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二輪・四輪で車名を使い回す背景
このように名前が消えたり復活したりするのは商標登録の関係がある。
過去に使用した名前についてはモビリティ製品における商標をホンダが持っているのはもちろんのこと、各国での使用についての問題もクリアになっていることが明らかで、またイメージが極端に離れていなければ、二輪・四輪で使い回すのは理にかなっている。
そもそも、ホンダは二輪と四輪のいずれでも使えることを前提に商標登録しているという話もある。
国内向けの話でいえば、軽自動車で使っていた「トゥデイ」という名前を、後に原付スクーターで復活したというケースもあるが、名前の持つイメージと商品企画が合致していたこともあって、いずれもすんなりとなじんでいた印象がある。
「トゥディ」は軽自動車から原付スクーターに


同じく原付スクーターでいえば、水冷エンジンに可変トルク増幅排気システムを組み合わせたスポーツモデルの「ビート」という名前が、すぐ後に世界初のミッドシップ2シーターオープンモノコックボディの軽自動車に与えられたことも有名だ。
ちなみに、軽自動車のほうの「ビート」はギリギリまで違う名前と迷っていたというが、もう一つの候補は「デュオ」というものであって、こちらも響き的には原付スクーター「ディオ」を似ているのはおもしろい。
ほかにも、後輪を二輪とした三輪スクーター「ストリーム」の名前が後に5ナンバーサイズのコンパクトミニバンに与えられたり、250ccのネイキッドモデルに付けられた「ジェイド」という名前が全高の低い3列シートミニバンに使われている。
このように二輪と四輪の両方で兼用された名前というのは意外にたくさんあるわけだが、中でも二輪→四輪→二輪→四輪と交互に使われた例は「インテグラ」だけである。
それだけホンダというブランドと親和性に優れた名前ということだろう。
ただし「インテグラ」の4回を超えるのが、四輪→二輪→四輪→四輪→二輪として何度も転生を繰り返した「ジャズ」という名前だ。
「ビート」はスポーティな原付スクーターから軽スポーツカーに


「ストリーム」は3輪スクーターからミニバンに


「ジェイド」は250cc4気筒バイクからミニバンに


最初は日本でいう初代シティの海外版、その次がアメリカンタイプの原付モデル、そしていすゞからのOEMモデルに付けられ、その後フィットの欧州版などの名前として使われつつ、カナダでは50ccスクーター(日本名:クレアスクーピー)の名前として使用されるなど、同時に二輪・四輪で存在していたことのある、じつは希少な名前なのである。

レポート●山本晋也 写真●ホンダ/八重洲出版 編集●上野茂岐
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