バイクライフ

バイク用も期待「水と温度に反応しゴムが変化!雪、ウエット、ドライに万全対応」ダンロップの大発明【アクティブトレッド】がタイヤを変える

ダンロップの最新オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」は雨=水分でソフトに変化

2024年10月に発売されたダンロップの新世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」が話題を集めていることはご存知だろうか。

カーライフにおいて、積雪量の多い北国などでは冬場はスタッドレスタイヤに交換することは当たり前だが、気候変動・地球温暖化の影響で降雪が少なくなっているエリアも増えている。また首都圏に住んでいる人では、年に数回の積雪のためにスタッドレスを用意するのは……というケースもあるだろう。

そうしたことから、サマータイヤとスタッドレスタイヤを履き替えるのではなく、ちょっとした積雪路であれば難なく走れてしまう「オールシーズンタイヤ」を求めるユーザーが増えている。

ニーズが高まれば、そこに商品競争が生まれ、技術が進化する。そうして生まれたのが「シンクロウェザー」に採用された新技術「アクティブトレッド」である。

住友ゴム工業が開発したこの技術は2023年のジャパンモビリティショーで公開されている。すでに知識を得ている人もいるだろうが、簡単にいえば、路面状態に合わせてゴム自ら性質が変化する「スイッチ」をタイヤに持たせた技術となる。

住友ゴム工業の新技術「アクティブトレッド」の特徴とは

具体的に「シンクロウェザー」では、「水スイッチ」と「温度スイッチ」を採用している。

「水スイッチ」というのは、タイヤゴムが水に触れることで表面が柔らかくなり、ウエット路面でのグリップ性能を上げるというもの。技術的にいえば、ゴム内のポリマー間の結合を部分的に水で脱着できる「イオン結合」に置換することでそれを実現している。

「温度スイッチ」は、低温になるとゴムが柔らかくなるもの。常温ではサマータイヤ同等の剛性感を維持しつつ、グリップ成分をポリマーから切り離すことで、低温となる雪上でのグリップ性能を両立させようというものだ。

言うまでもなく、オールシーズンタイヤは表面に刻まれるトレッドパターンからして様々な路面に合うようにデザインされているわけだが、このように路面状況に応じてゴム特性を最適化しうる「アクティブトレッド」技術を採用することで、より「どんな路面でも安心して走れる」タイヤに仕上げることができたという。

タイヤというと黒くて丸いイメージしかなく、その技術進化については見過ごしがちかもしれないが、このように環境によってグリップ力を変化させる能力も今や実現しているのだ。

サマータイヤ、スタッドレスタイヤ、従来のオールシーズンタイヤとの比較表。サマータイヤと同等以上のウエットブレーキ性能、スタッドレスタイヤと同等以上の氷上ブレーキ性能を発揮するとダンロップはアピールする。なお冬タイヤ規制時も走行可能だ。
ダンロップ・シンクロウェザー:高いオールシーズン性能を発揮するため、ドライ路面の走行に適したショルダー剛性、氷上性能に必要なエッジ成分、ウエット・雪上路面における排水性・排雪性など、トレッドパターンにも工夫が凝らされている。

雨や寒いときにグリップが高まる二輪用タイヤを期待したい

そして、こうしたテクノロジーは二輪車にも展開してほしいと思うライダーは多いのではないだろうか。

特にスクーターやビジネスバイクなど、一年中季節を問わず利用するタイプの二輪にはオールシーズン的なタイヤ性能があったら理想的だ。アクティブトレッド技術のように濡れた路面や低温環境において適度にやわらかくなってグリップ力を増すタイヤが登場すれば、より安心安全なバイクライフを送ることが可能になるのは言うまでもない。

ダンロップ「シンクロウェザー」というネーミングの由来は、あらゆる路面にシンクロすることを示しているというが、あらゆるモビリティにシンクロするタイヤとして、その技術が水平展開されることを期待したいものだ。

レポート●山本晋也 写真●ダンロップ 編集●上野茂岐

  1. 50歳からライダーデビュー。エネルギッシュな女性ライダーが考える悔いのない人生

  2. 今から『GB350 C』をベタ褒めするぞ?気になってる人はご覧ください!

  3. 『Rebel 1100シリーズ』が熟成されて魅力度アップ。『Rebel 1100 S Edition』がタイプ追加!

  4. 大きなバイクに疲れた元大型ライダーが「Honda E-Clutch」で体感したある異変とは?「バイクの概念が変わりました」

  5. 【バイク初心者】本格的なバイク整備はプロに任せる!でもこの『3つ』だけは自分でもチェックできるようになろう!【バイクライフ・ステップアップ講座/3つのセルフチェック 編】【Safety】

  6. 寒い季節はグローブ選びが命! 冬場も走るベテランライダーが100%装着している『バイク用の冬グローブ』ってどんなもの?

  7. 【比較】新型『GB350 C』と人気の『GB350』の違いは?ざっくり10万円強も価格差……ちょっと高いんじゃない?と感じる人へ!

  8. 新型『NX400』ってバイク初心者向けなの? 生産終了した『400X』と比較して何が違う?

  9. 冬は寒いのになんでバイクに乗るの?実は『他の季節よりも○○な魅力』が5つある!

  10. ベテランライダーが『CBR650R E-Clutch』に乗って感じた楽しさ

  11. 寒い時期はバイクに乗らない人へ!愛車を冬眠させるなら「4つの〇〇+α」をやっておけばずっと長持ち!

  12. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  13. CL250とCL500はどっちがいい? CL500で800km走ってわかったこと【ホンダの道は1日にしてならず/Honda CL500 試乗インプレ・レビュー 前編】

  14. 【王道】今の時代は『スーパーカブ 110』こそがシリーズのスタンダードにしてオールマイティー!

  15. 新車と中古車、買うならどっち? バイクを『新車で買うこと』の知られざるメリットとは?

  16. ビッグネイキッドCB1300SFを20代ライダーが初体験

  17. “スーパーカブ”シリーズって何機種あるの? 乗り味も違ったりするの!?

  18. 40代/50代からの大型バイク『デビュー&リターン』の最適解。 趣味にも『足るを知る』大人におすすめしたいのは……

  19. ダックス125が『原付二種バイクのメリット』の塊! いちばん安い2500円のプランで試してみて欲しいこと【次はどれ乗る?レンタルバイク相性診断/Dax125(2022)】

  20. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける

おすすめ記事

実は日本と似ている!? ヨーロッパの二輪免許〈中免〉的制度や〈大型の限定解除〉もある【Vento Italiano N.2】 第22回 カフェカブミーティングin青山 11月3日、11月4日に開催 100台のメグロが栃木県に大集合!! 「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」2022年11月6日に開催

カテゴリー記事一覧

  1. GB350C ホンダ 足つき ライディングポジション

ピックアップ記事

  1. ディオ110 ベーシック ホンダ 2025