ヒストリー

カメラマン柴田のGB350日記#4「納車前にホンダの歴代ビッグシングルを振り返ってみた」

GB350S ホンダ

皆さんこんにちは。カメラマンの柴田直行です。
夏真っ盛りですが、いかがお過ごしですか?

写真の通り、既にバリエーションモデルのGB350Sもリリースされて(発売は7月15日)、雑誌などの撮影も始まっています。
自分の納車前のバイクを雑誌やメディア用に撮影するなんて、カメラマン生活30年以上ですが初体験。
嬉しいような寂しいような、複雑な気分でシャッターを切りました。
その記事もモーサイにも掲載されていますので、そちらも読んでいただけたら幸いです。

いよいよGB350Sのメーカー試乗車がやって来て、取材も始まってます。ちなみこの写真はiPhoneのポートレートモードで撮影。納車されたら、GBを題材にこんなお遊びも紹介したいです。
写真は月刊モーターサイクリスト誌の撮影の一コマ。
いつもはこんなニヤケてませんが、GBを前にすると自然と笑顔に。これはGB350Sですが、自分が注文したのはスタンダードGB350の赤です。

ホンダ製シングルが車歴でも多いんです

さて、おっさんカメラマンの車歴なんて誰も興味ないでしょうが、今までオフ車を中心に20台以上のバイクを所有してきました。

最初のバイクは高校への通学用に買ったスズキ ハスラー50(TS50)でした。マメタン50と同じエンジンのヤツ。田舎に住んでいたのでナラシ走行から林道ツーリング(笑)。
残念ながらそのハスラーは盗まれてしまって、親父のホンダのロードパル(ゼンマイ始動)で通学し、高校卒業の時に同級生からホンダ MT-5を購入するも兄貴のモノに。

東京の写真専門学校に通いながら中型免許を取得して、ヤマハDT250(空飛ぶサスペンション)を購入。後に浦安の夢の国になる埋立地でモトクロスごっこに明け暮れるもエンジン焼き付き──。
春休みのバイト&ローンでホンダの4ストシングルCB250RS-ZR(CB1100Rカラー)を購入し峠に目覚めたのですが、ステップを擦るのがやっとでした。

その頃に雑誌業界に潜り込り、カワサキ KM90とホンダ XL400R、ヤマハ XS750SPLを経由して、憧れのホンダ XR600R(88年型)を購入。
当時としてはまだ珍しいロードタイヤを履いたスーパーバイカーズ(今で言うモタード)仕様にしたんですが、アメリカのスーパークロス撮影の渡航費を捻出するために泣く泣く売却。

20代はホンダのXE75やCR80、カワサキKX80などでモトクロスを楽しみつつ、同時進行でヤマハ セローやカワサキ エリミネーター250、ヤマハ DT200R、ホンダ CRM80に乗っていましたね。

30代になると生涯最大排気量のヤマハ TDM850初期型に乗り、その後はホンダのXR650LとXR200R(1982年型)、XR600R(1985年型)とXRコレクションを開始。
40代になるとXR100Rで4ストミニモトクロスに熱中しつつ、同時にXRを4台所有していた事もありました(笑)。
その後、所有バイクを整理して街乗りはホンダ XR250(倒立)だったんですが、昨年(2020年)、ホンダ CB250RSZが我が家に来た。

ホンダ4ストシングルはXE75からXR650Lまで9台。
そしてGB350が10台目のホンダ4ストシングルです。こだわりがあって選んでいるわけじゃなくて、なぜかホンダのシングルが多い感じです。

折角なのでホンダ製シングルエンジンの歴史を振り返ってみる

突然ですが、ここでホンダのシングルエンジンの歴史を振り返りましょう。

ホンダは1940年代に創業していますが、4ストエンジンは1951年のドリームE(146cc)から。その後、パワー重視の風潮もありモデルチェンジと共に1955年のドリームSBでは344ccまで排気量を拡大します。

251cc以上の空冷4ストビッグシングルエンジンの世代を、大雑把に整理すると、そのドリームSBのエンジンが初代だと思われます。

1955年に登場したホンダ ドリームSB。エンジンは344ccのOHC単気筒で、ボア・ストロークは76mm×76mm。最高出力14.5馬力、最高時速110kmの性能を発揮したと言われます。

次が1974年に輸出モデルで登場したXL350。国内で発売のSL250Sと同系統と思われる2バルブのシングルエンジンです。正直言ってこの辺りまでの資料が乏しく、もしかすると間に別系統のエンジンがあるかも。

1974年に輸出向け車両として登場したホンダ XL350。エンジンは348ccのOHC単気筒で、ボア・ストロークは74mm×71mm。

3世代目が1979年のXL500SやFT400/FT500に搭載された4バルブのエンジン。

1982年に登場したホンダ FT400(輸出向けはFT500)。エンジンは398ccのOHC単気筒で、ボア・ストロークは89mm×64mm、最高出力は27馬力。

4世代目がRFVC(放射状4バルブ方式燃焼室)を採用したエンジン。これは国内向けでは1984年のGB400TT/GB500TTが初登場ですが、ルーツは1982年のXR500R。
1995年に発売されたXR400Rは排気量も違う新作でしたが、この系統から発生したエンジンですね。
その後は、CL400、CB400SS、XR400モタードに使われましたが、CB400SSとXR400モタードが2008年に生産終了──。

GB400TT ホンダ
1985年に登場したホンダ GB400ツーリストトロフィー。エンジンは399ccのOHC単気筒で、ボア・ストロークは84mm×72mm、最高出力は34馬力。
2005年に登場したホンダ XR400モタード。エンジンは397ccのOHC単気筒で、ボア・ストロークは85mm×70mmで、最高出力は30馬力。

で、2020年、インド向けに登場したハイネスCB350(GB350のベース車)はホンダが久しぶりに新作した空冷ビッグシングルとなりました。
70年以上のホンダの歴史の中でシングルエンジン搭載車は数知れずですが、「新作」という意味では30年以上ぶり。
GB350の空冷シングルエンジンはかなりイレギュラーな存在のかが分かると思います。

ハイネスCB350 ホンダ
2020年秋にインドで発表されたハイネスCB350。エンジンは排気量348ccのOHC単気筒で、ボア・ストロークは70.0mm×90.5mm。

私はカメラマンですから、調べられるのはこの辺が限界。
本当に正しいのか自信もないし、勉強したいので詳しくご存知の方がいらっしゃいましたら解説をお願いします。

「据置クレジット」の支払いは始まったが……

ところで、コラムの更新が遅れていることで皆さんも予想がついているでしょうが、4月下旬に注文した私のGB350は未だ納車されてません(涙)。

進展状況を報告しますと、6月25日にドリーム店からショートメールで連絡がありました。
iPhoneの待受画面に表示された「納車のお知らせ──」というヘッドラインを見て「キターッ!」と興奮しましたが、内容的には「7月の納車はなしで、早ければ8月目安」という連絡でした。
「8月目安、承知しました。よろしくお願いします」
と返信を送りましたが「このメールには返信できません」と不達の連絡が届きました。寂しい……。

そして予約注文して3ヵ月が経った7月23日にドリーム店からの2度目のショートメール。
「まさか8月も納車なしか」と恐る恐るメールを開くと……。
「8月納車目安です」
「キターーーーーーッ!」
まだ目安ですが、8月納車が現実的視野に入りました。

自分にとっては「バイクを購入する」という事は「お気に入りのバイクが自分の家にやって来る」だけではありません。「バイクライフの始まり」です。

買ったのはバイクそのものなんですが、期待してるのはバイクライフという時間です。
バイクライフは乗る時間だけではありません。
今、私は「早く来ないかな」とか「ウエアは何が似合うかな」とか、慣らしツーリングの計画を立ててワクワクしてます。
このワクワク時間中も楽しいバイクライフです。

据え置きクレジットの支払いも始まっていますし、私のバイクライフはすでにスタートしています。新車を購入するので「バイクショップとのお付き合いも始まる」とワクワクしていました。

納車が遅れていることはコロナ禍なども含めて仕方がないことだと思います。
しかし3ヵ月で連絡(お店と客のコミニケーション)がメール2本では、率直に言って「自分の予約は大丈夫かな?」と不安になりました。
ちなみに同時期に同じ店で予約した知人も同じ様な状況で不安に思っています。
私が新車購入で盛り上がりすぎて、期待値を上げすぎたのかも知れません。奥さんからは「今時はそんなもんじゃないの?」と嗜められてます。

CT125・ハンターカブやレブルシリーズなど、GB350より前に発売されている車両も納車待ちが長引いていると聞きますし、お店のスタッフさんはそちらの作業で手一杯でしょう。
無事に8月に納車されているのなら、今しばらくは新車ならではの「納車待ちワクワク」を楽しみたいと思ってます。

新車じゃないけど、実は最近手に入れていたCB250RS-Z

そんなホンダドリームへの不安を書いた後で何ですが、前回のコラムの訂正をさせていただきます。
私のバイク歴などを知りたい読者は居ないとだろうと、大幅にハショッてしまったのです。

シリーズ3回目のタイトルで「8年ぶりのバイク購入」と書きましたが、実際には12年ぶりくらいぶりの購入でした。
その車両は中古のXR250だったのですが、8年くらい前から乗る時間が無くなり、5年くらい前に無料で知人の編集さんに譲ってしまいました。
「自分のバイクに乗るのが8年ぶりくらい」とモーサイ編集部に伝えたのが拡大解釈になってしまったというか……。

コロナ禍の最中にバイクに乗りたい気持ちが盛り上りましたが、XR250は彼の通勤に大活躍しているようなので、今さら返してほしいとも言えず(笑)。

一方、捨てる神あれば、何とやら。
昨年(2020年)末に、別の知人からCB250RS-Zを譲ってもらいました。
その時は「ハイネスCB350も気になるけど、CB250RS-Zは運命的出会いだ」と引き取ってしまった。
CB250RS-Zは私が18歳ごろに乗っていたバイクで(当時乗っていたのは前述の「RS-ZR」)、GB350と同じ様に空冷4スト2バルブのシングルエンジンを搭載してます。

これが私のCB250RS-Z。デザイン的には70年代レトロと80年代モダンの過渡期で、そこが私のツボです。
軽量でタタタッと軽快に走ります。学生のバイトでこれが買えたなんて、良い時代でしたねぇ。
エンジンは本文でいうところの第3世代の系統かな?よ〜く観察するとクランクケースがFT500とほぼ同じ!? そのせいでしょうか、腰上が小さく見えます。
この細身の2本出しメガホンマフラーをデザインした方を尊敬します。本当にカッコいい。学生時代に乗っていたRS-ZRはつや消し黒だったけど、今はメッキの方が好きです。

ところが40年前のバイクなので、不具合続出で結局あまり走れず。
譲ってくれた知人がトラブルの度に我が家に来て直してくれましたが、未だに完調には程遠い(自分の整備ミス含む)。
途中で止まっても家まで押して帰れる程度の近所をグルグルするだけ。

支払った代金は知人への手間賃として考えて、「購入」にはカウントしてません(笑)。安かったのでCB250RS-Zに関しては後悔はありませんし、それよりもCB250RS-Zに刺激されて風を切って走る楽しさを思い出し、GB350購入を後押しされた気分もあります。

さて、GB350は3月30日に発表、4月22日に発売というスケジュールだったわけですが、人気の新車を購入するなんて初めての経験。発売日の少し前にお店を訪問して購入相談を始めましたが、今思うとそれでは遅かったのかも。
ハイネスCB350発表時期から訪問して「国内販売されたらよろしくね」と情報収集しておくべきだった!?

ま、そんなこんなで第4回目はおっさんのオタク話が多くなってしまいましたが、次回は納車報告ができる事を祈りつつ、ではでは──。


おまけ「CB250RS-Zの近況」

純正パーツはほぼ無いのでヤフオク等で探すんでが、買ったパーツが壊れていたり、合わない等々の苦労の連続。
自分で整備できれば良いけど、メカの知識もセンスも無いので逆に自分で壊してます。旧車は道楽。私にはハードルが高い。


カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。

https://www.shibaphoto.com/

https://www.instagram.com/shibaphoto/

写真●柴田直行/ホンダ 編集●上野茂岐

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