ツーリング

【おすすめ一泊旅】悠々と駆け巡る房総半島横断ツアー その1

少年時代を思い出す冒険の道

千葉の道路は狭くて混む。それに首都圏だから旅情を感じにくい……。房総半島はそんなふうに言われるが、アクアラインや圏央道、館山道が開通して、内房へも外房へもアクセスが容易になった。不評の一因であった〝狭い道〟はまだ至るところに残っているが、それはそれで趣深い。「灯台下暗しですよ。近くて遠い房総半島の魅力をもっと知りましょうよ」と石井が言うと、「確かにそうだな。近いから日帰りしたくなるが、ここはじっくりと一泊して房総を巡ってみるか」と生田が応じる。それを横で聞いていた小川が「そんな楽しそうなツーリング、二人だけで行くなんてズルいじゃないですか!」と便乗してきて、中年男の房総一泊三人旅が始まった。

●未知なる房総を発見すべく旅だったのは本誌の非若手スタッフ3人組(右から生田、石井、小川)。なお、このタイトル写真、鹿野山九十九谷からの絶景には一同息を飲んだ

編集部を出発したら首都高を乗り継いで東京湾アクアラインへ。長いトンネルは空気が悪いし気分も滅入るけれど、海上を渡る長く爽快な橋が待っていると思えば苦にならない。空はやや曇っていても、東京湾をバイクで越えるのは気分最高!

高い山こそないものの、房総半島は山々が連なる丘陵地帯で、山間を縫って走る国道・県道には飽きずに走れるワインディングも多い。主要道路の混雑によるネガティブイメージが強いだけで、うまくルートを取れば房総はワインディング天国だ。その一つが県道93号。鹿野山九十九谷で房総連山のパノラマを楽しんでから、どこまでも続くようなコーナーを楽しみつつ東へ向かい、房総スカイライン(県道92号)を経由して、濃溝の滝、養老渓谷へ。小湊鉄道の小さな踏切を渡って駅にバイクを止め、足湯につかって小休止。

東走を再開すれば、山間の狭い平地に敷き詰められた田んぼ。房総らしさあふれる古きよき里山の風景に、子どものころ毎週楽しみだった「まんが日本昔ばなし」を思い出し……じわじわと童心がよみがえってきた。夏休み。お泊まり旅行。知らない世界が待っていた田舎の里山ー。

「冒険しましょうよ!」

小川の声が二人のインカムに響く。目指したのは御宿。海岸の砂浜を裸足で駆け回ったあと、カイザーベルク御宿・月の沙漠でリゾート気分を満喫して、直近の宿で一泊した。

翌日は国道128号でシーサイドラン。ひょいと旧道へ分け入れば、太平洋がすぐ足元まで迫る断崖絶壁が! 道路脇から伸び放題の雑草。ひび割れた路面。果たして道は先に通じているのか……という不安がドキドキとワクワクを呼び起こす。いつしか忘れていた好奇心を刺激され、中年三人男の童心はすっかり復活。

帰路も〝あえて〟金谷港からフェリーに乗って、海の男気分を満喫。旅の終わりの船は興奮して走った疲れをそっと癒やしてくれたのだ。

 

 

(まとめ●山下 剛 photo●小峰秀世)

  1. CL250はセカンドバイクじゃない。この250ccは『メインの1台』になり得るバイクだ!

  2. ダックス125でボディサーフィンを楽しむ。バイクがあれば遊びはもっと楽しくなる。

  3. Rebel 1100〈DCT〉は旧車を乗り継いできたベテランをも満足させてしまうバイクだった

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モーサイ編集部

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