11月10日に行われた天皇陛下即位を祝う「祝賀御列の儀」のパレードで「カッコいい!」と注目を浴びた伴走のサイドカー。ではサイドカーを運転してみたいと思った場合、どんな免許が必要なのでしょうか。
バイクがベースになっているのだから二輪免許? 「カー」って言うくらいだから、実はクルマの免許?
結論から言うと、大体は二輪免許が必要です。しかし、一部例外も……というわけで、ここでは免許によって運転できるサイドカーを紹介していきます。
原付免許・小型限定自動二輪免許で乗れるもの
50ccまでの原付一種のバイクにカーを装着し「原付」登録された車両は、原付免許で運転可能です。
原付免許で乗れるということは、普通自動車免許以上のクルマの免許でも運転できますが、ヘルメットの着用が義務付けられます。
注意点1●カーは荷物運搬用の装置という扱いになるので、人が乗れそうなサイズであっても公道でカーに人を乗せて走行することはできません。
注意点2●125cc──いわゆる原付二種までを運転できる小型限定自動二輪免許で運転できるのも50ccの「原付」登録のサイドカーだけになります。サイドカーの場合、50cc以上のモデルは軽二輪扱い(「側車付軽二輪」となる)になるため運転できないのです。そのため、例えば100ccのバイクをベースとしたサイドカーでも高速道路を走行することが法規上は可能です(法定最低速度を満たさねばなりませんが)。

●ホンダ・モンキーをベースとした「原付」扱いのサイドカーの例。カーに人を乗せての公道走行はNG。
普通自動二輪免許で乗れるもの
いわゆるかつての「中免」ですが、バイクと同じで、400ccまでのバイクをベースとしたサイドカーが運転できます。
ヘルメットの着用が義務付けられます。
注意点●AT限定の場合、スクーターベースのもの、クラッチ操作が無いスーパーカブベースのものなどは運転OKとなります。

●ヤマハ・マジェスティをベースとしたサイドカーの例。250ccまでの「側車付軽二輪」枠だと車検は不要だが、車幅1.3m以内、車長2.5m以内、車高2.0m以内という寸法に収まっていないといけない。逆に排気量が250cc以内でも、寸法より大きければ「側車付軽二輪」枠ではなくなる。
大型自動二輪免許で乗れるもの
バイクと同じく、400cc以上のバイクをベースとしたサイドカーが運転できます。バイク同様、上限排気量はありません。
ヘルメットの着用が義務付けられます。
注意点●AT限定大型自動二輪免許の場合、免許で決められている上限排気量650ccまでの車両をベースとしたものまでとなります。

●即位のパレードで伴走した皇宮サイドカー同様、ホンダ・ゴールドウイングをベースとしたサイドカーの一例(皇宮サイドカーと同じ車両ではない)。

●ベースのバイクが大きいほど動力的に余裕があるので、大きなカーを組み合わせられる。大きなカーには大容量のトランクスペースを設けることも可能だ。
「普通自動車免許」以上のクルマの免許で乗れるもの
サイドカーの形状をしていながら、自動車免許で乗れる車両が実はあります。
バイク側の後輪だけでなくカー側のタイヤも駆動する「2輪駆動」の車両で、車両構造的にバイクとカーを切り離せないものがそれに該当します。それらは、自動車免許で運転できる「トライク」と同じ扱いになるためです。
逆に、持っている免許が「二輪免許だけ」の場合はこれらの車両を運転することはできません。
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●動力の切り替え式機構を備え、カー側のタイヤも駆動する2輪駆動のサイドカーとして有名なロシアのウラル・ギアアップ。
注意点1●なおマニュアル操作の車両はマニュアルの自動車免許が必須です。AT限定で運転できるものはあまり存在しません。
注意点2●「トライク」同様の扱いとなるので運転時にヘルメットの着用義務はありませんが、編集部では安全な走行のためヘルメット着用を推奨します。
注意点3●多くの車両の操作方法はバイクと同様のため、バイクの操作になじみのない人は販売店などで丁寧に操作を教えてもらうことをお薦めします。
(まとめ●モーサイ編集部)