自作「アルコールストーブ」を作る手順
紙やすりでアルミ缶の塗装を剥がす
まずは紙やすりで缶の塗装をはがす。缶の塗装は着火すると燃えるので残したまま作ってもいいのだが、汚く残ったり有害なガスが出たりするので、できるだけ最初に磨き、剥がしておきたい。コツはできるだけ飲料が入った状態で磨くこと。中身がないと凹んでやりにくいのだ。
切断する箇所をマーキングする
缶の塗装をキレイにはがせたら、次にアルミ缶を下から50mmの位置で切断する工程に入る。
中身が入ったまま缶の塗装を剥がした場合には、切断する工程に入る前に中身を出しておこう。切断する前に、まずはマーキングをしよう。このときに幅50mmのガムテープを使うと、マーキング作業がやりやすい。
マーキングのやり方は、まずカッターの刃を長めに出し、ガムテープの上にぴちっと固定する。次に横に缶を置き、カッターの刃が当たっているのを確認したら、ゆっくりと缶を回していく。ぐるりと1周させると切りたい場所に跡がつく。
底から50mmの位置でアルミ缶を切断する
缶にカッターの刃を当ててゆっくりと何周かさせると、徐々に刃が食い込んで缶がだんだんと切れてくる。 その状態になったら、今度は缶を横に倒して、切れ込みにゆっくりと刃を入れる。 すると、パカ、パカと缶が切断されていく。ここで強く刃を押してしまうと、缶がつぶれてしまうので注意。 つぶれないように、優しく刃を入れるのがコツだ。1 周ぐるりと切れば、キレイに真っ二つにできる。
アルミ缶の上ブタ部分をカットしてバリをとる
缶を上下に切ったら、今度は上部の飲み口部分を外す。
缶切りがあれば一番簡単でキレイにできるが、今回はハサミで切った。 細かく分けて切り取っていったので、鋭利なバリがいくつも生まれ、非常に危ない状態だ。
このバリをハサミで可能な限り切り取ったら、今度は金工やすりでガリガリと大まかに縁を削っていく。ちなみに標準的なアルミ缶の厚さは0.1mmと非常に薄い。金工やすりで削れば、みるみるきれいになっていくのが楽しい。
金工やすりでバリを削ったら、紙やすりで縁をならす。縁は非常に鋭利なので指先を切らないようにご注意を。
一番目の荒い紙やすりの80番で全体の凹凸をならしたら、240番で広範囲を滑らかにしておけばOK。より光らせたい場合は最も目も細かい400番で磨く。
余分な部分をカットする
飲み口部分を切り取り終わったら、切り離した缶の上部側の不要部を切り取る作業だ。
下から50mmの位置で切った本体下部は、最下端が7mmほど底に向かってすぼまっている。つまりボディの部分は43mmということになる。
そこで、上部もボディ部が43mmになるように不要な部分をカットしていく。
まずはマジックでマーキングして、ハサミで切っていく。後の作業で、この2つのパーツを重ねるわけだが、その時にボディ部がきっちり二重になるように作りたいのだ。
アルミ缶の側面に凹凸をつけて副室を作る
この自作アルコールストーブの肝である「副室」(アルコールを気化させるための隙間)を作っていく。
難しそうに聞こえるかもしれないが、本体上部の側面をやっとこやプライヤーで曲げていくだけのこと。
1周ぐるっと曲げていくとくぼみができる。そのくぼみが副室となるわけ。
やっとこやプライヤーを捻るようにして凹凸を作っていくのだが、本体下部の方はなかなか跡が付きにくい。そこで、2本の指をボディの内側に入れて、上から定規などを当ててぐっと押し込むと、凹凸がうまくできるのだ。
プライヤーと指と定規で副室を作っていくと、最終的に花のような形状の凹凸ができる。この凹凸加減が、実際に火をつけたときの燃焼効率を大きく左右してくるので、できるだけメリハリのある凹凸を作ってきたい。
圧力を抜く穴をあけ、上下パーツを合体させる
次に、圧力を逃がす穴を上部に開ける。このアルコールストーブは、ゴトクを使わず本体に直接クッカーを置くので、穴がないと圧力が逃げずに爆発する恐れがある。左右2ヵ所に5mmほどの穴を開けておく。
いよいよ最終工程。副室を作った上部と下部を合体させる。本来なら上下のボディは同じ径なので重ならないが、しっかりと副室の凸凹を作っておけば、サクッと入るはず。
注意したいのは、 上下をはめた後に上から中をのぞいて、副室が内側に折り曲がっていないかどうか。副室の全周が外側の側面に馴染んでいればオーケーだが、不規則に内側に出ている場合は、指で補正してあげるといい。これで完成。