ヒストリー

これがカタナにZ、SRだって? 名車の名を冠する「アレ」なバイク6選

Z、カタナ、CB、ニンジャ、SR……各社がリリースする有名モデルの名前は、バイクに乗る人も乗らない人も一度は耳にしたことがあると思う。

しかし、そんな有名シリーズの中にも隠れた迷車(名車?)がいるわけで……。ここではそんな日陰者たち(?)を陽のあたる場所へと引っ張り出してみた。

ホンダ ポートカブC240(1962)

1958年に初代C100が誕生して以降、愛され続けて60年。老若男女、国内外で愛されているホンダのスーパーカブ。そんな”カブ”の名を冠しながら、ごく短命に終わったのがここに紹介するポートカブ。

「世界中の港(=Port)でも見かけるくらい身近なカブであれ」との願いを込めて命名され、女性や老人でも気軽に乗り降り可能で、簡便な操作性を狙った廉価版モデル。2段変速のOHVエンジンや、プレスアンダーボーンフレームなど、専用部品が多数使用された。

が、本家と比べていくらか性能が低くなった一方で、”廉価版”の割に対して値段は対して下がらず、売れ行きは芳しいものではなかった。

ホンダ ベンリィCB135(1970)

CB92(1959年、125cc)に端を発する”CB”の名前は、今も旗艦モデルにその名が引き継がれる由緒あるブランドである。そして、そんなCBシリーズの変わり者というのが、’70年に登場したCB135。

’69年にモデルチェンジして登場したCB125のボアアップ版で、「高速にも乗り入れ可能なツーリングスポーツ車」という売り文句で1970年9月から販売された。ただ、その半年以上前に同様のコンセプトでCB175が販売されており、誕生の経緯が気になるところ。価格的な理由から175が売れず、廉価版として135を作ったのかも……という推測はできるが、真相は闇の中だ。

こちらはCB175(1970)。サイドカバーの形状やシングルかツインかなど、あちこち違いはあれど、基本テイストはCB125やCB135とほぼ一緒。

カワサキ Z200(1977)

Z1、Z2、FX(株ぢゃないヨ)など、「漢カワサキ」の代名詞とも言えるカワサキ空冷Zシリーズ。その最小排気量車として、1977年に登場したのZ200は125cc並の車格に198cc4スト単気筒エンジンを積んだロードスポーツモデル。

軽量かつコンパクトで、小排気量単気筒車らしいのどかな乗り味もあって、高速でかっ飛ばすというよりは街乗り向き。いや実際、トコトコ気ままに走ると気持ちいいのよ、これが。

カラーリング変更などを重ねながら販売が続いたが、1982年からZ250FSにバトンタッチする形で市場から姿を消している。

スズキ GS650G(1981)

1980年のドイツ・ケルンショーにて、鮮烈な印象とともに発表されたスズキのGSX1100S刀。2019年5月に登場したKATANAの原点である。そして1100Sと一緒にケルンショーで発表され、「カタナ」のペットネームが与えられたのがGS650G。

末尾の「G」は、スズキ車においてはシャフトドライブを指すのだが、スペル的にかすりもしない「G」が付く理由は不明(ベベルギヤ=GEARの「G」を使っているのかしら?)。西部警察の劇中車としてもおなじみ(?)の1台。
ただし、1100や750の印象が強過ぎるせいか、あるいは650という排気量のせいか同車の存在感はとても希薄。

ヤマハ SR125(1981)

一時生産中止されていた時期もあったが、1978年の登場以降40年以上の長きに渡り支持され続けたヤマハシングルのSR。この車名からイメージされるのはクラシカルな400/500だろうが、実は兄弟車として250cc/125ccモデルもラインナップされていた。

ただし、やや寝気味のフォークやエイプバー風のハンドルが付いたこともあり、ネイキッドというよりジャメリカン(和製アメリカン)スタイル。また、現行車も含めてキックスタートにこだわるSR400に対して、始動はセルのみでキックはなし。車体は軽く、足つき性も良好。当時のバイク誌でも「シティーコミューターには最適!」と高評価を得ていた。ただ残念ながら、SRらしからぬフォルムのせいか400/500のイメージに埋もれてしまっている。

カワサキ GPZ400S(1986)

「価格・性能・スタイル・経済性・扱いやすさ……どれをとってもジャストパフォーマンス!」と広告でうたっていたGPZ400Sは、「初代NinjaであるGPZ900Rのエンジンを真っ二つにした2気筒車」と市中で噂されている1台(まぁ、ボア・ストロークは全然違うんだけどさ)。

噂の真偽はさておき、低速域でのエンジンの力強さや素直なハンドリング、そして250cc並のリーズナブルな値段(他の400cc車が55〜60万前後の値付けがされる中、45万9000円で販売されており、これはGPZ250Rと同じ値段)など魅力あふれる1台だったと思う。が、多気筒化、ハイパワー化の当時においては400ccで最高出力50psというのはどうにも物足りなかったようで、兄弟車のGPZ400Rの影に隠れるハメに……。


編集部が独断と偏見で選んだアレなバイクたち。いかがだっただろうか?
2輪史を振り返ればまだまだアレなバイクたちがたくさんいる……ハズ。また機会があればまたアレなモデルをコレしてソレしていきたい。

まとめ●モーサイ編集部・高垣 写真●八重洲出版

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