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カワサキ ヴェルシス1000SEの仮想ライバルは?
カワサキ ヴェルシス1000SE(199万1000円)

BMW S1000XR(199万4000円〜)

ヴェルシス1000SEのガチンコのライバルとなるモデルは、1000ccの並列4気筒エンジン&前後17インチのホイールという点を踏まえると、やはりBMW Motorrad S1000XRでしょう。
スーパースポーツ・S1000RRのエンジンや車体をベースとして、アップライトなポジションに大型フェアリングを組み合わせたS1000XRは、前後のホイールは17インチではありますが、長めのサスペンションストロークが与えられたツアラーモデルです。
装備の面では、電子制御式サスペンションのダイナミックESAをはじめ、減衰力調整を自動で行うDDC(ダイナミック・ダンピング・コントロール)、エンジンモード切り替え、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)、ASC(オートスタビリティ・コントロール)、クルーズコントロールなど、BMWが誇る最新世代の電子制御テクノロジーをすべて備えた「全部盛り」。
積載性に関してもヴェルシス1000SE同様にオプションでトップケースやパニアケースが用意されているので見劣りすることはありません。さらに価格も199万円台からとヴェルシス1000SE同様の価格帯です。
ここまでパッケージが類似した車両ではどちらを選ぶのかが難しくなりますが、最高出力や最大トルクの発生回転数はヴェルシスの方が低いので、常用域での扱いやすさという面では乗り比べると差が出るポイントかもしれません。
一方、車重の面ではS1000XRの方が20kg近く軽い数値であることもひとつのポイントです。体感に大きく影響するところなので、実際に試乗比較することをオススメします。
ドゥカティ ムルティストラーダ950S(207万円)

また、199万円という価格で考えると、ドゥカティ ムルティストラーダ950Sもライバルとなります。
ドゥカティのムルティストラーダは、スーパースポーツ系エンジンにストロークの長いサスペンションと前後17インチホイールを組み合わせたデュアルパーパスモデルとして2003年に初代モデルが登場しました。
いわば「17インチアドベンチャー」の先駆者とも呼べる車両ですが、現在のラインアップではフロント19インチのみとなっています。
ムルティストラーダは1000ccオーバーのモデルでは、1158ccV型4気筒エンジンを搭載する「ムルティストラーダV4」シリーズ、1262ccL型2気筒エンジンを搭載したオフロード色の強い「ムルティストラーダ1260エンデューロ」がありますが、どちらも300万円クラスとなります。
一方の937ccL型2気筒エンジンを搭載するムルティストラーダ950Sは、価格、キャストホイール、電子制御サスペンションの装備など、ヴェルシス1000SEと近い要素を持っています。
サスペンションはDSS(ドゥカティ・スカイフック・サスペンション)というもので、ヴェルシス1000SE同様にスカイフック理論に基づいたセミアクティブサスペンションとしています。
このDSSは400パターン(!)に及ぶパラメータが設定でき、ライダーの好みや使用状況に合わせた細やかなセッティングも可能です。また、コーナーリングABSやDTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)、坂道発進で便利なVHC(ヴィークル・ホールド・コントロール、コーナーリングライトなど各種デバイスもハイエンドモデルに迫る充実ぶり。
もちろん、パニアケースやトップケースなどの積載系パーツも純正オプションが用意されています。
装備面でもヴェルシス1000SEの好敵手と言えるムルティストラーダ950Sですが、最大のアドバンテージは何といっても乾燥重量207kgというミドルクラス並みの車重でしょう。
軽快なバイクを求めるライダーであれば、ムルティストラーダ950Sに分があると言えるかもしれません。
MVアグスタ ツーリズモヴェローチェ800ロッソ(223万3000円)

ストロークの長いサスペンションに17インチホイールを組み合わせたツアラーモデルとして、忘れてはならない存在がMVアグスタのツーリズモベローチェ800ロッソです。
MVアグスタ独自の並列3気筒エンジンはエモーショナルなフィーリングと優れたパワーデリバリーを発揮するだけでなく、個性的なボディデザインとも相まって、メカニズムとデザインの両面から独自の世界観を打ち出しています。
もちろん最新のモデルだけあって装備も充実しています。
IMUにはイタリアのe-Novia社によるMVアグスタ専用の製品を搭載し、トラクションコントロールやABS、ザックス製セミアクティブサスペンションの制御に生かしています。
2021年モデルではユーロ5適合に合わせてエンジンマネジメントも見直して常用域でのトルクを増大。エンジンの特性についてはバックトルクやレブリミットに至るまで細かなセッティングも可能です。
また、最新世代のクイックシフターも装備されるほか、ツアラーモデルに必須のクルーズコントロールも装備しています。
高級ブランドとして名高いMVアグスタだけ一線を画す個性をたずさえつつ、最新ツアラーとして申し分のない装備を持つツーリズモヴェローチェ800ロッソ。価格はヴェルシス1000SEより高くはなりますが、220万円超と意外にライバルモデルとして考えられる範囲です。
ホンダ VFR800X(150万4000円)

781ccのV型4気筒エンジンに搭載するツアラーモデルのVFR800Xは、フルカウルツアラーのVFR800Fをベースにストロークの長いサスペンションを与え、ホンダが「クロスオーバー」と呼ぶキャラクターを打ち出したモデルです。
車重は246kgとこの排気量にしては重量級マシンで、前後ホイールは17インチですが、オンロードスポーツモデルに比べると最低地上高も高く、フラットダート程度であれば走破できるポテンシャルを備えています。
エンジンは回転数に応じて2バルブと4バルブを切り替えるホンダ伝統の「HYPER VTEC」を搭載。
さらにホンダ独自のトラクションコントロールシステムとなるホンダ・セレクタブル・トルク・コントロールを採用して、ライダーが後輪の駆動力を3段階で調整することが可能です。
ベースモデルの設計がやや古いこともあって、クルーズコントロールや出力特性の切り替え、電子制御サスペンションなど昨今トレンドの装備がないのは残念ですが、灯火類はフルLEDでグリップヒーターは標準装備。積載製を高めるトップケースやパニアケースはオプションで用意しています。
ヴェルシス1000SEに比べ、50万ほど安い150万円という価格はかなりアドバンテージになるのではないでしょうか?
「決め打ち一択」の人もいるかもしれませんが、新型ヴェルシス1000SEが発売されたらライバルモデルを含めて試乗し、キャラクターの違いを体感してみてはどうでしょうか。
試乗する際にポイントをひとつ。
可能であれば、試乗コースに5km程度でも高速道路を組み込むのがおすすめです。
当記事で紹介したバイクに興味を持ったということは、きっとロングツーリングに出かけようと思っている人が多いと思います。
一般道では検証しづらいウインドプロテクション性能、高速巡航時の静粛性、エンジン回転数、オートクルーズの使い勝手などを確かめるためてほしいのです。
自分がイメージする「バイクの乗り方」での使い勝手を見極めれば、きっと楽しいバイクライフが送れるはずです。
レポート●土山 亮 写真●カワサキ/岡 拓/BMW/ドゥカティ/MVアグスタ/ホンダ 編集●上野茂岐
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