バイクライフ

カメラマン柴田のGB350日記#18 「GB350オーナー的目線で見た東京モーターサイクルショー」

GB350的に東京モーターサイクルショー

東京モーターサイクルショーのホンダブース。開場とともに怒涛のように駆け込む来場者。待っていたんだね。このにぎわいが帰ってきてうれしい。
東京モーターサイクルショーのホンダブース。開場とともに怒涛のように駆け込む来場者。待っていたんだね。このにぎわいが帰ってきてうれしい。

皆さんこんにちは。カメラマンの柴田です。
春になって東京では気温が20度近い暖かい日もあり、早かった桜の開花とともにツーリングシーズン突入。そんな中、東京モーターサイクルショーに取材に行きました。仕事の合間にショー開催直前にティーザーサイトが公開された新型GB350とその仲間を中心にいろいろ見てきました。

2023年型とおぼしきGB350は新色のホワイト。セミカウルやシートカウル、サイドカバーのドレスアップパーツでカフェっぽい雰囲気。フォークブーツも。
GB350に装着されたカウリング。自分たちおっさん世代ではセミカウルなんて呼び方をしていた。自分的にはメタリックレッドの純正色に塗ったやつも見たかった。

真っ先に見にいったのはやっぱり自分的注目度ナンバーワンである新型のGB350とGB350Sが展示されているホンダブース。GB350のほかにもCL250/500、XL750 トランザルプなど注目の新型車が展示されていました。来場者がまたがってグルグル回るメリーゴーラウンドなどユニークな仕掛けも。

こちらは2023年型(?)のGB350S。グレーの色が薄くなった? サイドカバーのストライプがなくなったりこちらもデザインは小変更。

展示されているGB350/350Sは2023年型と思われる2台。純正パーツでライトカスタムされていました。そのカスタム部分を差し引いてみると、率直に言って外観はあまり変わっていない感じ。勢い込んで行ったものの、ホッとしたような、物足りないような。クラシックなバイクなので、今後も大きなデザイン変更はないかもしれませんね。

今回展示されていたスタンダードのGB350はブラック塗装のリアショックスプリングが装着されていました。スイングアームやホイールもブラックなので違和感なくシックな仕上がり。
自分の21年型はGB350のリアショックスプリングはシルバー塗装。ちなみに21年型の350Sはブラックに塗装されていました。

一方、実車を見て興味を引かれたのがCL250/500。特にGB350よりもアクティブに遊べそうなCL250。モトクロス的ではない、トコトコな林道ツーリングが似合う。街も自然の中も楽しく走れそうな雰囲気を持っていて勝手に「GB350の仲間」と呼んでます。

以前は泥まみれになるのも構わずXR250に乗っていました。バイクは「走って汚して楽しむもの」だったはずなのに、GB350に乗り始めてからは少しの汚れも気になるようになりました。タンクの上に積もった花粉まで拭いてしまう自分にビックリです。

モーターサイクルショーのタイミングでお披露目の新型車、CL250。すでに正式発表されていて62万1,500円というプライスもついています。発売は5月18日です。

CL250なら少々泥が付いてもそれが逆にカッコ良い。汚れを気にせず楽しめそうなタフなイメージがあります。レブルから50%増しのサスペンションストロークがオフロードでどの程度の走破性を発揮するのか分かりませんが、期待は速さではなく楽しさ。今からインプレ記事の撮影仕事が楽しみです。

CLといえば1960年代の名車、CL72を思い出します。オフ車がスクランブラーと呼ばれていた時代。このCL250はリアショックを交換していて、オフも行けそうなイメージ。
こちらは旅に出たくなるCL500。パワーのある500と軽い250とどっちが楽しいかな。プロモーションビデオでは後輪を流して走る姿もカッコ良し。
自分にはツボなCLのオプションカウル。アップフェンダーとセット。こういう遊びができるのもCLならではかな。
もう一台の注目車、XL750 トランザルプ。ミドルアドベンチャーの決定版的存在。21インチフロントホイールがホンダの本気を感じさせます。
こちらはオプション付きの旅仕様。ちなみに自分はおっさんなので初代のトランザルプ600Vにも乗ったことがありますよ。新型も楽しみ。

排気ガス規制ユーロ5とGB350

さて、今回のモーターサイクルショーに展示されたGB350は正式発表はないものの2023年型と思われます。ということは(これまた重箱のスミ的な話で恐縮ですが)年々厳しくなる排気ガス規制がより強化されたユーロ5対応車ということになります。「それがGB350と何の関係があるの?」と思われる方も多いでしょうが、もう少しお付き合いください。

ショー会場にあったGBはエキゾーストパイプの触媒部分が太くなっているという情報あり。キャタライザー(触媒)の容量が大きくなっているのか。

国内二輪車の排気ガス規制は1998年に始まり、国内メーカーのナンバー付き2スト車を生産終了に追い込むきっかけになっています。以来、規制は段階的に厳しくなっていきました。「ユーロ5」というのは欧州の排気ガス規制で段階的に厳しくした5番目の規制のことで、ざっくりいうとその規制に揃えた日本国内(編集部註 平成32年(令和2年)排出ガス規制はユーロ5と同内容)も2022年11月以降に生産されるバイクはこの規制をクリアする必要があります。

ユーロ規制が始まったころに比べると現在の規制の排気ガスに含まれる有害な成分は激減し、外の空気よりも排気ガスのほうがキレイという冗談があるほどの厳しい規制値です。一方、1999年型が最後のフルパワーと言われてましたが、メーカーの技術革新と努力により、その後のバイクが厳しい排気ガス規制をクリアしながら凄いパワーと速さを獲得したことは皆さんもご存じの通り。

一方、GB350の故郷であるインドは人口もバイクの生産台数も桁違いに多く、排気ガス規制も他国と同調する必要がないため独自の規制でやってきました。しかしそれ故、排気ガスによる都市部の大気汚染は深刻で、その対策として一気にヨーロッパや日本と同レベルの規制に踏み切ったのです。

2021年型、GB350/350Sのマフラー内部構成図。いわゆるお弁当箱といわれる箱型エキゾーストではなく、美しいパイプラインで構成されるGB350の排気管。エンジン下に上手に隠すように触媒を設置。

やっとGB350と排気ガス規制の話が繋がってきました。自分が購入した2021年型GB350はユーロ4対応車。実はオーナーとして空冷エンジン車であるGB350がユーロ5をクリアできるのか少し心配していました。23年型の正式発表を経て、その辺りの事情も公開されると思いますが、インドの排気ガス規制と開発のタイミングを見れば実は「インドのユーロ5規制を最初から見据えて開発された」と自分としては見ています。

GB350のカタログ諸元表から。車両型式の前半が排気ガス規制対応を示しています。2BLがユーロ4、8BLならユーロ5に対応。自分の21年型は2BL。

簡単に言うと、ここ数年の厳しい排気ガス規制で空冷エンジン車は販売終了に追いやられましたが、「しばらくはGB350に排気ガス規制の心配はなさそう」と今は思っています。なんならEV時代が来るまで最後のガソリンエンジン車として販売していって欲しいものです。そんな妄想をしながらモーターサイクルショーの会場で23年型GB350を頼もしく見ていました。

気がついたらあと1年しか乗れないじゃん

ホンダドリーム店にはCL250や23年型GB350の注文に駆け込むお客さんが殺到しているはず。自分が購入した2年前を思い出します。GB350の購入では裏テーマとしてバイクディーラーで新車購入を体験してみたかった、なので半分近いお客さんが利用するという据置クレジットで購入しました。


編集部註 購入時の経緯は連載第一回に詳しく掲載しています。


注文から半年後の21年秋に納車された自分のGB350ですが、当時は納車までの期間に関して甘く考えていて、6ヶ月もGB350がないまま支払いだけが続いてしまいました。もしも再度、据置クレジットで購入する際には、注文時のクレジット審査は仮審査にしておいて納車時期に本審査→本契約という流れにすると思います。

早いものでその据置クレジットも満了まで残り1年です。つまり36回払いでGB350を返却するならあと1年しか乗れないってことです。まあどっちにしても据置クレジット満了時に、その車両を購入すれば問題ないんですけど。

ホンダファイナンス https://www.honda.co.jp/HFC/ のウェブサイトから。「Honda Dream 据置クレジット」は据置額を任意に設定できるなど、月々の支払額を抑えることも可能。

2022年は1万2,000台以上が売れて、GB350/350Sが国内で最も売れたバイクとなりました。これだけ人気があって入手困難では中古車価格が高騰するのも分かります。新車価格が55万円なのに買い取り業者のサイト見るとGB350の極上車なら70万円、平均でも50万円という値段。一方、中古車検索サイトでは90万円から65万円くらいのプライスが付いています。

CL250や2023年型GB350も発表され、中古車価格も落ち着いてくると思いますが、自分がLINE登録しているホンダドリーム店からはときどき「GB350のキャンセルがあったのでいかがですか?」という情報が流れてきます。もちろんメーカー希望小売価格の55万円です。23年型も発表になったし、本気でGB350が欲しい人は中古車屋さんの前に、まずはホンダドリーム店に行って話だけでもしてみてはいかがですか。

(自分的に思う)GB350の仲間たち

インドのバイクメーカー、ロイヤル エンフィールド。手前がモダンなハンター350。奥がクラシック350。自分的に見るとGB350の仲間たち。これらのバイクもユーロ5規制対応車種。
ロイヤル エンフィールドのヒマラヤ。411ccの空冷シングルエンジンにオフ寄りでアドベンチャーバイク的な車体。フロント21インチホイールにリアはモノサスという構成。
これもまたGB350の仲間。自分も会場で初めて見たベネリのインペリアーレ400。写真で見るよりリアル感のあるレトロな雰囲気。

カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動を行なっている。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。
https://www.shibaphoto.com/
https://www.instagram.com/shibaphoto/


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