NEWMODEL IMPRESSION HONDA PCX/PCX150
走行性能、実用性、価格。そのバランスのよさから世界各国で支持されているPCXが4月にモデルチェンジ。完成度の高かった従来型のどこが改良されたのか? 初代125cc後期型に4年間乗り続けるモーターサイクリスト編集部員が、ユーザー目線でレポート! 今回は後編をお送りするぞ。
(report●上野茂岐 photo●雪岡直樹)
「全方位進化」っぷりにおののく
エンジンは従来型から継承された「eSP」ユニットをさらに熟成。また変速比の変更もあって、加速力も高まっている印象で、特にスロットルをパーシャルから開けたときの付きがいいというか、イキがいい。それでいてドッと前に出るようなことはなく、PCXがテーマにしてきた“上質さ”は損なわれていない。
また街乗りからツーリングまでPCX1台でバイクライフを送るユーザーも少なくないという実情を考慮し、150には前輪のみが作動するABS仕様が設定された。おもしろいことに、ABS仕様は前ブレーキをしっかり使う“ライダーの感覚”を重視し、カチッとしたタッチにブレーキのフィーリングに造り込まれている。
こんなにも走行性能が高められているにもかかわらず、実用性はまったく犠牲になっていない(シート下収納の拡大、出し入れがしやすくなったフロントボックスなど、使い勝手に配慮した“重箱の隅をつつくような改良も行われている!)。
使い勝手のいい車体サイズもほぼそのままだし、価格は125/150ともSTD仕様で従来型から約1万3000円上昇したが“従来型並み”といえる範囲に収められている。スマートキーの採用、収納装備の改良などを考えれば、むしろお買い得とも思うワケで……。
2代目が登場したときは「まだ乗れる」と見送ったが、さらなる熟成を遂げたこの3代目、コレは買い換えるしかない!?と本気で悩む全方位進化ぶりである。
■足まわり
◀写真は125ccでブレーキは非ABSとなるが、左レバー操作で前後連動で作用する「コンビブレーキ」を従来型同様に採用。サスペンションの設定は125/150とも共通となる。
■メーターまわり
◀メーターは反転液晶表示のデジタル式で、中央に速度計、下部に時計、燃料計、平均燃費計を表示する。
■シートスペース

■テールランプ

◀スリムなリヤまわりの形状は継承しつつ、LEDテールランプは被視認性にも配慮し大型のデザインとなった。
■Specifications
[ ]内は150、150ABS
【エンジン・性能】
種類:水冷4ストローク単気筒OHC2バルブ ボア×ストローク:52.4×57.9mm[57.3×57.9mm] 総排気量:124cc[149cc] 最高出力:9.0kW<12ps>/8500rpm[11kW<15ps>/8500rpm] 最大トルク:12Nm<1.2kgm>/5000rpm[14Nm<1.4kgm>/6500rpm] 燃料タンク容量:8L 変速機:無段変速式
【寸法・重量】
全長:1925 全幅:745 全高:1105 ホイールベース:1315 シート高:764(各mm) 車両重量:130[131]kg タイヤサイズ:100/80-14 120/70-14
【価格】
34万2360円[37万3680円、39万5280円(ABS)]
【カラー】銀、赤、黒、白