雑ネタ

知るとバイクがもっと楽しくなる!? チェーン/シャフト/ベルト、駆動方式はどう進化した?

柔軟な姿勢で対応して来たBMWとヤマハ

駆動方式にこだわりを持っているバイクメーカーと言えば、1993年以降の全車にベルトドライブを採用しているハーレー、1980年代以降はクランク縦置きVツイン+シャフトドライブ車のみを販売しているモトグッツィが代表格である。
ただし逆の意味でのこだわり、時代に応じて多種多様な後輪駆動を取り入れて来たという見方なら、BMWとヤマハを二大巨頭と言うべきだろう。


現在は縦置きクランク+シャフトドライブ車のみを販売しているモトグッツィだが、1970年代以前は多種多様なモデルを生産。1920~60年代中盤の市販車の主力は、クランク横置きの水平単気筒+チェーンドライブ車だった。写真の車両は上が2020年 モトグッツィV9 BOBBER SPORT(853cc、空冷4ストOHV V型2気筒)で、下はモトグッツィファルコーネ(1950年 500cc、空冷4ストOHV単気筒)

水平対向+シャフトドライブだけじゃない? BMWの場合

1923年 BMWR32(500cc、空冷4ストサイドバルブ水平対向2気筒)
欧米の古豪の第一号車と言えば、エンジンは単気筒、後輪駆動は革ベルトかローラーチェーンが定番だが、BMWは第一号車の時点で、フラットツイン+シャフトドライブを採用していた。

BMWは1923年に第一号車のR32を発売し、以後は約70年に渡って縦置きクランク+シャフトドライブ専業メーカーとして活動してきた。が、1990年代以降は徐々にその姿勢に変化が見え始める。
1994年に横置きクランク単気筒+チェーンドライブのF650、2002年にはその派生機種としてベルトドライブのF650CSスカーバーを発売。2006年から展開が始まった並列2気筒のFシリーズではベルトとチェーンのふたつの駆動方式を採用していた。
そして近年になって登場したSシリーズとGシリーズは、全モデルでチェーンドライブが標準となっている。頑固一徹の感があったかつてBMWを振り返ると、ここまで駆動方式に柔軟な姿勢を示すというのは、なかなか予想外の展開だ。

1994年 F650(650cc、水冷4ストDOHC単気筒)
シャフトドライブにこだわり続けたBMW初のチェーンドライブ車。チェーンが右側にあるのも特徴的。

かつてはシャフト、今はベルトを積極採用! ヤマハの場合

チェーンドライブを主力としながら、グランドツアラーやクルーザーなどにシャフトドライブを採用する──ヤマハのその姿勢は他の国産3メーカーと同様だが、1970年代後半~80年代前半は、フラッグシップのGX750やXS1100、スポーツモデルのXJ650/750、原動機付き自転車のタウンメイトT50/80やキャロットなどにも、シャフトドライブを導入していた。

1976年に登場したGX750は、ヤマハ初の並列3気筒車にして、ヤマハ初のシャフトドライブ車。初代の後輪駆動関連パーツは、ドイツのゲトラグ社製だった。

もっとも1980年代中盤になると、同社のラインアップもチェーンドライブ車が主力になっていくのだが、21世紀に入って登場した全面新設計車、V-MAX1700やXTZ1200スーパーテネレがシャフトドライブを採用していたことを考えると、ヤマハはこの駆動方式に並々ならぬこだわりを持っているようだ。
なおクルーザーのパワーユニットを転用した1985年型V-MAXや2001年型BT1100、近年のグランドツアラーの基盤を作ったと言われている2001年型FJR1300も、駆動方式はシャフトドライブである。

2005年 BT1100 ブルドッグ(1100cc、空冷4ストOHC V型2気筒)
ドラッグスター1100ベースのエンジンを搭載し、シャフトドライブ駆動のイタリアンネイキッド。デザインはイタリアヤマハ(旧ベルガルダヤマハ)が担当。

一方で、もうひとつの後輪駆動方式であるベルトドライブに関しては、ヤマハは他の国産3メーカーより消極的で、一般的なモーターサイクルの初採用車は1999年に登場したXV1600ロードスターだった。
とは言え、以後は徐々に採用車が増えていき、近年ではXV1900/1700/1300シリーズ、ボルトを含めたXVS950シリーズ、T-MAX530などが、ベルトドライブを採用(2012年型以前のT-MAXはチェーンドライブ)。結果的に現在のヤマハは、ハーレー以外で最もベルトドライブ車が多いメーカーになっているのだ。

2019年 BOLT RスペックABS(941cc、空冷4ストOHC V型2気筒)
「どこまで自分らしくなれるか。」をコンセプトにしたクルーザーモデルで、駆動方式はベルトドライブ。写真の車両はリザーブタンク付きのリヤサス+キャストホイールのRスペック。

 

お試しで終わることが多かった(?)ベルトドライブ

ちなみに、1980年代以降のベルトドライブ車の歴史で興味深いのは、モノは試しという感じで導入したものの、やっぱり止めよう……という判断を下したメーカーが多いことである。具体的には、ホンダ(初採用車は1982年型250マスターS・D)、スズキ(1986年型LS650サベージで)、BMWなどがベルトドライブ車の継続を断念している。

1986年 LS650サベージ(650cc、空冷4ストOHC単気筒)
アメリカン=Vツインという図式に異論を唱えるモデルとして、スズキは1986年から直立単気筒を搭載するサベージの発売を開始。650はベルトドライブだが、400はチェーンドライブだった。

ただしその一方で、カワサキはクルーザーのバルカンシリーズで、長きに渡ってベルトドライブを採用しているし(ただしバルカンシリーズには、チェーン/シャフトドライブ車も存在。なおカワサキ初のベルトドライブ車は1982年型Z250LTD)、創業当初からチェーンドライブ車のみを手がけて来たドゥカティは、2016年に発売したXディアベルで、同社初のベルトドライブを導入している。
文●中村友彦 取材協力●江沼チェーン製作所(http://www.enuma.co.jp

2016年 ドゥカティ・Xディアベル(1262cc、水冷4ストDOHCデスモドロミックL型2気筒)
低回転域での力強いトルクと、ドゥカティらしいスポーティーな走りが楽しめるクルーザーモデル。装備を充実させた上級グレード、XディアベルSも併売されている。

1982年 Z250LTD twin belt drive (250cc、空冷4ストOHC2気筒)
Z250FT系の2気筒エンジインを搭載したクルーザーモデルでカワサキ初のベルトドライブ車。Z250FS(当初はZ200のボアアップ版)系エンジンを搭載した単気筒モデル、Z250LTDも併売されていた。

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