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ホンダ ホーク11「1100cc並列2気筒のカフェレーサー」モーターサイクルショーで世界初公開

ホーク11 ホークイレブン ホンダ

CRF1100Lアフリカツインのエンジンとフレームを活用したロードスポーツ車

「市販予定車」として大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたホーク11(ホークイレブン)は、「経験豊かな日本のベテランライダーのバイクライフを、より充実したものにするための提案」というコンセプトが与えられたロードスポーツモデルだ。
その外観からも分かるように、60〜70年代のカフェレーサーのような、あるいはロードスター(そもそもは屋根のない2シーターのコンバーチブルを指す名称だが、総じてシンプルでスポーティーな二輪もそう呼ぶ)とでも呼ぶべきモデルに仕上げられている。

以前から「アフリカツインのエンジンを使ったロードモデルがある」と噂されていたが、それはスポーツツアラー・NT1100のことだと思っていたら、もう一台、こんな隠し球があったのだ。現状、詳細な情報は一切ないので、外観だけで判断すればエンジンとフレーム──いわゆるプラットフォームはCRF1100Lアフリカツインだ。

恐らくはこれをロードスポーツにアレンジしているはずだから、エンジンの出力特性や車体ディメンションは独自の設定となっている可能性が高いと思われる。
NT1100でもうまくロードツアラーに味付けされているので、このホーク11でも何かしらの変更は加えられていることだろう。通常のマニュアルトランスミッションであるのに加え、シンプルな構成というところで、車重はNT1100より軽い230kgくらいか。

メインフレームはCRF1100LアフリカツインおよびNT1100が採用するスチール製のダブルクレードルフレームとほぼ同様に見える。
一方、スイングアームはNT1100用に新開発されたものに似た形状となっている。

フロントはレトロなカフェレーサー風だが、リヤ周りはモダンなデザイン

興味をそそられるのはスタイリングデザインだ。
レトロなイメージをそこはかと感じさせるロケットカウル状のハーフカウルを装備し、これに低く構えたセパレートのクリップオンハンドル、ハンドルの下に申し訳程度に添えられたバックミラーを採用。ホンダにしてはずいぶん思い切った方向に振った外観は、なかなかスタイリッシュではある。

また、リヤは短く切り詰められショートデッキ化されており、一層スタイリッシュな感覚を与えてくれる。
一見すると、かなり前後に長く見えるだろうが、おそらくこれはリヤを短くしたことによる視覚的なもので、CRF1100LアフリカツインやNT1100と同等のホイールベース(1500mm台半ば)ではないだろうかと推察する。

個性的に思えるのは、車体の中央付近を境にして前後の造形の感覚が違うことだろう。前半分はレトロチック、後ろ半分はモダンに見えるのは筆者だけだろうか。また、この辺りの造形やカラーリングもちょっと複雑になっていて、どういうコンセプトなのか機会があれば聞いてみたいところだ。
また、メタリックブルーと思われる塗色は、なかなか深みがあって美しい。

これまで、CRF1100Lアフリカツインから派生した1100ccの並列2気筒エンジンは、クルーザーのレブル1100、スポーツツアラーのNT1100と使われてきたが、基本的に十分なパワーを持ち扱いやすいエンジンである。
そこから、低く構えたハンドルとセミカウル、ちょっとお洒落なスタイリングで、軽快に走るでだろうホーク11の姿を想像すると、早く乗ってみたいと思わせるのである。

なお、今回披露された車両のように、実際の発売時にもMT仕様をラインアップしてほしいところだ。何しろカフェレーサーを気取って走るなら、シンプルな構造のMTの方が似合うような気がするからだ。

エンジン外観はCRF1100Lアフリカツインや、レブル1100、NT1100に搭載される1100cc並列2気筒そのもの。オンロードツアラーのNT1100が102馬力なので、出力もそれに近いのではないだろうか。
フロントフォークはNT1100でも採用されているショーワのSFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビッグ・ピストン)。
展示車のタイヤはダンロップ・スポーツマックスGPR-300。NT1100の純正タイヤと銘柄・サイズとも同様で、タイヤサイズはフロント120/70ZR17、リヤ180/55ZR17。
リヤサスペンションはリンク式モノショックで、ダイヤル式のプリロードアジャスターを備えている。
一見「バーエンドミラー風」ではあるが、ミラーはカウルステーに装着されている。

ホンダ ホーク11の足着き&ライディングポジション

身長170cm・体重59kgのライダーがまたがってみると、足着きは両足ではつま先が接地する程度。片足停車でもカカトがわずかに浮く。
低く構えたハンドルに手を伸ばすと相応に上体は前傾するが、ステップ位置は若干後退しているもののバックステップというほどではなく、苦しいライディングポジションではない。

ミラーはグリップを握る手の向こうにあり、手首の下から見るような形になる。鏡面はやや小さい印象だが「意外にちゃんと見える」。なお、市販版でもほぼこのままの形になるという。

FRP製のフロントカウルは分割していない一体成型。
メーターはシンプルな丸型液晶。SFF-BPのフロントフォークは、トップキャップ左にプリロードアジャスターがある。
「SPORT」という表示、P=パワー、T=トルクコントロール、EB=エンジンブレーキのパラメーターがあり、CRF1100Lアフリカツイン、レブル1100、NT1100と同様、ライディングモードや各種電子制御の切り替え機能を備えていると思われる。
後席を短くしたシートはストリートファイター系ネイキッドのよう。前席はフラットな座面だが、足着き性に配慮したのだろう、サイドは角を落とした形状となっている。
リヤのウインカー付け根には荷掛けフックが。スタイリッシュなデザインに仕上げつつ、実用性も忘れないのはホンダ車らしいポイントだ。

レポート●関谷守正/上野茂岐(キャプション) 写真●佐藤正巳/ホンダ 編集●上野茂岐

2022年3月20日追記:バックミラーの説明を補足しました。

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