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NSR500やRC164など、世界を戦った伝説のマシンが実際に走る! ホンダ・コレクションホール「走行確認テスト」

1963年 RC164 チャンピオンを生んだ空冷4気筒!

空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ、249.37cc、最高出力44㎰/1万4000rpmという驚異のGPマシンです。最高回転数は1万5000rpm。最高速は220km/h。車重は125kg。

1963年のGP250で、個人(ライダーはジム・レッドマン)・メーカーの両方で世界タイトルを獲得したマシンです。
ティクラー(始動性を高めるため、新鮮なガソリンをキャブレターに送るポンプ)付きキャブレターはケーヒンCRキャブを4連しています。このキャブのスロットルバルブは丸ピストンですが、1965年頃からはフラットバルブも使われます。

このRC164は6速ミッションですが、改良型の2RC164(1964年型)や並列6気筒になったRC165(1965年型)、RC166(1966、1967年型)は7速ミッションを採用しています。

カウリングはFRP製で(このマシン以前はアルミ製でした)、マグネシウムパーツが多く使われていましたが、ブレーキなどはアルミの新作パーツに交換してあります。4本メガホンマフラーの高回転音は本当に最高なので、一度聞いてほしいですね。

1984年 NSR500(NV0A) タンクとチャンバーが上下逆さのGP500マシン

水冷2ストV型4気筒クランクケースリードバルブ、499cc。最高出力は145㎰。

1984年、ホンダ初の2ストローク4気筒マシンがNSR500です。驚べきはフューエルタンク(32L)をエンジン下に、排気チャンバーをエンジン上という普通のバイクとは逆に配置したことです。狙いは低重心化ということでしたが、燃料が半分以下になると重心が上がりハンドリングが激変する手強いマシンでした。
フロントフォークのインナーチューブ、コムスターホイール、リヤブレーキディスク、カウルなどカーボン(CFRP)を多用しています。またアルミフレームはアンダーループを持たないタイプです。

ウイリー抑制のため、現在MotoGPに参戦中の全メーカーが採用している「1軸逆回転クランク」を時代を採用していましたが、狙いは違っていたみたいです。

革新の力作でしたが、チャンバーの熱で火傷したフレディ・スペンサーは、NSR500 では3勝しかできず、フレディの代役を務めたランディ・マモラも1勝のみ。
1983年世界チャンピオンのフレディは、GP500連覇のタイトルを逃す結果となりました。

1985年 NSR500(NV0B)フレディ・スペンサー、ダブルタイトル獲得の4気筒2作目

水冷2ストV型4気筒クランクケースリードバルブ、499cc。最高出力は140㎰以上。ただし、クランクは正回転(進行方向に前回り)になりました。

1985年型NSR500は、フューエルタンクが上、チャンバーが下の普通の配置になりました(チャンバーの取り回しは知恵の輪の様に複雑でしたが)。
1984年型同様に、遠心式ガバナーで作動するATAC(高速域でのパワーを損なわず、中低速域のトルクアップをもたらすホンダ独自の電装システム)を装備しています。
フレームはアルミ系合金で最高級の強度を持つ「7N01材」をメインに使ったアルミツインスパー(ホンダ呼称:アルミツインチューブ)フレームで、フロントフォーク径は41.4mm→43mmと太くなり、全体的に高剛性化されました。

数値上のパワーは1984年型と大差ないのですが、ピーキーだった1984年型と比べるとずっと扱いやすいマシンだったと言われています。ただ残念ながら、当日はエンジンこそ掛かったものの、調子が優れず走れませんでした。

フレディ・スペンサーがGP250タイトルも狙うため、同車のエンジンを縦に半分にしたRS250RW(90度V型2気筒)も製作されました。フレディはこの年両マシンに乗り(つまり1日2レース)、見事GP500&250ダブルタイトルを獲得しました。

1985年 NS500(NS2B) ホンダ初の2ストGP500マシンの最終モデル

今回テストしたのは1985年型は全日本でHRCの阿部孝夫が乗ったマシンで、1983年型からの改良型です。

NS500はホンダ初の2ストGP500マシンとして1982年から投入されました(それまでは4スト・オーバルピストン8バルブのNR500)。
1982年ベルギーGPでフレディ・スペンサーが初優勝。1983年はヤマハの“キング”ケニー・ロバーツと世紀の一騎打ちを制してフレディが世界チャンピオンに輝きました(当時史上最年少GP500世界チャンピオン)。
1984年はNSR500が不調だったので、途中でNS500でも参戦し2勝しました。

水冷2スト112度V型3気筒ピストンリードバルブ(120度等間隔爆発)、498cc。最高出力は130㎰以上。このレイアウトにしたのはマシンを軽くコンパクトにするためです。

V3エンジンは中央1気筒が前に、両側2気筒が後ろで、中央気筒のチャンバーは容積を稼ぐため、エンジン下でとぐろを巻くような独特の形状です。ダブルクレードルフレームは当初はクロモリでしたが1982年途中からアルミに変更されました。ほかにもタイヤサイズやホイール、スイングアームの素材も年式によっては変更されています。
このNSのV型3気筒イメージでMVX250FやNS400Rが市販されました。

2004年 CBR1000RRW 並列4気筒復活!! 2004年鈴鹿8耐優勝マシン

水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ、998cc。最高出力195ps以上、車重165kg以上。ブラックのマシンに、ライダーのシルバー革ツナギのコントラストが美しかったです。

2004年鈴鹿8耐で宇川 徹/井筒仁康がライディングして優勝した8耐専用のファクトリーマシンで、CBR954RRからCBR1000RRにフルモデルチャンジし、その1年目に優勝した記念すべきCBRです。
ホンダのスーパーバイクは1994年〜1999年がRVF/RC45(4ストV型4気筒749cc)、2000年〜2003年がVTR1000SPW(水冷4ストV型2気筒999cc)だったので、並列4気筒でのホンダファクトリーマシン優勝は空冷4気筒1000ccの1981年RS1000以来でした(台風直撃で6時間になった1982年はホンダ社員チームがTT-F1仕様のCB900で優勝していますが)。

フレームは市販車と共通ですがスイングアームは特別仕様。タイヤ交換時の利便性を考えリヤホイールも大きく右に大きくオフセットしています。

タイヤは前後16.5インチという現在は存在しないサイズで、テスト時も当時のタイヤで挑んでいました。カチカチに硬化していて危なそうでしたし、安全を考えると今後は、走行時は17インチにして、展示では16.5インチとなるかもしれません。

文●橋本銀次 写真●モーサイ編集部

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