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2023【マン島TT 現地速報!】7日目 スーパーバイクTT決勝「最高峰クラスもマイケル・ダンロップ選手(CBR1000RR-R)が制し、現役最多勝利数記録に並ぶ」

■マイケル・ダンロップ選手(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)。パーラメントスクエアと呼ばれるポイントでは、観客席とコースの距離が近く、コーナーの立ち上がりでスロットルをワイドオープンしたときの爆音と音圧を感じられる。


6月4日(日):スーパーバイクTT(1000cc、SBK並みの改造クラス)決勝

マン島TT、決勝レース2日目はスーパーバイクTTが行われた。2022年までのマン島TTでは、決勝レースはスーパーバイクTTに始まって、シニアTTで終わるのが恒例だったが、今年からスケジュールが変わったことによって、決勝の口火を切るのはスーパーバイクTTレース1となっている。

スーパーバイクTTは、SBK(スーパーバイク世界選手権)に準拠したチューニングが施された、市販車ベースのレーシングマシンで競うカテゴリーだ。そしてシニアTTとは、全レースの上位入賞者による王者決定戦だが、もっとも戦闘力の高いマシンを使うことから、シニアTTはスーパーバイクTTのリベンジマッチともいうべき側面を持っているし、逆に言えばスーパーバイクTTはシニアTTの前哨戦ともいえるのだ。

スーパーバイクTTのスタート前、TTで亡くなったライダーたちを偲ぶメモリアルラップが行われ、数千台のバイクがスネーフェルマウンテンコースを1周した。

そんなスーパーバイクTTは、マイケル・ダンロップ選手(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)が1周目の序盤からトップをリード。ライバルのピーター・ヒックマン選手(BMW M1000RR)はクイックシフターにトラブルが発生し、ダンロップ選手から2.3秒遅れの4位。2位のディーン・ハリソン選手(カワサキ ニンジャZX-10RR)は、ダンロップ選手に6.2秒の差をつけられつつも追走。しかし2周を終えてピットに入り、再びコースに戻ったときにはダンロップ選手が2位との差を14.6秒まで広げ、独走体制に入った。

2回目のピットインとなる4周目を終えた段階でその差はさらに広がり20秒以上となり、大きなミスもなくそのまま6周のレースを終え、1時間43分01秒855、平均速度131.832mph(212.163km/h)のタイムでダンロップ選手がスーパーバイクTTの勝者となった。

おおよそ中間地点となるラムジーの街を駆け抜け、いよいよマウンテン区間へと入っていくマイケル・ダンロップ選手(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)。

マクギネス選手が持つ現役最多勝利数「23勝」に並んだダンロップ選手

マイケル・ダンロップ選手はこれでTT通算23勝目をあげ、現役最多勝利数を誇るジョン・マクギネス選手(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)の記録に並んだ。なお、TT最多勝利数記録は26で、レコードホルダーはマイケルの叔父であるジョイ・ダンロップ選手。偉大な叔父の記録まであと3勝に迫った。

なお、2位にはディーン・ハリソン選手、3位にはピーター・ヒックマン選手が入り表彰台を飾った。

明日、6月5日(月)はレースのない休養日。マン島では各地でバイクイベントが開催される。レースだけが魅力ではないマン島の楽しさもお伝えしよう。

マウンテン区間の序盤、グースネック。6周目をトップで走ってきたマイケル・ダンロップ選手をスタンディングオベーションで迎え、拍手を送る観戦客たち。
マイケル・ダンロップ選手を追いかけるも届かず、2位となったディーン・ハリソン選手(カワサキ ニンジャZX-10RR)。
混戦の中、パーラメントスクエアを立ち上がっていくジョン・マクギネス選手(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)。これまで現役選手で23勝というTT最多勝利数を誇っていたが、マイケル・ダンロップ選手に並ばれた。

■おまけのオフショット。パーラメントスクエアで道路封鎖後も止めっぱなしだったバイクは、オフィシャルによる人力レッカーでコース外へと出された。ハンドルロックされているフロントをベルトで持ち上げて担ぎ出すのだが、オフィシャルの表情からするに相当重そうだった。もしも皆さんがマン島TT観戦に行ったときにはこんなルール違反はしないように!

レポート&写真●山下 剛

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