そろそろ本格的な寒さが到来。「寒い中バイクに乗るのは辛いよなぁ」という思いと、「温泉に行ったら気持ちいいんだけどなぁ」という思いが交錯する季節ではないでしょうか。しかし、旅の途中で温泉に入ると入浴している間はいいけれど、再び走り出したころには湯冷めしちゃって余計寒くなるのでは?なんて心配も……。
そこで『ツーリングマップル東北』の著者であり、日本一周のツーリングの過程で1年間で3063湯(1湯1温泉地)に入浴したギネス記録を持つバイク冒険家・賀曽利 隆さんに、冬場、湯冷めせずに道中で温泉を満喫する方法を聞きました。
そのワザとは身体が冷えてきたら都度温泉につかる「はしご湯」とのこと。コツは「体を冷やさない」「冷える前に次の湯へ」とわかりやすい! ただし、ルートにあらかじめ立ち寄る温泉地の目星をある程度つけておかないと「はしご湯」が実現しないので、難易度は「中」くらい!?
「髪を濡らさない」「汗をかいたまま走りに出ない」のが大事
行程中の温泉では、髪を極力濡らさないこと。乾かすのに時間がもったいないし、そのまま構わず走ってしまうとカゼをひきかねない。
また、温まるだけで身体は洗わないほうがいい。そのほうが温泉成分のおかげで走行中もポカポカ感が続きます。
また、体が汗をかいてしまうような状況を作らないようにすることも大事。火照りが取れるまで冷たい風に当たって、大丈夫だなと思ったらジャケットを着込む。
今どきの速乾性に優れたライディング用アンダーウエアを使うのも有効です。
冬の「はしご湯ツーリング」8つのコツ
一、温泉用タオルは必携、最低1枚バッグにしのばせておきたい
入湯に使ったタオルで顔をふくと、直前に入った温泉の香りがして入湯の記憶も鮮烈に思い出せる。
二、湯上がりには水をかぶると、体の表面の火照りが取れてポカポカが続く
三、食堂を併設している温泉施設では湯上がりに昼食を。食事で体を内部から温めるのも有効
四、休憩室などがあれば湯上がりにゴロンと5分〜15分横になるのもお薦め。疲労の軽減に効く
五、ツーリングの途中での入浴では、髪の毛は極力濡らさないように
六、ブーツが濡れたら湯上がりに靴下を替え、ビニール袋に足を入れて履けばいい
七、湯上がり直後にジャケットはすぐ着ない
身体が温まっている状態で服を着たら汗をかいてしまい、その汗が蒸発したときに体温が奪われてしまう。
体から発散される水分を発熱エネルギーに変えるような高機能アンダーウエアを使えば汗冷えもさらに抑制できる。
八、我慢できないくらい寒くなったら、次の温泉に入る!
冬はツーリングは寒さもそうですが路面凍結が本当に危険です。
暖かい季節より注意力が必要とも言え、寒さに震えながら走り続けていると注意力も落ちてしまいます。
温泉で気持ちよく体力・気力を回復しつつ、快適、安全、そして楽しいツーリングを!
(まとめ●モーサイ編集部)
※本記事はモーターサイクリスト2017年1月号に掲載されていたものを再構成・編集しています。