比叡山麓を走る比叡山ドライブウェイで2019年5年26(日)に行われた「NIKEN/GT EXCLUSIVE 試乗会&オーナーズミーティング」。
その会場となった山頂駐車場には6名のオーナーが集合した。
また試乗会には200人以上の中から抽選で選ばれた120人が参加。
コースは同地を発着点に、琵琶湖を一望する夢見が丘駐車場を往復する11.2㎞だ。
会場を出るとすぐに急勾配のタイトコーナーが続き、本線は適度なアップダウンの中速コーナーがメイン。
いずれも路面は良好で、ナイケンの運動性と安定性を確認するにはうってつけの試乗コースであった。
オーナーに聞いた「NIKENってどんな感じ?」
山道をより安全に、速く走れます!
加納史仁さん(38歳) 愛知県
「トリシティが出たときに面白そうだなと思ったんですが、今度は普通のスポーツバイクが出るということで、試乗した上でFZ1から買い換えました」という加納さんのバイク歴は18年、CBR400RR、CBR900RR、CBR954RRなどスーパースポーツを長く乗ってきた。
今回ナイケンを選択したのはFZ1での事故の経験もあるという。
「ABS非装備だったこともあり、山の中のT字路で脇から出てきたトラックを回避できずに突っ込んで骨折してしまったんです。でもナイケンなら、コーナリング中でもフロントブレーキを普通に使えますから。あとはまあ、勢いで買いました(笑)」。
休日の峠走りがメインの用途だ。
「ちょっとくらい落ち葉があろうが、苔むしていようが平気です。知り合いには同じ値段でYZF-R6が買えるじゃんと言われましたが、一般道ならこっちの方が速くて安全。最近のスーパースポーツはパワーがありすぎて、気を付けないとどこかに飛んでいきそう……」。
加納さんの身長は169㎝なので「両足を降ろすと、つま先しか接地しませんが、割り切れば許容できます。車体は当然重いのですが、走ってる分には気になりませんよ。それからクルーズコントロールがとても便利ですね。クルマの後ろに付いて走らざるを得ない時にも活用しています」。
●左右のレバーを保護するハンドルバーガード、転倒時に傷つきやすいアクスル部を保護するプロテクターはワイズギアが取り扱う純正オプション。低速トルク不足を解消すべく、MT-09用のサブコンも装着してみた。「明らかにトルクが厚くなり、さらに乗りやすくなりましたよ」と満足している。
ドゥカティから乗り換えて大満足!
噂江(うずえ)貴雄さん(38歳) 兵庫県
バイク歴は20年ほど。
噂江さんはこれまで400SS、ST4、ハイパーストラーダとドゥカティひと筋だったのだが、ナイケンにスイッチした理由はズバリ「見た目です」。
海外で発表されて興味を持ち、国内発表前に購入を決めたというから驚く。車両は1月に納車され、走行距離は2300㎞ほどだ(5月末時点)。
「実際に乗ってみると、違和感を抱くかと思っていたらとても乗りやすく、前に2輪がある気はしないほど。ゴールデンウイークには長野のビーナスラインまで足を延ばしましたが、ちょうど雨に降られてしまい……でも安心感が普通のバイクとはやはり違いましたね。これだけ大きいけど怖さは感じません。ほかの側面では普通のバイクとほとんど変わらないので普通に乗れますよ」。
ドゥカティからの乗り換えで気になるのはやはり重さのようだ。
「自宅車庫前に折り畳みスロープがあるんですが、そこで一度ヒヤリとしたことがあります。なんとかこらえましたけど。重いのは気になりますが、でもUターンはドゥカティよりやりやすいですよ」。
主な用途はキャンプを含むツーリングで、GIVIのパニアケースも汎用ステーにひと工夫して取り付けている。
またローダウンキットやフォグランプも追加するなど使い勝手を高めている。
●GIVIパニアケースは汎用ステーで車体に取り付けた上で、左右を市販金具で連結して固定。これにシートバッグを取り付けキャンプツーリングにも出かける。フォグランプはプロトの汎用品、それを固定するガードバーはSWモーテック製。ハンドル周りにはアクションカメラやナビを装着している。
運転が上手くなったと思うほど扱いやすい
谷 徳男さん(38歳) 滋賀県
SR500との2台持ちという。
「トラディショナルバイクに乗る知り合いに刺激を受けた結果なんですが、新技術にも興味がありまして、こちらは試乗しないで決めてしまいました(笑)」。
ナイケンは乗ると安定感のカタマリらしい。
「まだ今回が2度目のワインディングですが、『あれ、ちょっとうまくなったんじゃないかな?』と思うほどです。以前はフラついたり、オーバースピードで入ったりして慌てることもあったんですが、ナイケンだと旋回中にブレーキを掛けてもヒヤリとしないですから。マシンコンセプト通りで、バイクにリターンしてワインディングを楽しく走りたいという人にはピッタリだと思いますよ。走り出してしまえば三輪に乗っているということは忘れてしまうほどですし、Uターンも普通のバイクより安定して行えますから」と大いに気に入っている。
ただ立ちごけは一度経験している。
「ペタンと寝てしまい起こすのが大変だったで、サクタスポーツのバンパー(SSB)+スライダーを取り付けています」。
現在はなかなか時間が作れないのが悩みだが、数年以内に北海道ツーリングも実現したいと考えている。
紀伊半島を縦横無尽に走っています
T.Yさん(35歳) 奈良県
バイク歴は14年。
GSX-R1000やZX-14Rといったモデルを乗り継いできたが、直前の愛車はKTM 1190アドベンチャーということもあって主に紀伊半島でキャンプツーリングを楽しんでいる。
19年2月に納車後は3カ月余りで4000㎞以上を走ったというからハイペースだ。
「思ったより重さを感じません。Uターンも楽ですし、走り出せば軽いんです。シートが高いという声もあるようですが、1190アドベンチャーと変わりませんよ」とナイケンの短所は特に感じていない。
「紀伊半島の海岸線は塩や砂が浮いていたりしますが、そんな道も安心して走れます。ただ調子に乗って走ると、例えば下りの右コーナーではステップが接地することもありました。燃費は16~18㎞/ℓくらいなので特に気になりませんが、純正タイヤが4000㎞でスリップサインが出てきてしまい意外と持たない印象です。安心感があるのでアクセルを開けやすいためですかね?」と、かなり攻めの走りも楽しんでいる様子。
現在はほぼノーマルのまま乗っているが「ハイスクリーンやハンドル&エンジンガード、そしてフォグランプを追加したいと思っています」という。
安心感はトレーサーより優れています
早川一真さん(43歳) 愛知県
免許歴はまだ5年と遅咲きの早川さんは、その間にMT-03、トレーサー900と乗り継いできた。
ナイケンは試乗したところ乗りやすかったこと、デザインが好みだったことから18年の10月に予約し、2月に納車された。
「バイク歴が浅いので断言はできませんが、走っているときはコーナリングを含めてトレーサーより安心感が高いですね。曲がりにくさも感じません。とにかく安定しています。もちろん止まると重いし足着きが良くないので怖いときもあります。立ちゴケは、駐車場でバランスを崩して1回だけあります。グラッときたら重いので支えるのが難しいかもしれません。昨日は伊吹山ドライブウェイを走りましたが、まだ慣れてないせいもあって少し怖かったかな。切り返しも、トレーサーに比べれば重さを感じますが、でも安定して曲がれるのが気に入っています」。
パニアケースのステーは以前購入したトレーサー用を流用し、左右を連結するバーは、幅の広いナイケンに合わせ不足分を市販金具を使って延長している。
ほかには電源の追加、左右ハンドルレバーの変更、純正オプションのハイスクリーンも装着している。
→次ページ:試乗会で初NIKEN!「意外に乗りやすい?」
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