バイクライフ

「クルーザー・モタード・アドベンチャー」難解過ぎるバイクカテゴリー11種を解説!!

愛車探しのため理解したい「バイクのカテゴリー」とは?

バイクを区分する基準は、メーカー、生産国、排気量など様々だが、最もバイク選びの参考になる基準のひとつが「車両カテゴリー」だろう。
車両カテゴリーは「オンロード」と「オフロード」に大別されるが、その中にも更に細かな区分がある。

気になるバイクが思い浮かんだら、そのモデルがどんな種類のもので、どんなカテゴリーに属するかを調べてみよう。カテゴリーごとに特徴や長所、短所があり、あなたの目指すバイクライフによっては、気になるバイクの特性が合わないこともあるからだ。
また、同じカテゴリーにあるライバル車と比べてみると、気になったモデルの良し悪しが分かるかもしれない。当記事では、意外とたくさんあるバイクの各カテゴリーと、それぞれの得意分野について紹介する。

ネイキッド「バイクと言えば定番のカタチ!!」

エンジンや車体などを覆うカウルを持たない、誰もがイメージする最もバイクらしいスタンダードなスタイルのモデル。総じてアップライト気味の(上体が起きた)乗車姿勢で、疲労が少なく、街乗りからツーリングまで使いやすい。
近年、人気となっている、往年の名車が持つクラシックな雰囲気を現在の技術で再現した「ネオレトロ」(ネオクラシックとも言われる)や「カフェレーサー」といったジャンル、レトロかつオフロードなテイストを強めた「スクランブラー」を広義的にネイキッドに分類する場合もある。

長所は街乗りからツーリングまで幅広く走りを楽しめるところで、短所はカウルが装着されない車両では走行風の影響を受けること。

ホンダ CB400 スーパーフォア。普通自動二輪免許の教習車として広く親しまれている。

スーパースポーツ「サーキット走行やスポーティーな走りが得意なフルカウル」

サーキット走行を得意とし、中でも1000ccや600ccクラスはレースマシンのベースモデルになるほどの本格的な作り込みが特徴。街乗りやツーリングに向いているとは言えないが、先進技術が多数搭載され、カウルに覆われた精悍なスタイリングを持つため根強いファンが多い。

長所は軽い車体と高出力のエンジンでスポーツ走行が楽しめるところで、短所は前傾姿勢が強めで一般道の長時間走行は少々つらいところ。

ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード。218馬力の並列4気筒エンジンを搭載したホンダのハイエンドモデル。

ツアラー「防風性や積載性に配慮!! 長旅も快適」

防風性に優れるカウルやウインドスクリーンを備え、長時間の移動を得意としている。また荷物を積むためのパニアケースやトップケースを標準で装備する車両も存在。ポジションは比較的ゆったりとしているが、スポーツ性が高いモデルになると前傾の強いポジションとなることもある。

長所は快適性と積載性に優れており長距離移動もラクにこなせるところで、短所は一般的に車体が大柄で重く取り回しに苦労する面もあるところ。

スズキ GSX-S1000GT。各種電子制御システムや、スマートフォン連携機能付のフルカラーTFT液晶メーターなど、最新の技術を多数採用した1000ccツアラー。

スクランブラー「クラシカルな雰囲気×走破性」

往年のオフロードバイクの特徴を取り入れたモデルで、ワイヤースポークホイールやブロックパターンタイヤなどを装備。クラシカルなデザインを特徴とするネオレトロをベースにしたもので、多少荒れた道でも無理せずに走れるのも魅力。さらに悪路走破性を高めたモデルもある。

長所は冒険心をくすぐるデザインと軽快な運動性で、短所はシート高がやや高めなところ。

トライアンフ スクランブラー1200XC。アップマフラーやワイヤースポークホイールを備え、クラシカルかつアウトドアテイストな雰囲気を持つ。

モタード「オフロード車×オンロードタイヤ」

軽量かつスリムで長いサスペンションストロークを持つオフロードモデルに、前後17インチのオンロードタイヤを履かせた車両。シート高が高く、足着き性はイマイチな反面、視界は一気に広がる。軽快な走りと上体が起きた乗車姿勢や、小回りが利く軽量な車体は街乗りにも適している。

長所は曲がりくねった峠道はもとより多少荒れた道程度なら対応可能なところで、短所は車体構成上、高速道路を淡々と走るのは少々つらいところや、シートがスリムなので長時間走行が少々苦手なところ。

ハスクバーナ モーターサイクルズ 701スーパーモト。692cc水冷単気筒エンジンを搭載し、高い走破性を実現している。

アドベンチャーモデル「長旅を快適にこなし、悪路でも高い安定性」

「クロスオーバー」と呼ばれることもあるモデルで、アップライトな乗車姿勢に防風効果の高いカウルやウインドスクリーンを組み合わせ、道を選ばずにツーリングを楽しめる車両。前19または17/後ろ17インチを履くオンロード重視モデルと、前21/後ろ18または17インチのオフロード重視モデルにさらに区別することもできる。

長所は快適性や積載性に優れ、長距離ツーリングも難なくこなすところで、短所はシート高が高めで乗り降りなどがやや面倒なところと、車重が重い傾向にあるので取り回しに少々注意が必要になるところ。

BMW R 1250 GS。2021年モデルで刷新された最新の水平対向2気筒エンジンを搭載。BMWモトラッドがラインアップするアドベンチャーバイクのハイエンドモデル。

オフロードモデル「長いサスペンションと大きなタイヤで不整地もグイグイ走る」

大きな特徴はオフロード走行向けのブロックパターンタイヤや大径のホイール、不整地でも底付きしない最低地上高と長いサスペンションストローク、スタンディングのしやすい乗車姿勢など。

長所は道を選ばない走破性の高さと取り回しの軽さで、短所は高速走行は総じて苦手で足着き性も良くない場合が多いところ。

カワサキ KLX230。軽量でパワフル、扱いやすいというオフロードバイクに求められる特徴を兼ね備えたモデル。2022年モデルとして、シート高が55mm低いKLX230Sが追加された。

クルーザー「足着きがよく、長距離をゆったり走るのに向く」

ハーレーダビッドソンに代表される、重厚でゆったりとしたアメリカンスタイルが特徴。その多くが大排気量のVツインエンジンを採用し、独特の鼓動感と相まって飽きのこない長距離移動が可能。ただし、基本的にスポーティな走りは不得意だ。最近では、BMWが新たにR18シリーズで参入し、話題となっている。

長所は車高が低いために足着き性が良好で、直進安定性も高いところで、短所は車体が重めで取り回しは少々きついところ。バンク角も小さめだ。

ハーレーダビッドソン ロードキング。1960年代のクルーザー(アメリカン)スタイルを受け継ぐクラシカルなモデル。

スクーター「気軽に乗れて積載性が高い」

エンジンやフレームの見えないフルカバードのボディに小径ホイール、無段変速機や自動変速機を搭載したモデル。400cc以下の小排気量モデルが中心だが、ヤマハTMAX560やホンダX-ADVといった大排気量モデルは高いスポーツ性や快適性を併せ持ち、熱心なファンもいる。収納スペースが充実しており、日常生活で便利に使えるのも魅力。

長所は乗り降りしやすく荷物を積みやすい工夫が満載で、街乗りで活躍するところ、短所は小径ホイールモデルでは特に荒れた路面で影響が出やすいところだ。

ベスパ プリマベーラRED125。1960年代からほとんど変わらないクラシカルな外見ながら、ユーロ5基準の排ガス規制もクリアするなど、中身はしっかり進化。

スリーホイラー「3輪ならではの安定感に加え、目立ち度も◎」

前1輪+後ろ2輪の「トライク」や宅配用途向けの三輪スクーター、前2輪+後ろ1輪にして安定性を高めたスクーターにスポーツ車(前2輪+後ろ1輪のトライクもある)、二輪車に側車を付けた「サイドカー」などがあるバリエーション豊かな三輪モデル。一部のサイドカーとトライクは普通自動車MT免許、もしくはAT限定免許での運転が可能となっている。

長所は高い安定性と快適性を持ち注目度もバツグンなところで、短所は構造上同排気量の二輪車より重く、保管や駐車場所を選ぶところ。また、運転操作の感覚が独特でクルマともバイクとも異なるため、慣れるまでは注意が必要になる。

ハーレーダビッドソン CVOトライグライド。前1輪、後2輪構成で「トライク」にカテゴライズされる車両。所謂クルマの免許で運転できる。

電動バイク「新感覚の乗り味と高い環境性能」

動力源に電気を使用し、モーターで走る次世代のバイク。走行中の静粛性とランニングコストの大半は電気代だけで済む点がメリット。多くは原付二種以下のモデルだが、軽二輪扱いで高速道路に乗り入れ可能なモデルもあり、驚きの加速性能を発揮。BMWのCE04やSR/Fなど、実用的で楽しめるモデルも今後増えそうだ。

長所は排ガスや騒音がなくエンジン車よりも保守の手間がかからないところで、短所車両価格をはじめとする導入コストが高めで、現在のところ充電設備などのインフラも十分とは言えないところと一充電あたりの航続距離が短めなところ。

ゼロモーターサイクルズ SR/F。最高速約200km/hを誇る電動バイク。通常燃料タンクとなっている部分は収納スペースとなっている。

5月6日14時追記:記事中「ハスクバーナ モーターサイクルズ 701スーパーモト」の写真に誤りがあったため、修正しました。

まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実

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