バイクライフ

白バイ隊員は、ココを見ている!【元白バイ隊員が語る】違反の匂いが漂うライダーの雰囲気、走りとは?

白バイ隊員はライダーをめちゃくちゃ見てますよ!

白バイ隊員は、ライダーの服装、ライディングフォームなど、細かく見ている!

今回は、白バイ隊員が仕事でバイクに乗っている時、道路を走っているライダーのどこを見ているのか? 現役白バイ隊員時代に見ていたポイントについてお伝えしたいと思います。

車やバイクを運転していて、後ろにパトカーや白バイが来たら、少しドキドキしませんか? 私は現役警察官の時代、プライベートでマイカーの後ろをパトカーや白バイにつかれたら、ものすごく嫌な気分でした。というのも、警察官は前方にいる車やバイクをよく見ていることを知っているからです。

警察官が所属する課や扱っている業務により、見ているポイントは色々と異なるのですが、交通課や交通機動隊の警察官は、前の車が何か交通違反をしていないか等、車の外観や乗っている人の様子を細かく見ています。また、交番のお巡りさんや刑事さんは、盗難手配のかけられた車ではないか、乗っている人の顔などにも目を光らせています。

私も警察官時代、休日にマイカーを運転していた時、信号待ちで隣に並んだ警察車両に乗っている刑事さんから、物すごい鋭い目つきで見られたことがあります。ただ単に私が怪しかっただけかもしれませんが、刑事さんのあまりの形相にビックリしてしまいました。

そして、交通機動隊の警察官は、整備不良などの違反については敏感に反応します。それに加えて白バイ隊員は、ライダーであるあなたの格好や乗車姿勢まで見ています。

白バイ隊員のほうも、周りの車やバイクを警戒している

車を運転している時やバイクでツーリング中に、白バイ隊員が走っていると警戒してしまった経験はありませんか? 私は白バイ隊員時代に、車の運転手やライダーから「後ろを走られたら嫌だ」「出来れば会いたくない」「なんでこんなとこにいるの?」など、よく言われました。

しかし、白バイ隊員も皆さん同様に周囲の車やバイクには警戒していました。なぜなら、後ろをずっと付いてくる車やバイクがいたり、スマホカメラを向けられたりということが、度々あるからです。好意を持って接していただける方がほとんどでしたが、中には警察官を恨んでいる方や警察嫌いの方がいるのも知っているからです。

白バイ隊員自身も、世間から嫌われる職業であることは重々承知しているので、白バイを運転していた時は、運転の仕方などに気を配っていました。時には警察車両マニアなど、白バイの写真を撮りたいがために、声を掛けるタイミングをうかがっている方もいました。

白バイ隊員はライダーのココを見ている!〜見ているポイント5つ〜

バイクで走っている時に、白バイを見かけると気になってしまうように、白バイ隊員も道路を走っているライダーのことが気になります。

もちろん何か違反をしているのではないか、もしくは白バイの存在に気付かず、これから違反をするのではないか、という視点で見ていました。実際に真後ろに白バイがいても気づかずに、速度違反やイエローカットする車やバイクがいました。

また、乗っているバイクや服装についても気になって見ていました。ヤンチャな走りをしそうなバイクや服装だと、なおさら注意深く見てしまいますし、乗車姿勢などについても見ていました。

特に乗車姿勢については、公道でバイクを過度に寝かし過ぎたり、転倒の恐れがある危険なフォームでバイクを運転しているライダーが多かったのも事実です。

私が白バイ隊員時代に実際に見ていたライダーのポイントは下記の5つでした。そして以下の5つを見ると、だいたいどんなライダーか判断することができるからです。

大型バイクのライダーは、グローブ、ジャケットから足元まで、きっちりと装備している傾向

(1)乗車時の服装

プロテクター入りのバイクウェアなどを装備しているライダーの多くは、マナーを守った運転を心掛けている印象がありました。しかし、半袖や短パン、サンダルのような身体を危険にさらすラフな格好な方ほど、運転が荒かったりマナーを守らないライダーが多かったように思います。
また逆に、峠道などでのスーパースポーツ車で装備充実、皮ツナギのやる気マンマンなライダーについては、ある意味、一番警戒していたかもしれません。

革ツナギでやる気まんまんのライダーは逆に要注意!? ※写真のライダーは本文とは関係ありません

(2)乗車姿勢

乗車姿勢については、身体に力が入っていなくて(上半身)、ニーグリップをきちんとしているかを見ていました。バイクをきちんと操作されている方は、ニーグリップをしており(ガニ股で運転していない)、身体(上半身)に力が入っていない状態で運転しています。

中央車線を走るライダー、ニーグリップはやや甘め?

(3) カーブの曲がり方や進路変更の仕方

カーブを曲がる際、リーンウィズまたはリーンインもしくはリーンアウトなのか、必要以上にバイクを倒していないか、急ブレーキをしていないか、急な進路変更や無理やりバイクを寝かしていないかなどを見ていました。

渋滞の狭間を進むライダー。その走りは、グレーゾーン!?

(4)ニーグリップやクラッチの使い方

信号発進や交差点右左折時のフラつきは、低速が苦手なライダーやバイクに乗り慣れていない初心者の方に多い動きでした。フラつきの有無により、ニーグリップをきちんとしているのか、繊細なクラッチ操作が出来ているのかを見ていました。
繊細なクラッチワークが出来ていないと、バイクの挙動がガクついたり、発進時にギクシャクしてしまいます。また、ニーグリップをしていなかったり、肩や腕に力が入っているために真っ直ぐ走っていても左右にフラついているライダーもいました。

(5)信号待ち、発進などでの仕草

信号待ちの際、両足をついていたり、停止状態から発進するまでフラフラとしていないか、などを見ていました。また、発進時に左右確認や目視、ミラーにより後方確認をしているライダーを見ると、心の中で「このライダー、ちゃんとやってるな」と思っていました。

しっかりしたニーグリップとリラックスした上半身の姿勢が、不安のない雰囲気を感じさせる

ここまで、「白バイ隊員はライダーのここを見ている」という内容で書いてきましたが、実はこの内容、私が白バイ隊員時代に新隊員などの部下を持った時に、実際に見ていた大まかなポイントとなっています(細かく言えばもっと沢山あるのですが)。
※ 乗車時の服装については、身だしなみのことと捉えて下さい。

私も含め、ベテランライダーほど免許を取得する時に学んだバイクの運転に関する基本的な内容を忘れがちです。この記事を通じて、少しでもバイク運転時の癖や乗車姿勢の見直しに繋げていただけたら幸いです。

文●睦良田 俊彦

著者プロフィール

睦良田 俊彦(むらた・としひこ)1986年北海道生まれ
趣味:クルマ、バイク

歯科技工士を経て警察官となり、約15年間勤務(白バイ隊員歴約10年)。
警察学校卒業後は約3年半の交番勤務を経て交通部門へ。白バイ警察官として第一線で交通取締りをメインに活動し、ライダーのための安全講習、交通安全啓発イベント、マラソン大会先導、大統領車列先導など、様々な経験を重ねてきた。
県警主催白バイ大会での優勝経験もあり、白バイ新隊員の育成などにも携わった後、巡査部長の階級で依願退職。現在は退職後の夢でもあったライディングレッスンなど、ライダーのためになる活動が出来る場を作るべくYouTuber「臨時駐車場チャンネル」として活動。バイクイベント等に積極的に参加し、出身の北海道で開催のライディングレッスンで講師も務めている。

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