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【試乗速報!】新型スズキ ハヤブサ「299km/hは余裕、内臓が押し付けられる加速力は2代目以上か」

ハヤブサにアナタは快適性を求めますか?

これについては多くの反感を買うかもしれないが、私は初代や従来型のハヤブサが特に快適だとは思わなかった。
ハヤブサにパニアを付けて、荷物満載でツーリングに使っているライダーをよく見かけるが、個人的には「なんでハヤブサで?」と思ってしまう。

身長5フィート7インチ(170cm)の私にとっては、ハンドルは低すぎるし、スクリーンは小さすぎるし、ステップ位置は高すぎるのだ。
しかし、そんな私の批判を反映してくれたのか、スズキはハンドルを12mmライダーに近づけてくれた。大したことではないと思われるかもしれないが、手首に体重がかかりがちな低速走行時には大きな違いが感じられた。 
一方ステップ位置はまだ高い気がする。最低地上高やバンク角を考慮して位置を下げることができなかったのだろうとは理解するが……。

全体のスタイリングというか、カウル形状も一新されているが、スクリーンはまだ低いと思う。
前述したように、私は(ヨーロッパでは)平均身長に満たないので、背の高いライダーはツーリングのために大きなスクリーンを追加したくなるだろう。

ただ、新型ハヤブサにはクルーズコントロールが標準装備となったほか、低回転アシスト、坂道発進補助なども搭載されており、快適性・実用性を高める機能は充実している。
予想通り、スズキは様々なアクセサリーをラインアップしてきたが、積載アイテムに関してはタンクバッグ(小と大が選べる)のみ。

まあ、それはいい。
しかし、ハヤブサでロングツーリングに行こうと休暇の予定を取る前に、ちょっと注意しておいてほしい点がある。
ユーロ5への適合により燃費は向上しているかと思ったら……従来モデルが50マイルパーガロン(約17.7km/L)なのに対し、新型についてスズキが公表した数値は42マイルパーガロン(約14.9km/L)となっているのだ。
さらに手痛いのが、燃料タンクのサイズが21L→20Lへと小さくなっている点。

つまり、航続距離が大幅に減少しているのだ。理論上の航続距離は約230マイル(約370km)から約185マイル(約300km)に落ちてしまう。
もちろんタンクが空になるまでバイクを走らせること現実的ではないので、新型ハヤブサの給油回数は思いのほか増えるはずだ。
なお、滑走路チャレンジをする前、公道テストでは46マイルパーガロン (16.3km/L)を記録したので、1日、2日だけの試乗会ではなく、数日かけてツーリングをするような走り方では、スズキが主張する数値ほど悪くはならないかもしれない。

ひと目でハヤブサと分かるデザインは好印象だ。異論はあるだろうが……

新型ハヤブサのリヤビュー。ウインカーを内蔵したLEDリヤコンビネーションライトとなり、スッキリとしたデザインとなった。

ここまでルックスの話をせずに来てしまったが、新型ハヤブサ、あなたは好きですか?
SNSでの反応などを見ると、このスタイリングは好き・嫌いの意見がキッパリ分かれているようだ。

スズキがハヤブサらしいスタイリングを維持したことを私は賞賛したい。
このバイクがハヤブサであることは一目瞭然で、そして不思議なことに、新型ハヤブサはサイドスタンドで立っているよりも、ライダーが乗っている方が見栄えがする。ライダーがいることでラインが引き締まり、空力的にも洗練された形状になるというか──。

ウインカーが一体化されたテールライトがリヤエンドをすっきりとさせていて、新しいマフラーの形状も気に入った。
先述のメーター周りはスッキリとしていてわかりやすく、個人的にはBluetooth接続がないことも気にならない。スイッチ類にしてもシンプルで、コンコルドのようにボタンの数が多くない点はありがたい。
すべてがよく考えられていて、厳しい言い方になるかもしれないが、最近の他のスズキ車よりもレベルが高いと感じる。


エキゾーストパイプは1番シリンダーと4番シリンダーの間にリンクパイプを設け、低中速のトルクを向上。ユーロ5規制に適合しながらも重量は前モデルから約2kg減少しているというが、デザインもいい。

スズキ車の中には、ホンダ、カワサキ、ヤマハといった日本の競合車のような高級感のある品質を持っていないモデルもあるが、ハヤブサにはそんなことはない。むしろフィーリングと品質において、競合他社のハイエンドモデルに匹敵……あるいは凌駕している面もある。

一番の泣き所は、2018年に販売終了となった従来型=2代目ハヤブサより大幅に上昇した価格だ。
2代目ハヤブサのライバルと言えたカワサキZZR1400よりも大幅に高くなっており、価格的にはカワサキのスーパーチャージャー付きスポーツツアラー・ニンジャH2 SXと同等になっている。

新型スズキ ハヤブサ総評

普段「自分が間違っていた」と認めることはあまりないのだが、試乗前に「スズキのハヤブサ伝説はもう限界なのでは?」と思っていたのは、テストライダーとして大間違いだったと素直に謝りたい。

ハヤブサはまだまだ現役で、一度乗ってしまえばキーを返したくないほどの性能と魅力を持っている。
スズキはピークパワーを追求しなかった。それは「300km/h」という一つの制限が世の中に設けられてしまった以上、ピークパワーを追い求めることは無駄だからだ。

そのかわり、ハヤブサの本質を損なうことなく、いかにして多くのライダーに「ハヤブサらしさ」を体験してもらえるかを考えた。
最新の電子制御機構、大幅に強化されたブレーキ、快適性の向上など、私たちが求める条件をすべて満たしながらも、ルックスや乗り味は確かに「伝説を作ったハヤブサ」なのだ。
エンジンはトップエンドのパワーが落ちたが、中速域が強化され、スロットルを開けるたびに息を呑むほどのパワーを体験できる。

デザインを好まない人もいるだろうし、航続距離が短くなることを嫌う人もいるだろうし、トップエンドのパワーが相対的に不足していることを好まない人もいるだろうが、それはパブで無知な友人たちに言わせておけばいい。
私にとって新型ハヤブサは今でも「ブサ」であり、A地点からB地点へ最速かつ快適かつスリリングに移動するためにうってつけな乗り物のひとつであり続けた。
ハヤブサ伝説は続く。

レポート●アダム・チャイルド 写真●ジェイソン・クリッチェル まとめ●上野茂岐

スズキ ハヤブサ主要諸元(欧州仕様)

[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:81.0mm×65.0mm 総排気量:1340cc 最高出力:140kW<190ps>/9700rpm 最大トルク:150Nm<15.2kgm>/7000rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2180 全幅:735 全高:1165 ホイールベース:1480 シート高800(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R190/50ZR17 車両重量:264kg 燃料タンク容量:20L
[価格]
イギリスでは1万6499ポンド(約244万円)、日本仕様は215万6000円〜。

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日本での問い合わせ先

ハヤブサスペシャルサイト

スズキお客様相談室
TEL:0120-402-253
https://www1.suzuki.co.jp/motor/

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