているとしても、マシンと私の間でコミュニケーションが成り立っている。決して、理解不能なほど剛性が高く、妥協点が見つからないレーシングマシンという感じではない。確かな感触があり、動きがある。ライダーにフィードバックと自信を与えてくれるのだ。

もちろん、私はシャシーをねじったり、スイングアームをたわませたりはしていない。MotoGPライダーがこのマシンで行うようなライディングとはかけ離れたことをしているだけだ。だが、比較的遅いスピードであっても、マシンは自らが今どういう状態にあるのかを正確に伝えてくれる。だからこそ、私は自信を深めていくことができる。マシンのことが理解でき、少しずつ攻める度合いを強めていける。周回を重ねるごとに、ペースも上がっていく。
しかしながら、GP26自身はこう思っているかもしれない。「なぜ自分が、少し太り気味で、かなり遅いライダーを乗せてミサノ・サーキットを走らされているのか」と。もしバイクが言葉を話せるとしたら、間違いなく私を笑っていることだろう。世界最高のライダーであるマルク・マルケスによってシーズン中ずっと極限までプッシュされてきたマシンが今や、ヨークシャー出身のジャーナリストを乗せ、彼がそれなりに様になった走りをしようと四苦八苦している姿を見せられているのだから。
MotoGPライダーへの実感を伴った敬意を覚える
5周を済ませ、試乗時間の終わりが近づいている。ここに至ってようやく状況をしっかりと理解し始められた気がする。3、4周目まではただ目の前のことに対処するのに必死で、パニックと集中が入り混じった状態だった。だが今は、ようやく周囲を見渡し、それらを自分の中に取り込めるようになった。太陽が沈み始めている。時刻は午後6時だ。
スタート・フィニッシュラインを通過し、6周目に入る。ドゥカティ・コルセが許す限り私は走り続けることができるので、彼らは私の走行データやラップタイムに満足しているのだろう。ここからやるべきことはもう明確だ。コーナーを走り抜け、ブレーキの熱を保ち、タイヤを機能させ、歴史あるコースで膝を擦り、車体を起こして、パワーを解き放つ。

ピットに戻ると、感極まるものがあった。ここまで来るのは大変な道のりで、それを完遂することで大きな安堵感に包まれたのだ。仕事は完了し、バイクも無事である。
安堵感の次に訪れたのは……MotoGPライダーに対する圧倒的な敬意だ。GP26を走らせたことで、このマシンをコントロールしながら走る感覚をほんの少しだけ垣間見ることができた。パワー、シャシーからのフィードバック、精密さ、そしてバイクから伝わってくる膨大な情報量――それらは私がこれまでに経験したことのないものだった。ムジェロやヘレスといったサーキットで、気温40度の中、20周も30周も走り続け、あの速度と激しさで接戦を繰り広げる彼らの世界は、私には到底想像もつかない領域である。ほんの些細なミス、例えばコーナーでわずかにラインを外すだけで、予選の2位と10位という大きな差が生まれてしまうのだ。彼らのライディングの精密さは、信じられないレベルだ。

しかも彼らは、次々に立ち現れる無数の要素を全て、走りながら処理しなければならない。体重移動、タイヤやシャシーからのフィードバックへの対応、ダッシュボードの表示の確認、電子制御や車高調整の設定に関わるボタン操作……MotoGPライダーは並外れたフィジカルを備えているが、メンタル面での負荷もまた驚くべきものなのだ。
MotoGPマシンとライダーは、まさに私たちとは別次元の世界に存在している。ミサノで過ごした夢のような一日と同様、彼らは「普通」の枠を超越した存在なのである。
ドゥカティへの謝辞
このような機会をいただいたことを、大変光栄に思う。ドゥカティ・コルセ、ドゥカティ・レノボ・チーム、ドゥカティ・ライディング・エクスペリエンスのメンバー、そしてドゥカティの全ての関係者の皆様に、多大なるサポートと、これほど特別なマシンを私に託してくださったことへの深い感謝を申し上げたい。

DRE MotoGPエクスペリエンス参加者インタビュー
☆参加者プロフィール:ベン・ライル(52歳/会社経営者)
ベンはこれまでバイクを降りていた時期があったが、最近はサーキット走行の魅力にすっかり夢中になっている。「今回のようなチャンスが巡ってきたら、両手でしっかりとつかみ取るべきです。私は実際にそうして本当によかったと思っています」とのこと。
筆者:あなたを「MotoGPライダー」と呼んでもいいですか?
ベン:いや、それは違いますね。私はMotoGPマシンに乗っただけですから。「MotoGPライダー」と「MotoGPマシンに乗ること」の間には、大きな違いがあります。とはいえ、本当にすばらしい体験でした。
筆者:最初はすごく緊張していて、「本当に試乗していいのか?」と迷っていたあなたが、実際に走るまでの姿を、私はずっと見てきましたよ……。
ベン:最高でした。試乗日の進行もすばらしかったです。まずは歩くような速度から始めて、徐々にスピードを上げ、逆シフトの操作にも自信を持たせてくれました。おかげでとてもスムーズに、レーシングマシンを走らせる感覚をつかんでいくことができました。
筆者:バイクを乗り換えていく中で、その「差」はどう感じましたか? 想像していた通りでしたか?
ベン:最後の2台、つまりワークスV4RとGP26は、間違いなく感触が違いましたね。最大の違いは、シームレスミッションです。MotoGPマシン特有の技術と言われていますが、実際に独特なフィーリングがあります。変速時の途切れが全くなく、ギアが「バン、バン、バン」と切り替わっていくんです。特別な感覚ですね。
筆者:期待以上の体験でしたか? 世界でもこのイベントに参加できるのはほんの一握りの人たちですから。
ベン:本当に幸運だと感じています。会場にいる皆さんに「僕をバイクに近づけないほうがいいですよ」と言ったくらいで、今でも「本当にこれでよかったのかな」と自問自答しているんですが……でも、やはりこの経験ができたことは本当に恵まれていると思います。
筆者:誇れる経験ですよ。今朝はパニック状態で、不安で、動揺していましたよね。それが今では、汗だくになって笑顔でバイクから降りてきて。
ベン:汗が染み込んだせいでライディングギアが2kgほど重くなった感じがしますよ……学ぶべきことは山ほどありました。MotoTrainer(シミュレーター)もすばらしい機械でしたが、最終的にはコースを熟知しているライダーと同じペースで走ろうとするわけですからね。世界最高のトレーナーたちが教えてくれますが、やはり実際の感覚とは違います。いざバイクにまたがって「OK、通常どおりだ。どう走ればいいかもう分かっている」と思っていても、普通の車両と異なるシフト操作が必要なバイクで慣れないコースを覚えようとすると、自分がこれまでバイクに乗ったことがあるのかどうか疑わしくなってくるほどです。最初にV4(市販車のパニガーレV4S)に乗れたのは、感覚をつかむうえで本当によかったですね。
筆者:試乗を楽しめたようで何よりです。
ベン:最高だったよ。あなたにはレース用シフトパターンの考え方についてのアドバイスをもらったね。ありがとう。まだ実感が追いつかないな。シャワーを浴びた後、時間をかけてこの体験をじっくり噛み締めたいと思うよ。
☆参加者プロフィール:マーク・ブラックリー(63歳/定年退職済み)
マークの初めての愛車はドゥカティ 907 I.E.。現在は、907 I.E.のほかに851 トリコローレやパニガーレV4トリコローレなど、ボローニャ産の名車を数台所有している。
筆者:試乗を終えたところですが、今の気分は?
マーク:信じられないよ。それに、ものすごく暑いね。あとで体を冷ましてから、それぞれのマシンの違いについて詳しく話そう。今はちょっと頭を整理する時間が欲しいな。あまりに情報量が多くて。
筆者:SBKとMotoGP、両方のレーシングマシンに乗ってみてどうでしたか?
マーク:どちらも頂点に立つチャンピオンマシンだ。これほど異質なマシンについてこう言うのは変かもしれないけど、私のペースで走る分には、どちらも驚くほど乗りやすいんだ。もちろん、とてつもなく速いけどね。コーナーで速く走れたわけじゃないけど、ハンドリングはすばらしいし、ストレートでは気持ち良く加速してくれる。
筆者:MotoGPマシンのギヤボックスについては?
マーク:確固たる意志を持って操作する必要がある、特に1速に入れるときは。しっかり踏み込めば、カチッと確実に入る。あやふやな状態になることなくね。そうしてスロットルを全開にすると、蹴り出されるような、おそろしく力強い加速をしてくれる。シフトダウンするときも最高だね。ものすごい速さでギアを落としていける。 このマシンに乗っている私の姿は決して速そうには見えないだろうけど、パワー感とかエンジンの回転フィーリングとか、走らせているときの感覚は言葉にしがたいね。ワークスV4RとGP26のエンジン特性はまったく違うけれど、どちらもそれぞれの良さがある。トルクが豊かで扱いやすいし。この体験は、費やしたお金以上の価値があるよ。本当に楽しかった。
report:Adam Child photo:Alex Photo/ドゥカティ まとめ:モーターサイクリスト編集部

































