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ホンダとUber Eats Japan(以下、ウーバーイーツ)が、二輪車の安全運転に関する新たな取り組みを始める。
両社は2026年9月1日から、ホンダが開発した「二輪安全運転診断アプリ」を活用した、ウーバーイーツの配達パートナー向け実証実験「Uber Eats 安全運転キャンペーン」を開始する。期間は9月1日から9月28日までの4週間。国内で原付やバイクを使って配達するウーバーイーツの配達パートナーは約12万人に上るが、今回の実証実験では、そのなかから協力を得られた約1500人が対象となる。
実証実験では、配達時の運転をアプリで診断し、その結果を配達パートナー本人にフィードバック。自分自身の運転を客観的に振り返ってもらうことで、安全運転意識の向上を狙っている。


背景にあるのは、ウーバーイーツが掲げる「歩行者やほかのドライバーを含め、すべての道路利用者が安心して生活できる社会を目指す」という考えと、ホンダが目指す「交通事故死者ゼロ」への取り組みだ。
二輪車という共通のフィールドで、安全運転の意識や運転スキルを高めたいという両社の思いが重なったことから、今回の連携につながった。

では、実際にこの「二輪安全運転診断アプリ」を使うと、どんなことが分かるのだろうか。
今回、筆者(ぴの子)が試用版を実際に体験。CB400SFで指定コースを走り、その診断結果を確かめてみた。さらに、ウーバーイーツのアプリを通じて体験できる二輪車向けの安全運転シミュレーションや、四輪向けの“とにかく褒める”運転診断も体験。安全運転を促すための3つのアプローチを実際に試してみた。
スマホでバイクの運転を診断する「二輪安全運転診断アプリ」
今回の取り組みの中心となるのが、ホンダが開発した「二輪安全運転診断アプリ」だ。
スマートフォンを活用し、二輪車の走行中における加速や減速、ステアリングなどの運転行動を分析。そこからライダーの運転傾向を診断する。
二輪車の場合、路面から伝わる振動や車体の動きなど、スマートフォンで走行状態を捉えるにはさまざまな難しさがある。
ホンダでは、二輪車特有の走行データを分析するだけでなく、交通教育センターのインストラクターが持つ安全運転の知見や、開発ライダーによる実走データなども診断ロジックに活用しているという。
とはいえ、気になるのは「実際にどこまでライダーの運転を見抜けるのか?」というところ。そこで筆者も試用版を使って走ってみた。

CB400SFで走ってみたら……「急ブレーキ、バレた!」
今回、筆者(ぴの子)が乗ったのはホンダCB400SF。走行したのは公道ではなく、指定されたコース内だ。せっかく運転診断を受けるのだから、できるだけ丁寧に走ってみる。急なアクセル操作を避け、ブレーキもなるべく滑らかに。コーナーにも余裕を持って進入する。
かなり気をつけて走ったつもりだった。ところが、走行中に一度だけ、少し急になってしまったブレーキ操作があった。
「今のはちょっと急だったかな」
そう思ったものの、ほんの一瞬のことだったので、診断にはそれほど影響しないだろうと考えていた。

そして走行を終え、診断結果を確認すると……。しっかり拾われていた。

「え、そこまで分かるの!?」
というのが率直な感想だ。自分でも「ちょっと急だった」と感じたブレーキ操作が、きちんと診断結果に反映されていたのである。


ウーバーイーツのアプリで「二輪車の安全運転」をシミュレーション
続いて体験したのが、ウーバーイーツのアプリを通じて提供される、シミュレーション型の二輪車安全啓発コンテンツだ。

こちらは実際にバイクを運転するのではなく、画面上でさまざまな交通場面を疑似体験しながら、安全運転について考えるというもの。実際の道路では、危険が目の前に現れてから対処するだけでは間に合わないケースもある。
「この先に何が起きるかもしれないか」を予測し、あらかじめ速度を落としたり、周囲の状況を確認したりすることが重要になる。


このコンテンツでは、そうした危険予測や安全な行動について、シミュレーションを通じて学べるようになっている。実際の運転をデータで診断する二輪安全運転診断アプリとは違い、こちらは「危険を知る」「安全な行動を考える」ためのコンテンツといえる。同じ安全運転をテーマにしていても、アプローチはかなり異なっていた。
四輪向け運転診断は“とにかく褒める”!
最後に体験したのが、四輪車向けの運転診断だ。ただし、今回は筆者が運転したわけではない。筆者は後部座席に乗り、実際の走行中にどのような診断が行われるのかを体験した。

そして、ここで印象に残ったのが、その評価方法だ。とにかく褒める。
運転診断というと、「急ブレーキがありました」「速度が出すぎています」といった具合に、悪い部分を指摘されるものを想像しがちだ。
ところが、この診断では安全にできている操作や良い運転行動を見つけ、それをポジティブに評価してくれる。「ここが良かった」と言われると、運転している側としては、次も同じように丁寧に走ろうという気持ちになる。
筆者は後部座席からの体験だったが、「危ないからやめましょう」と注意するだけではなく、「できているから、そのまま続けましょう」と伝える方法は、確かに新鮮だった。
中には「急ブレーキ多発地点です。何か理由があるのかもしれません」といった、ドライバーに考えさせる発言も。さらに、運転の最後に「ほうれん草のシュウ酸は結石の原因となりますが、ゴマと一緒に食べるとビタミンEがそのリスクを抑えてくれます」など、運転とは全く関係のないことを発話するシーンもあった。(これにはクスリと笑ってしまった)
安全運転を習慣として定着させるには、こうした“ラジオ感覚で聴ける”アプローチも有効なのかもしれない。
「危険を知る」「クセを知る」「褒める」――3つの安全運転
今回体験した3つの取り組みは、すべて安全運転を目的としている。
ただし、それぞれアプローチが異なる。
二輪安全運転診断アプリは、実際の走行データを分析して、自分の運転傾向を客観的に知るもの。ウーバーイーツのシミュレーション型コンテンツは、交通場面を疑似体験しながら、危険を予測して安全な行動を考えるもの。
そして四輪向けの運転診断は、安全にできている部分を積極的に褒めることで、良い運転を続けるモチベーションにつなげるものだ。安全運転というと、「危ない運転をしないように注意する」という発想になりがちだ。
しかし今回の体験を通して、自分の運転をデータで振り返る、危険を事前に知る、良い運転を褒めてもらうというように、いくつもの方法があることが分かった。
なかでも二輪ライダーとして印象に残ったのは、CB400SFで体験した二輪安全運転診断アプリだ。

「自分では安全に走っているつもり」という感覚と、実際の運転データには、もしかすると少しズレがあるのかもしれない。
今回の実証実験を通じて、この仕組みが実際の配達パートナーの運転行動にどんな変化をもたらすのか。二輪ユーザーとしても、その結果が気になるところだ。
まとめ●ぴの子

































