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鈴鹿2&4レースとは? JSB1000とは?
春はレースシーズンの幕開け。MFJ全日本ロードレース選手権が開幕し、早くも第2戦が三重県鈴鹿サーキットで4月23日と24日に鈴鹿2&4レースとして開催されます。
鈴鹿2&4レースは4輪のスーパーフォーミュラと2輪の国内最高峰JSB1000スーパーバイクのという2トップ観戦できるお得なレース。しかもJSB1000は土曜と日曜のそれぞれ決勝が行われる2レース制です。
JSB1000の開幕戦は栃木県モビリティリゾートもてぎで行われました。こちらも2レース制でしたが、両決勝ともヤマハ YZF-R1の中須賀克行選手が優勝!
2021シーズン全勝を記録したYZF-R1+中須賀選手のコンビがどこまで連勝記録を伸ばすか注目です。
第2戦は鈴鹿サーキットで行われますが、初めて観戦するファンに是非とも見て欲しいのが「西ストレート」と呼ばれる場所。グランドスタンドからは離れているが、立体交差の奥から伸びる直線が西ストレート。
各メーカーの市販車最速となる1000ccスーパースポーツ車をチューニングしてレースをするのが「JSB1000」。ツーリング先で見かけるあのバイクや、友人が乗ってるあのバイク達がこの西ストレートでは300km/hを超えるスピードで速さを競うわけです。
ヤマハ YZF-R1
2021年は中須賀選手ともにシーズン全勝を記録。JSB1000では連勝記録を継続中の最強のマシン。中須賀選手のチームメイト岡本裕生選手はJSBルーキーながらいきなり開幕戦2位で表彰台に登壇し注目を集めました。
ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード
2020年にフルモデルチェンジ登場したCBR1000RR-Rファイアブレード。JSB1000ではエース格のライダーが怪我で欠場している中、開幕レースでは濱原颯道選手が3位となり存在感を見せました。地元の鈴鹿レーシング・亀井雄大選手の活躍にも期待です。
スズキ GSX-R1000R
2021年、世界耐久レース選手権でチャンピオンを獲得したチームヨシムラが全日本JSBに復帰。ヨシムラチューンのGSX-R1000Rは渡辺一樹選手のダイナミックな走りでJSBのタイトルを狙います。
カワサキ ニンジャZX-10RR
スーパーバイク世界選手権(SBK)では何度もタイトルを獲得しているニンジャ ZX-10RR。開幕戦もてぎではJSB唯一のカワサキ車を走らせた柳川明選手。ベテランの走りにカワサキファンの声援が集まります。
今年、2022年は鈴鹿サーキット開場60周年という記念の年。それを踏まえ、今回は1962年のレースマシンの走行や展示も行われる予定。オールドファンにも見逃せないイベントとなっています。
ご家族でお出かけの方にも嬉しいお知らせ。チケットは土曜と日曜の2日券になっていて「レース観戦」に「鈴鹿サーキット内の遊園地乗り放題のパークパスポート」がセットでなんと4400円からとお得な価格設定。遊園地のついでにレース観戦の方も是非!
*写真はモビリティリゾートもてぎで行われた2022年開幕戦から
F1やJSB1000が開催される鈴鹿サーキットとは
レースの舞台となる鈴鹿サーキットが開場60周年という節目なので、せっかくなので鈴鹿サーキットがどんなサーキットなのか、ちょっと振り返ってみましょう。
60年前の1962年=昭和37年というと、首都高速道路の京橋~芝浦間4.5kmが開通した年で、これが首都高速道路初の開通区間です。
これだけ長い歴史を持つ三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットですが、要所々々でコースはもちろん、施設全体も時代に合わせて改修されていて、古さをまったく感じさせないのがすごいところ。この地に立って「奇跡のサーキット」と呼ぶ海外のジャーナリストもいるほどです。
コースは、1周約6kmで、2本の長いストレートと、特徴的な低・中・高速コーナーで構成されています。そして一番長い「西ストレート」は、300km/h超が記録される場所。
この300km/hオーバーの世界をレーシングライダーに聞くと「別に変わったことは起きていないよ」と、意外なことになんとも素っ気ない。そう、レーシングマシンにはスピードメーターがついていないから、300km/hの瞬間をリアルタイムで知る術はないのです。
ただ「スピードメーターがついていたら怖くて出せないかもね」という意見が多いのも事実。
今現在、ストレート最速なのは218馬力を誇るホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード。ですが、レースの場合、ストレートが速ければそれで勝てるかとなると、そういうものでもありません。最高速度でライバルに劣るヤマハ YZF-R1がレースで勝ち続けていることが、それを証明しています。
ハンドリング特性に優れているのはヤマハのモーターサイクルの特徴で、その最たるものがYZF-R1と言えます。コーナリングでライバルを抜くのは、かなりかっこいいし憧れる。でも、コーナーでの勝負は少なからず転倒のリスクがある。しかしストレートが速ければ、そうしたリスクなしにライバルを抜くことができるわけで、そこがCBR1000RR-Rファイアブレードの特権という見方もできます。
ただ、YZF-R1で育って、JSB1000で通算60勝、10回のチャンピオン獲得経験のある中須賀克行は、鈴鹿サーキットで本当に芸術的なコーナリングを見せてくれます。とくに最終シケインの進入、切り返し、脱出の一連の動きは、もはや「究極」と言っていいでしょう。
実は愛車で鈴鹿サーキットを走ることもできる!
さて、サーキットは、多くの人は「レースが開催される場所」と思っているのではないでしょうか?
でも、これは大きな間違い。レース開催は週末だし、毎週レースが開催されているわけではありません。じゃ、平日はどうしているかというと、一般に開放されているのです!
貸し切りもあれば、スポーツ走行もある。サーキットの走行ライセンスが必要だけれど、取得は思いのほか簡単です。
300km/hオーバーの世界がどのようなものなのか。もちろん一般公道でトライはできません(やっちゃダメです!)。でも、サーキットならばそれが可能。スポーツ走行で、自分の愛車がどんなポテンシャルを持っているのか試してみるのもいいし、最高速にトライしてみるのも楽しいはずです。
JSB1000やF1が走り、鈴鹿8時間ロードレースが開催される鈴鹿サーキット。自身でもコース走りたいと思ったあなたはSMSC(鈴鹿モータースポーツクラブ)の入会案内をチェックしてみてください。
レポート●柴田直行(イベント&マシン紹介)/佐久間光政(コラム)
写真●柴田直行 編集●上野茂岐