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ホンダ CT125・ハンターカブってどんなバイク?
普段からバイクでキャンプに出かけることの多い筆者が、今回旅の相棒に選んだのはホンダ CT125・ハンターカブ!! とっても大きなリヤキャリアに、荷物がたくさん載せられそうなところが魅力的だったのでずっと前から試してみたかったんです!


CT125・ハンターカブはカブシリーズのバリエーションモデルのひとつで、ブロックパターンのタイヤやエンジン下部を岩や石から守るスキッドプレート、水たまりなどを走行する際にエンジンを水から守る高めの吸気ダクトとアップマフラーなど、不整地での走行を想定したタフなデザインが特徴です。
エンジンはスーパーカブC125がベースとなっているから、カブシリーズの特徴である燃費の良さや頑丈さもしっかりと受け継いでいるんです!! 初めて見たときからキャンプにぴったりな車両だと思っていたので、今回のキャンプはお出かけ前から特に楽しみでした。


2020年6月にデビューしたCT125・ハンターカブですが、ご先祖さまは1968年デビューのホンダ CT50や1981年デビューのホンダ CT110なんだとか(これは国内モデルの場合で、海外にはもっとたくさんの仲間がいたそうです)。
発売当初はまだ「ハンターカブ」という車名はついていなかったのですが、トレッキングバイクとして国内外を問わず人気を博するうちに、野山に分け入ることのできるその性能とスタイルから「ハンターカブ」というニックネームが付けられたそうです。
CT125・ハンターカブを見てみると、確かに見た目はCT50やCT110によく似ていますね。
設計された時代がまったく違うのに、こんなにそっくりなんてちょっとビックリ。少しレトロな雰囲気も持っているところも、私がCT125・ハンターカブを好きな理由のひとつなんですよ。


ハンターカブの積載量は圧倒的!! 中低速が強い出力設定もキャンプツーの強い味方
CT125・ハンターカブのリヤキャリアは幅409mm×長さ477mmととっても大きく、平らになっているので、なんと衣装ケースがそのまま載せられるんです。その中にポンポン荷物を入れて、コードで固定するだけだから今回はキャンプの準備がとっても簡単でした。
衣装ケースは収納量もかなりある上に、雨水の侵入もある程度防げそうだし、安価だし、上が平らだからツーリングネットなどを使えばフタの上にも更に積載できるなど、メリットがたくさんあります。
北海道をツーリングするカブライダーさん達がよく衣装ケースを積載に活用しているのを見慣れているせいか、衣装ケースがしっくりときてしまうのもまた、カブシリーズの持つ親近感というか可愛らしさというか、他のバイクにはない個性だなぁと思いました。


そして、この積載可能量を支えるのが出力特性と、ドリブン(後ろ側)スプロケットの歯数(ギザギザの数)です。
ベース車両となっているスーパーカブC125と比較すると、T125・ハンターカブでは出力特性を低中速寄りに変更しているそうです。ホンダの公式ウェブサイトから両車の出力を見てみると、スーパーカブC125の最高出力が9.7ps/7500rpm、最大トルクが1.0kgm/5000rpmなのに対し、CT125ハンターカブでは最高出力が8.8ps/7000rpm、最大トルクが1.1kgm/4500rpmとなっています!! 数字で見てみるとどれくらい違うのか想像がつきにくいですが、出力特性比較表を見てみると一目瞭然ですね。
また、CT125・ハンターカブのドリブン(後ろ側)スプロケットの歯数(ギザギザの数)は、スーパーカブC125の36Tから3T増やして39Tになっています。出力特性を低中速寄りに変更し、ドリブンスプロケットの丁数を増やすことで、低中速で力強く走る上に、加速を重視した特性を得たというわけ。これは荷物を多く載せているときや、キャンプ場までの道のりにありがちな登坂路でも粘り強さを発揮するねらいなのだそうです。
重い物を積載するとブレーキが不安になることもあるので、前後がディスクブレーキになり、滑りにくいABS(フロントのみ)を搭載しているのも心強いですね。



キャンプ場での足にもなるハンターカブで、水汲みも楽ちん
キャンプ場に到着してからも、CT125・ハンターカブの活躍は終わりません。
今回私達が泊まったキャンプサイトは、共用の炊事場からやや遠いところだったのですが、洗い物をしたりお水を汲んだりしに行くのにもハンターカブに乗ってブーン。とっても楽ちんでした。よく考えたら、これはハンターカブだから手軽にできることなのかも。
キャンプ場も入り口からサイト内はずっと未舗装路だし、坂道もあったけれど「怖い」と思うようなこともなく安心して走れました。
身長が153cmと小柄な筆者にとって、スーパーカブ(シート高735mm)よりもかなりシート高の高いハンターカブ(シート高800mm)は、足着きに不安もありました。小柄なライダーにとって、シート高が800mm台のバイクに乗るというのは結構勇気がいるんです……!! でもCT125・ハンターカブは車体が軽いから不安感がなく、荷物を積載したままでの取り回しも問題なしでした!!

カブシリーズならではのまったり感と気軽さも魅力
今回のキャンプツーリングでは東京23区を出発して千葉県の君津市まで行きました。走った距離はそんなに長くないけど、カブシリーズくらいの小排気量クラスだと、これくらいがちょうどいいように感じました。衣装ケースをボンと載せるだけのキャンプ準備がものすごく楽なのと、軽くて小回りのきく車体で、思い立ったらすぐに出かけられるような気軽さがハンターカブを含めたカブシリーズの魅力だと思います。

高速道路には乗れないハンターカブだけれど、下道をまったりトコトコ走るからこそ見つけられるものもたくさんあります。今回のキャンプツーリングも、ハンターカブと一緒にマイペースに楽しみました。途中で立ち寄った道の駅でおやつを買って、釣り堀でのんびりと糸を垂らして、お昼過ぎにキャンプ場にチェックイン。疲労も少なくて、充実した時間を過ごすことができました。


千葉県の美味しいものをハンターカブと一緒に満喫
今回のキャンプツーリングでは千葉県の君津市を中心に、美味しいものを求めて房総半島を走りました。千葉県には本当に美味しいものがたくさんあるので、ちょっと食べ過ぎちゃったかも……。特に印象に残っているのは伊勢エビとビワです。
立ち寄った海産物屋さんで、初めて生きている伊勢エビを丸々1匹買いました!! この伊勢エビはお刺し身にしたり炭火焼きにしたりと身を楽しんだあと、お頭部分は晩御飯に作ったパエリアに投入。とっても贅沢なパエリアになりました。



それから道中に立ち寄った「道の駅とみうら」で手に入れたビワ。これがすっごく美味しかったんです!! 道の駅でビワを販売していたおかあさんにオススメの品種を聞いて購入したのですが、甘みと酸味が程よくバランスしていて「ビワってこんなに美味しかったんだ」と大興奮しました。
もちろん、道中で購入した伊勢エビとビワはハンターカブのリヤキャリアに積載した衣装ケースに入れてキャンプ場まで運びました。結構大きい箱に入っている生きた伊勢エビと柔らかくて潰れやすいビワ、積み方に迷うことなくポンと収納できるのはハンターカブならではかも(笑)


ホンダ CT125・ハンターカブ主要諸元

【エンジン・性能】種類:空冷4サイクル単気筒OHC2バルブ ボア×ストローク:52.4mm×57.9mm 総排気量:124cc 最高出力:6.5kW<8.8ps>/7000rpm 最大トルク:11Nm<1.1kgm>/4500rpm 燃料タンク容量:5.3L 変速機:4段リターン
【寸法・重量】全長:1960 全幅:805 全高:1085 ホイールベース:1255 シート高:800(各mm) 車両重量:120kg タイヤサイズ:F80/90-17 R80/90-17
【カラー】グローイングレッド/マットフレスコブラウン
【価格】44万円
レポート●たけい みさと 写真●長谷川 拓司 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実
追記6月19日18時修正:諸元の車重を誤って12kgと記述していましたが、正しくは120kgです。お詫び申し上げたうえ、訂正させていただきます。