1985年東京モーターショーであなたを虜にした 「FALCORUSTYCO」が刻んだ近未来図!【設計編】<ある技術者兼テストライダーの回想記1>

'85年東京モーターショーで配布されたファルコラスティコの画像。車名の由来は、シロハヤブサの和名から先に決まった。「スズキの試作モデルなどの製作を請負う外部の板金業者に野鳥好きの親父さんがいて、ほぼデザインの固まったスケッチを見せたら、シロハヤブサっていう貴重な鳥がいるんだぜなんて話になったんです」。
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左下端に「earer(イーラー)1995」の開発コードが入ったデザイン画。運輸省(現国土交通省)の風防解禁以来カウル付きモデルが一気に増え始めた時代ゆえに、反動でネイキッドモデルが流行るのは予見できたが、それは技術屋としては後戻りのようで面白くない。メカも見せつつ空力も考えて、新たな方向を模索するというテーマで創られた。カウルは単なるカウルではなく、前後スイングアーム付近で支持され、モノコック構造で艤装品を支える強度部材の一部であった。V字ラインはデザインのみならず強度的にも理にかなっていたという。
モーターショーパンフレットには、主要メカニズムとして、液冷4サイクル16バルブ3カムシャフト・スクエアフォー、センターハブハイドロリックステアリング機構、フレームレス構造+フェアリング応力外被構造(モノコック)、フロント電磁バウダーブレーキ、ハイドロリックドライブ(液圧駆動)、リヤハイドロリックブレーキシステム(駆動圧制御)、電子制御サスペンション、燃料供給:ELECTRONIC PETROL INJECTION(E.P.I.)などを紹介。ボディはトータルエアロダイナミックデザインと称され、後部は排気を利用して後方乱流を整流した形状と説明されている。
モーターショーパンフレットには、主要メカニズムとして、液冷4サイクル16バルブ3カムシャフト・スクエアフォー、センターハブハイドロリックステアリング機構、フレームレス構造+フェアリング応力外被構造(モノコック)、フロント電磁バウダーブレーキ、ハイドロリックドライブ(液圧駆動)、リヤハイドロリックブレーキシステム(駆動圧制御)、電子制御サスペンション、燃料供給:ELECTRONIC PETROL INJECTION(E.P.I.)などを紹介。ボディはトータルエアロダイナミックデザインと称され、後部は排気を利用して後方乱流を整流した形状と説明されている。
斜め後方の写真では、アンダーカウル部からわずかにエキゾーストパイプが見えるが、この部分の合わせには相当こだわったという。アルミ叩き出しマフラーのため「何度も試作課の班長に嫌味を言われながら修正を頼んだ」と高垣さんは苦笑する。マフラーはカウルと10mmの透き間を保ち、エンドにつながっているという。超扁平の17インチラジアルタイヤは国内の某社に依頼したものの、当時の技術では走行性を保証できないと言われた上で製作された。扁平率はフロント60%、リヤ50%。トレッドパターン(溝)は時代の経過により古さを感じさせることを嫌い、あえてスリックとした。
斜め後方の写真では、アンダーカウル部からわずかにエキゾーストパイプが見えるが、この部分の合わせには相当こだわったという。アルミ叩き出しマフラーのため「何度も試作課の班長に嫌味を言われながら修正を頼んだ」と高垣さんは苦笑する。マフラーはカウルと10mmの透き間を保ち、エンドにつながっているという。超扁平の17インチラジアルタイヤは国内の某社に依頼したものの、当時の技術では走行性を保証できないと言われた上で製作された。扁平率はフロント60%、リヤ50%。トレッドパターン(溝)は時代の経過により古さを感じさせることを嫌い、あえてスリックとした。
非常に貴重な、フレームレス構造のストリップ画像。タイヤの付く側がフロント方向。前列シリンダーは右へ取り回して排気側へ、後列シリンダーは左出し排気なことが分かる。前後スイングアームはクランクケース横からそれぞれ延び、前後ショックユニットはケース下に付くリンクを介して各アームに連動する。斜め上後方に延びるアームは、シートステー用のサブフレームか。
非常に貴重な、フレームレス構造のストリップ画像。タイヤの付く側がフロント方向。前列シリンダーは右へ取り回して排気側へ、後列シリンダーは左出し排気なことが分かる。前後スイングアームはクランクケース横からそれぞれ延び、前後ショックユニットはケース下に付くリンクを介して各アームに連動する。斜め上後方に延びるアームは、シートステー用のサブフレームか。
平均年齢27歳という若きファルコラスティコ開発陣(当時)。左から平田千秋(エンジン実験)、高垣和之(デザイン)、高次信也(デザイン)、北川 浩(車体設計)、村松昭彦(車体実験)、新海達也(エンジン設計)、高崎行博(電装設計)※敬称略。
量産化の可能性はあったというスクエアフォーエンジン。エアファンネルの横に見える分厚いアルミ板が、可変スロットルバルブ。気筒当たり2個の独立したインテーク用スライドバルブがあり、低速では片側にのみ空気を送り、中速から上でもう1個のバルブに空気が入る仕組み。低速域ではマニホールド内の流速が速くなり、スワール(シリンダー内に発生する渦)も起きやすく高い燃焼効率が期待できる。シリンダー横に付くブラケットがスイングアームピボット。
量産化の可能性はあったというスクエアフォーエンジン。エアファンネルの横に見える分厚いアルミ板が、可変スロットルバルブ。気筒当たり2個の独立したインテーク用スライドバルブがあり、低速では片側にのみ空気を送り、中速から上でもう1個のバルブに空気が入る仕組み。低速域ではマニホールド内の流速が速くなり、スワール(シリンダー内に発生する渦)も起きやすく高い燃焼効率が期待できる。シリンダー横に付くブラケットがスイングアームピボット。
実走試験用プロト車のストリップ。エンジン上部のほぼ水平に近い部分にあるのがステアリング用スライドレールで、これを左右グリップで動かすことで、前輪の油圧操舵につながる。機械的な操舵機構が付くようなブラケットがなく、フロントハブステアが油圧のみでつながっているのが想像できる。前輪にディスクブレーキ、後輪にスプロケットが付くことから、写真の車体はエンジンと操舵機構重点のテスト車と思われる。
ステアリング用スライドレールのアップ。写真右手前ステーが左グリップ側。右グリップ用ステーは外された状態のようだ。システム中央に配置されるのは、電子制御センサーの内蔵部か。
操作系を手に集中したガングリップタイプハンドル。指先の微妙な動きでシフトからブレーキングまで「マシンを思うままに操る感覚は、まさに未来感覚」とリリースにはあるが、現実的にはかなり難しかったはずで、足を使えないもどかしさもあったことだろう。左右の役割と操作系配置は図のようになっている。
操作系を手に集中したガングリップタイプハンドル。指先の微妙な動きでシフトからブレーキングまで「マシンを思うままに操る感覚は、まさに未来感覚」とリリースにはあるが、現実的にはかなり難しかったはずで、足を使えないもどかしさもあったことだろう。左右の役割と操作系配置は図のようになっている。
上に速度、下に回転がバーグラフ状に表示されるメーター。メーター上に被さるスモーク部はポップアップスクリーンカウリングで、電動で高さが可変。レッドゾーンは1万1000rpmからのようだ。
EPi(ELECTRONIC PETROL INJECTION)と称された電子制御燃料噴射機構。4輪のアルトに冠された機構と同名称を付けるが、これは営業側の要望を入れたもので、関連性はない2輪専用機構だった。ターボバイクのXN85('82)にも電子制御燃料噴射は採用されていたが、時代的にそれより進んだ機構になっていた模様。
前輪のセンターハブステアリング。利点はテレスコピックフォークと比較して剛性を上げやすく、軽量化もしやすいこと。作動時の軸距の変化が少なく、キャスター角は変化しない半面、ジオメトリー設定の自由度が高い。実際同車の機構では、ロアアーム長の調整でキャスター角を任意に変更可能だった。難点は構造の複雑さ、ハンドル切れ角の確保、未知の操作感など。後にビモータ・テージ1D('90)で量産化されたものの、主流たり得なかったのは上記の点が影響しているだろう。ハブに付けられたシリンダーを油圧作動させ前輪を動かすが、上部ハンドルからスイングアーム付け根までは電子制御で操舵情報が送られる。一方電磁パウダーブレーキは、全天候型の電気的制御のため効きや味付けを設定しやすい利点があり、当時大型工作機械で採用例はあったが、本文中にも記したように実用的な性能が得られなかった。
写真では、リヤスイングアーム基部に配置された液圧後輪駆動用ポンプからのオイル通路が見える。通常の場合の前後スプロケットがオイルポンプに当たり、チェーンがオイルの役割を果たすと理解できる。しかし既存の駆動方式と比較して明らかに伝導効率が悪く、またオイルポンプの作動音の低減は困難だったという。ちなみにトランスミッションはマニュアル式で、クラッチはオートマチックだった模様。
'85年東京モーターショーで配布されたファルコラスティコの画像。車名の由来は、シロハヤブサの和名から先に決まった。「スズキの試作モデルなどの製作を請負う外部の板金業者に野鳥好きの親父さんがいて、ほぼデザインの固まったスケッチを見せたら、シロハヤブサっていう貴重な鳥がいるんだぜなんて話になったんです」。
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