1974年~ ホンダGL1000~GL1800シリーズ
1969年型CB750フォアが契機になって、世界のビッグバイク市場をリードする立場になったホンダ。そんな同社が1974年から発売を開始したのが、唯一無二にして革新的な水平対向4気筒エンジンを搭載するGL1000だ。

もっとも歴史を振り返れば、1930年代にイギリスのブラフシューペリアが上下にピストンを並べた2軸クランクの水平対向4気筒を開発しているのだが、この車両はわずか数台しか生産されなかった。

それはさておき、過去に前例がないシルキーでジェントルなグランドツアラーとして大人気を獲得したGLは、1980年型で1100cc、1984年型で1200ccに排気量を拡大し、1988年型以降は1500cc/1800cc水平対向6気筒を搭載。

そんなGLシリーズへの対抗馬として、BMWは2010年から並列6気筒のK1600シリーズを販売しているものの……。
両社の得意とするエンジン形式を考えてみると、ホンダが水平対向で、BMWが並列というのは、何だか不思議な話である。

1979年~ カワサキZ1300
1970年代末に登場したカワサキZ1300とホンダCBX(1000)は、並列6気筒エンジンを搭載するライバル、という図式で語られることが少なくない。

とはいえ、カワサキ初の水冷機構とシャフトドライブを導入したZ1300が、ホンダで言うならGL1000に相当するグランドツアラーだったのに対して、CB750F/CB900Fと同様の空冷DOHC4バルブを採用したCBXは、「打倒Z1」をテーマに掲げたスーパースポーツだったのである。

つまり2台の並列6気筒車は、まったく異なる狙いで製作されたのだが、あえて勝敗をつけるとすれば、生産期間がCBXの倍以上となる11年に及んだ、Z1300が勝者だろう。

ただし現在の中古車市場では、車重がZ1300より50kg軽く、生産台数の少なさが希少価値に結びつき、1960年代のRC166/174を彷彿とさせるCBXのほうが、高い人気を維持しているようだ。
1985年~ ヤマハV-MAX
スタイルだけでも十分すぎるインパクトがあるけれど、1985年に登場した初代V-MAXの魅力を語るうえで欠かせないのは、当時の量産車でブッチギリのトップ、145psを発揮する水冷70度V型4気筒だろう。

開発ベースのベンチャーロイヤルに対して、48psもの出力向上が実現できた背景には、エンジン主要部品の全面的な見直しがあったのだが、扱いやすさとパワフルさを両立する手法として、ヤマハは革新的な「Vブースト」を考案。

インテークマニホールド内のバタフライバルブを回転数に応じて開閉することで、中高回転域で1気筒2キャブレター的な効果が得られるこの機構は、初代V-MAX用の専用装備だった。

ただし、当時のヤマハは吸気系の改革に熱心で、1980年代前半のXJシリーズには副吸気通路を設けたYICS、1985年以降のSRX4/6には、時間差で開く強制開閉式と負圧式キャブレターが並ぶYDISを採用していた。
レポート●中村友彦 写真●八重洲出版 編集●上野茂岐
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