「M」の名を車名に初めて取り入れたM1000RRが登場
2020年9月23日、BMW MotorradがM1000RRを発表しました。
1000ccスーパースポーツS1000RRをベースにレーストラックでのパフォーマンスを求めた最高出力212馬力のエンジンを抱え、カーボン製ウイングレットなど数々の専用装備を持つM1000RRは、BMW Motorradとしては初めて「BMW M」の名を冠するモデルとなります。
(日本での発売は2020年9月24日時点で未定)
BMW Mとは?
では、そもそも「BMW M」とは何でしょうか。
四輪に詳しい方はご存知かもしれませんが、BMW MはBMWのモータースポーツやそれに関連するサービスを展開するグループカンパニーです。
現在のBMW M社の前身は、1972年にBMWのモータースポーツ部門として設立されたBMW Motorsport社です。
BMW四輪モデルの中でも古くからMバッヂのついたモデルはM3やM5に代表されるように走りに特化したチューニングが施され、特にスポーティ&ハイパフォーマンスを誇るモデルとして知られていますよね。
そんなMのレーシングカラーは、ホワイトを基調にブルー、ダークブルー、レッドをあしらうカラーリングを採用しています。
2019年型S1000RRからバイクにも「M」の流れが
BMW M社とBMW Motorradは同じBMWグループの会社ですが、これまで両社に表立った相関関係はほぼなかった、と言えるかもしれません。
とはいえ、過去のMotorradのモデルを振り返ると、「BMW M」を彷彿とさせるカラースキームを持つモデルがいくつも存在していましたが、それが「M」だと公言されることはなぜかありませんでした。
しかし、2018年のイタリア・ミラノショーで現行型S1000RRが発表された際、ついにBMW Motorradの歴史に「M」の文字が登場します。
現行型S1000RRがローンチされた2018年のミラノショー。
その際、車両と同時に発表されたのは、BMW Motorradとしては初めて「M」の名を冠したチューニングパーツ「M Performance」や、それらを装着した「M Performance Package」でした。これが公式にBMW MotorradとBMW Mとのコラボレーションを行った初めての事例でした。
それ以降、BMW MotorradはS1000RRと四輪のMシリーズを絡めたビジュアルをたびたび公開するなど、近頃はBMW M社の持つスポーツイメージを積極的に活用しはじめていると言えます。
そんな中で突如発表されたM1000RRは、これまで表立った連携のなかったBMW MotorradとBMW Mとの結びつきを強く打ち出すマイルストーン的なモデルとなるのかもしれませんね。
「Mカラー」は1973年の四輪、3.0CSLから始まる
では、ここからはそんなBMW M社のカラーリングについて時代を追って紹介していきましょう。Mカラーのモデルが最初に登場したのは1973年のこと。当時のツーリングカー選手権用のレーシングカー3.0CSLでした。
1975 BMW 3.0CSL
上の3.0CSLを見てもわかる通り、すでにこの時代からブルー/ダークブルー/レッドのカラーリングが採用されています。現在のMカラーとはレッドの色合いがオレンジに近かったり、ブルー&ダークブルー2色の色合いが少し異なったりと多少の違いはありますが、基本的なカラースキームとしては同じことが分かりますね。
1977 BMW 320ターボ
BMW M1
このようにBMWの3シリーズの元祖となるBMW 320や、スーパーカーM1のレーシングバージョンにもMカラーが採用され、その特徴的なカラーリングはBMWのスーパースポーツモデルを代表するカラースキームとして定着していきます。
……と、四輪レーシングカーの写真が続きましたが、もちろん二輪車についても紹介していきますよ!
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