目次
きっかけはインドの「ハイネスCB350」の情報から
モーサイ読者の皆さん、こんにちは。カメラマンの柴田です。
GB350をホンダドリームにて発売日に注文し、ワクワクしながら待つ日々が続いております。ところが1ヵ月してもお店からは何も連絡がない……。
本当に注文できているのか不安になって、こちらから電話しました。
すると「6月中の納車は難しい」とのお返事。梅雨の時期に慣らしツーリングは辛いので、逆に良かったと無理やりなポジティブシンキング。7月には納車してほしいと祈る。
さて、今回は私がGB350を購入した理由などを書きたいと思います。
皆さんご存知と思いますがGB350はホンダのインド工場で生産される「ハイネスCB350」がベースとなっています。
私も業界カメラマンなのでバイクメディアのはしくれなんですが、ハイネスCB350の存在は皆さんと同じように各メディアさんのネット記事で知りました。最初は「へぇーインド生産でこんなバイクをねぇ」という薄い感想でしたが、記事を読み進めてどんどん興味が湧いてきました。

リアルなクラシックスタイルだけど、GB350は「昔のバイクレプリカ」ではない
ネオクラシック・ネオレトロなどと呼ばれるジャンルのバイクをたくさん撮影してきましたが、「ハイネスCB350」はそれらのバイクとは違い、クラシックバイクそのものと言えるデザイン。皆さんもそうだと思いますが、まずそこに惹かれました。
それでいて空冷2バルブOHCというシンプルエンジンなのに、新しいアイディアと技術が詰め込まれているのも面白い。
燃料供給はもちろんインジェクションですし、トラコン、スリッパークラッチ、さらにABSやLEDライトなど2020年生まれの最新スペックで構成されているのも好ましい。


自分がバイクに興味を持ち始めた頃──70年代終盤っぽいデザインに惹かれたんです。また、丸いヘッドライトなんだけどキャストホイール(ホンダの場合はコムスターでしたね)とか、メッキのちょい上げメガホンマフラーとか、各部分も私のツボにフィット。
そんなこんなでハイネスCB350の情報を収集するうちに「日本で発売されたら、これを買うか」と考え始めました。
インド生産だから価格も期待できるはず。当初はハイネスCB350がそのまま発売になると思っていたので、青白のツートンを購入しようと考えていました。
2021年になりGB350の国内販売が発表され、メディア向けの撮影会や試乗会でGB350の実車を撮影したわけですが……ハイネスCB350とは異なり専用カラーが用意されたGB350は渋い感じの雰囲気に。実車を見ると、フロント19インチの堂々としたその姿に惚れ惚れしました。

クラシックスタイル車の中でも例えばカワサキ Z900RSやヤマハ XSR900はスポーツバイクの車体にクラシック風の外装をフィットさせたもの。
一方、少数派だけどトライアンフ ボンネビルシリーズやカワサキ W800、今回のGB350のように車体作りの段階からクラシックスタイルの再現を重視し設計されたバイクもある(ちなみにヤマハ SR400は70年代からそのまま生き続けた希有なバイク)。

それぞれに良いところがあって、自分もスピードとスタイルのバランスが大事と思っていましたが、今回のバイク選びではスピードの爽快さより、ゆったり走る楽しさを持っていそうなGB350に気持ちがフィットしたんです。
「リアルなクラシックスタイルを」と言うのは簡単だけれども、実際に作るとなると色々と苦労があるようです。
たとえば細くて丸くて格好良いガソリンタンクをセミダブルクレドールフレームに載せると、メインフレーム(背骨の部分)とインジェクション用の燃料ポンプが干渉する。GB350はそれを解消するためにメインフレームの左右への分割点を前方に移動し、タンク後端部分に燃料ポンプの入るスペースを確保している──なんて話をエンジニアの方から聞いたら「もうGB350を買います」って気持ちになりました。

だってもうGB350みたいなスタイルのバイクは発売されないかも。
いやいや、逆にGB350が世界的に大ヒットして「GB500」や「2気筒」とか開発されて、ゆったり系バイクが中心に売れる世の中になるかも。
──まあ妄想はここまでにして話を戻します。そんなこんなでGB350は車格による本物感があります。「本物感」という表現は微妙ですが、たとえばホイールベースはあの名車CB750フォアとほぼ同じ。
そして本物感があるけど「普通な感じ」もあり、無理に古っぽく演出し過ぎていないところも好きです。嗜好はあるけどこだわり過ぎず。オシャレっぽく乗れるし、気軽な足がわりとしても乗れる感じ。

ハイネスCB350はインドの国民車であるロイヤルエンフィールドをターゲットにしたとホンダの製作チームも言っておりました。インドのライダーの皆さんは超保守的で、デザイン的にも正しいクラシックスタイルだけを好むとマーケティングで分かっていたそうです。
インドと日本での予定販売台数を比べれば、ほぼインドのライダー達の好みに合わせて作ったはずなのに、日本でも大好評なのは面白い。とにかくインドの皆さんのおかげで、自分好みの良きバイクが発売されて本当に感謝してます。


私はカメラマンなので貧しい筆力では気持ちを伝えるのが難しいから、むしろ写真で示した方が良いかも(笑)。実車を見た方も増えていると思いますが、GB350を見てどんな風に感じたか、あなたのSNSから発信して下さい。
あ、そうそうデイトナから大きな荷物も積めるキャリヤが発売になりました。これならカメラバックも大丈夫そう。まさかGB350同様、バックオーダーにならないといいけど。バイクよりも先にキャリヤを買ちゃおうか?
ああ、それにしても納車が待ち遠しい。それではまた。

カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。
https://www.instagram.com/shibaphoto/
写真●柴田直行/デイトナ 編集●上野茂岐