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新車

【ドゥカティ新型パニガーレV2/V2S発表】伝統のVツインスーパーバイク新開発の890ccエンジンで新章へ

ドゥカティ伝統のV2パニガーレ、完全新設計のスーパースポーツとして登場

ドゥカティ新型パニガーレV2S(左)/V2(右)

新型Vツインエンジンと同時に、伊ミラノEICMAショーで発表されたパニガーレV2とV2S。ドゥカティが本拠を置く地名「パニガーレ」を冠したスーパースポーツは、今やV4シリーズも展開されているものの、最初に車名を当てられたのはV2モデル。主力の座を譲ったとは言え、完全新設計となったパニガーレV2の登場は、ここしばらくドゥカティがV2路線の維持を確約したことになる。

高効率と扱いやすさを追求した890ccV2エンジンについては、別の記事を参照していただくとして、エンジンのほか車体の刷新により新パニガーレV2はパニガーレシリーズ最軽量のマシンになった(V2Sバージョンでは従来モデルと比較して-17kg)とドゥカティはアピールする。そして「従来モデルのパニガーレV2(955ccVツイン/最高出力155ps/車重193kg)よりも、35ps少ない120psの最高出力ながら、ヴァレルンガサーキットのロードコースを10分の2秒遅いだけのタイムでラップする」と、新V2の実力を誇示する。

新パニガーレV2の実力はそれにとどまらず、ストリートでも楽しい特性のスポーツバイクに仕立て、中回転での豊かなトルクの生かしてコーナー脱出時はボリューム十分な加速を提供するとアピール。また、ライディングポジションは現代的に洗練され、あらゆる状況で快適。さらには新設計のカウル形状は熱の流れも最適化し、ライダーに影響を与えるラジエターからの放熱も低減したという。

ドゥカティ新型パニガーレV2
ドゥカティ新型パニガーレV2
ドゥカティ新型パニガーレV2

パニガーレV2S/V2のテクニカルスペック

パニガーレシリーズのスタイリングを受け継ぎ、アグレッシブな外観とそれに見合った運動性能をパッケージングしたパニガーレV2の概要を項目で紹介しよう。パニガーレV2をスタンダード版とし、V2Sはその上級バージョン。前後サスペンションにオーリンズを採用のほか、リチウムイオンバッテリーを装備し、一人乗り仕様が標準(オプションでダンデムキット装着可)となっている。

【パニガーレV2Sの主な標準装備】

カラーリング:ドゥカティレッド

  • 新型890ccV2エンジン
  • 最大出力120hp/1万750rpm
  • 最大トルク93.3Nm/8250rpm
  • 燃料を含まない車両重量:176kg
  • モノコックフレーム
  • フロントサス:43mmインナーチューブ径オーリンズNIX-30フォーク(フルアジャスタブル)
  • リヤサス:オーリンズ製ショックアブソーバー(フルアジャスタブル)
  • リチウムイオンバッテリー
  • Brembo M50モノブロックキャリパーを備えたブレーキシステム
  • ピレリ・ディアブロ ロッソIV:前120/70サイズ、後190/55サイズタイヤ
  • 6軸慣性測定ユニット(6D IMU)を備えた最新世代のエレクトロニクスパッケージ:コーナリング機能付きABS/ドゥカティトラクションコントロール(DTC)/ドゥカティウィリーコントロール(DWC)/Ducati Power LaunchおよびDucatiピットリミッター(DPL)/ドゥカティクイックシフト(DQS)2.0/エンジンブレーキコントロール(EBC)。
  • 新設計の花びら型ジョイスティック装備のスイッチボックス
  • アスペクト比16:9の新しい5インチフルカラーTFTディスプレイ
  • ライディングモード(レース、スポーツ、ロード、ウェット)
  • DRL(デイタイム・ランニング・ライト)付きフルLEDヘッドライト
  • シングルシーター構成(パッセンジャーキットはアクセサリー)
  • Ducatiマルチメディアシステム(DMS)のプロビジョニング

【パニガーレV2の主な標準装備】

カラーリング:ドゥカティレッド

  • パニガーレV2Sと同様の標準機能
  • 二人乗りが標準仕様
  • 燃料を含まない車両重量:179kg
  • 43mmインナーチューブ径マルゾッキ製フロントフォーク(フルアジャスタブル)
  • カヤバ製リヤモノショック(フルアジャスタブル)
  • Ducati Power Launch および Ducati Pit Limiter (DPL) はアクセサリー(オプション)として利用可能
  • 鉛蓄バッテリー標準装備
フェアリングは、ラジエーターから来る熱をライダーから遠ざけるような導風も考慮して設計
フロントからリヤまで流れるような連続性を感じさせるのシートとテールカウル。写真はダンデム仕様のV2。シート下からテールに向かう途中で後端となる左右2本出しマフラーも特徴的な意匠
320mm径ディスクにブレンボ製M50モノブロックキャリパーを組み合わせるブレーキは、ボッシュ製コーナリングABS機構を装備
エンジンブロックに直接マウントされる両持ちタイプのアルミスイングアームは、パニガーレV4イメージの造形で高いライディングパフォーマンスに貢献
車体左側にオフセットされ、スイングアーム部のプログレッシブリンクに支持される別体タンク付きリヤショック。写真はV2用のKYB製でフルアジャスタブル

新エンジン/シャシーで固めたV2パニガーレ、ミドルSSを席巻!?

ドゥカティ新型パニガーレV2S

両グレードともに共通するのは、コンパクトかつ軽量なVツインを新型のアルミモノコックフレームに搭載することで、エンジン自体も車体の剛性メンバーを担う設計。アルミ鋳造のモノコック構造部の重量は4kgで、その下部でエンジンを直接支持するほか、モノコック部分はエアボックスとして機能し、内部にエアフィルター、スロットルボディ、インジェクター用の燃料回路などを配置する。

リヤサブフレームもアルミ鋳造製で、上部はモノコック部に、下部はエンジンに直接固定。フロント部は、樹脂製のサブフレームがヘッドライト、ダッシュボード、ウインドシールドを支持している。またエンジンに直接固定される両持ちスイングアームは低圧鋳造のアルミ合金製で、外観デザインは新型パニガーレ‐V4のそれをイメージさせる形状とし、ライディング時に同等の運動性能を確保。

そして、ブラック仕上げで特徴的なY字型6本スポークの前後軽合金ホイールには、ピレリのディアブロ ロッソⅣタイヤを標準装着。フロントブレーキは4ピストンのブレンボ製モノブロックM50キャリパー+320mm径ディスク、リヤは2ピストンキャリパー+245mm径ディスクで、このセグメントでベンチマークとなるようなシャープでフレキシブルな制動力を発揮するとアナウンスする。

新設計エンジンとシャシーの与えられ、スーパーバイクシリーズのミドルレンジを担うモデルとして、パニガーレV2がドゥカティ伝統のV2としての輝きを当分放ち続けることは間違いないだろう。なお、日本導入時期は未定だが、2025年の年明け間もなくの上陸となるか? 

ドゥカティ新型パニガーレV2S

パニガーレV2/V2S主要諸元

※< >内はV2S

■エンジン 水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク96.0×61.5mm 総排気量890cc 圧縮比13.1 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル

■性能 最高出力88kW(120hp)/1万750rpm 最大トルク93.3Nm(9.5kgm)/8250rpm

■変速機 6段リターン 変速比1速2.714 2速2.000 3速1.600 4速1.318 5速1.142 6速1.040 一次減速比1.840 二次減速比2.800

■寸法・重量 全長─ 全幅─ 全高─ 軸距1465 シート高837(各mm) キャスター23.6° トレール93mm  タイヤF120/70ZR17 R190/55ZR17 車両重量179<176>kg

■容量 燃料タンク15L エンジンオイル─

■車体色 ドゥカティレッド

■価格 211万9000円<240万8000円>

まとめ●モーサイ編集部・阪本  写真●ドゥカティ

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