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「BMW M1000RR徹底解説」S1000RRと何が違うのか?212馬力のエンジンと、車重192kgの車体に見る本気度

M1000RR専用品の「Mブレーキ」を採用、足まわりも専用のセットアップに

四輪のMシリーズのようにMロゴ入りとなるブレーキキャリパー。ニッシンと協力開発した新設計の4ピストンキャリパーで、ブルーメタリックのアルマイト加工が施されています。

M1000RRが装着するブレーキは「Mブレーキ」と名付けられた専用パーツです。このMブレーキはSBKのファクトリーマシンのブレーキシステムを担当するニッシンの協力により新たに設計された4ピストンキャリパーで、S1000RR比で約60gの軽量化を実現。
ブレーキピストンは制動力向上と熱的な安定性を確保するために亜鉛ニッケルコート済み。ブレーキパッドのコンパウンドは公道用とエンデュランスレース用の2種類を用意し、そのいずれもABSプロに対応するものです。また、レースでの想定を考慮してリヤキャリパーは構造を最適化。クイックリリース化に成功しているのも大きなトピックです。

クイックリリース対応のリヤキャリパー。素早いホイール交換が可能な設計としてレースでも威力を発揮します。ホイールはカーボン製!

前後のホイールはカーボン製の「Mカーボンホイール」として約1.7kg軽量に。そこに組み合わせる前後サスペンションも独自のセットアップとされています。フロントフォークはインナーチューブ径45mmのマルゾッキ製でブラックアルマイト加工済みのトップブリッジとアンダーブラケットはアルミ削り出しとしてS1000RR比で20g軽量に。スプリングトラベルは120mmでダンピング・リバウンドともに10クリックの調整機構が付属しています。

フロントフォークは左右でスプリングとダンパーの別々の機能を持たせたタイプ。向かって右側のフォークトップにはプリロード調整機構が装備されています。

また、「フルフローター・プロ・キネマティック」と呼ばれるのリヤサスペンションも新設計でこちらも調整機能付きでスプリングトラベルは117mm→118mmに。さらにスイングアームピボットは−2mm、−1mm、0、1mm、2mmの幅で調整が可能、スイングアーム本体も606.6mm→618.3mmと10mm以上延長されています。

調整可能なピボット。ステップやスプロケットカバーはMロゴ入り。チェーンには先日発表されたDLCコート済みのメンテナンスフリーチェーンである「Mエンデュランスチェーン」が採用されています。

電子制御もレース&ストリートの両方に対応する充実ぶり

ライディングモードはレイン、ロード、ダイナミック、レース、レースPro1〜3が用意され、IMU(慣性計測装置)は最新の6軸センサーを搭載。
そのほかに、ローンチコントロール、ウイリーコントロール、ヒルスタートコントロール、クルーズコントロール、ピットレーンリミッターなど、サーキットだけでなくストリート向けの最新電子制御も数多く盛り込まれており、BMWらしさが際立つ部分と言えるかもしれません。

バッテリーやエキゾーストも軽量化。だが、USBソケット、グリップヒーターなど実用装備は欠かさない!

車重192kgのM1000RRではバッテリーやエキゾーストも軽量化が敢行されています。5Ahのバッテリーは重量1.2kgで、エキゾーストシステムはS1000RRがフロント&リヤ合わせて11.4kgなのに対し、M1000RRではフルチタンエキゾーストとして7.7kgと大幅に軽くなっています。
ただこうした軽量化を行いながらも、USBソケットやグリップヒーターなども装備しており、公道走行もしっかり考慮した作りとしていることはBMWらしいポイントでしょう。

車重は192kgでS1000RRより5kg軽量となったM1000RR。こうした軽量化と前後荷重の見直しにより、前輪荷重は53.8%→52.1%に。

FIMのホモロゲーションにも対応

レースでの使用も前提としたM1000RRは生産台数の最小ロットを500台とするFIMのSuperstock、SBKのホモロゲーションにも対応しており、キットエンジンやSTK&SBK用の電装パーツ、レース用エキゾーズトシステム、タンク&シートキット、ボディキットが用意されています。

左がM1000RR、右がBMW Motorrad WorldSBKチームのエース、トム・サイクス選手のマシン(S1000RR)。

ここまでM1000RRの主な特徴について解説してきましたが、S1000RRがベーツモデルとはいえ、その中身はサーキットでのハイパフォーマンスに特化した内容であることがお分かりいただけたと思います。
しかしながら、M1000RRはBMW Motorradの従来モデル同様にストリートでも安全・快適なユーティリティも備えていることも忘れてはならないポイントです。

ロードゴイーングレーサーでありながらストリートを切り捨てない──そんな車体作りは、まさにBMWの4輪Mシリーズにも通じるものであり、これこそが今回「M」を名乗った理由なのかもしれません。デビュー以来、そのパフォーマンスと洗練された装備によってスーパースポーツの世界でベンチマークであり続けたS1000RR。このM1000RRも、新しいスーパースポーツモデルの在り方を指し示すマイルストーンとなりうる1台と言えるでしょう。

BMW M1000RR 主要諸元

【エンジン・性能】
種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク80.0mm×49.7mm 圧縮比:13.5 総排気量999cc 最高出力156kW<212ps>/1万4500rpm 最大トルク113Nm<11.5kgm>/1万1000rpm 変速機:6段リターン

【寸法・重量】
全長:2073 全幅:848(ミラー除く) 全高:── ホイールベース:1457 シート高832(各mm) 車両重量:192kg タイヤサイズ:F120/70ZR17 R200/55ZR17 燃料タンク容量:16.5L

10月5日追記:日本では2021年初夏、予価500万円で発売予定となりました。

レポート●土山 亮 写真●BMW 編集●上野茂岐

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