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QJモーター【SRK400RS】試乗。ついに登場の「ライバル」はZX-4Rを脅かす存在なのか?

中国から来た「ZX-4Rの刺客」4気筒400ccスーパースポーツ

QJモータージャパンが設立され、2025年春の東京モーターサイクルショーで大々的にブースが展開されたのは記憶に新しい。その際に注目されたモデルのひとつが、スーパースポーツ(※以下SS)のSRK400RS。同年夏にも登場かと期待されたものの、日本市場向けの仕様などで再検討が行われた模様で、2026年春に日本上陸となった。

SRK400RSのライバルは、無論のことカワサキ製SSのZX-4R SE/RRだ。2023年に登場した同車は、久びさの400cc4気筒SSで、スペックはクラス最高となる驚異の77ps(ラムエア加圧時は80ps)。SRK400RSもこれを意識したであろう性能で、最高出力77.6ps/1万4000rpm(ZX-4Rは77ps/1万4500rpm)、最大トルク4.0kgm/1万3200rpm(同・4.0kgm/1万3000rpm)を発揮。加えて、ZX-4Rに対して13万円近く買い求めやすい価格として魅力を高めている。

元MVアグスタのスタイリング担当が率いるデザインスタジオが手掛けたSRK400RSのフォルム。ヘッドライト左右を縁取るDRL、意外と上端の伸びたウインドスクリーンなどが特徴的
スーパースポーツカテゴリーながら、盛り上がったタンクから落差のあるシート、意外と高めにセットされたハンドルなどにスポーツツアラー的な要素も感じる全体のフォルム
SRK400RSの標的となるカワサキZX−4Rシリーズ(写真は4RR)。価格は4RR=121万、4R SE=117万7000円

ZXシリーズを継続してきたカワサキと、日本では最近まで未知だった中国メーカー製のSS。エンジンは同形式でスペックも近似値ながら、さてQJモーターの具現化した400ccSSはどんな出来なのか、個人的に興味津々で乗り出した。

一般道走行でも分かるZX-4Rに通ずる爽快かつ刺激的な回転感

SRKのライディングポジションは、どちらかというと90年代を感じさせる懐かしいSSの雰囲気だ。具体的に言えば、シート高はさほど高くなく(身長173cmで両足カカトまで接地)フラットで、セパレートハンドルは相応に低いがキツくない高さだ。ライダーの上体は前傾姿勢になるが、現行のSSのように車体姿勢自体の前傾が強めではないから、前乗りを極端に強制させる印象が少ない。ツーリングでも耐えられそうだと感じるライディングポジションだ。

身長173cm体重76kgのライダーでの乗車姿勢。両足はカカトまで接地、上体は前傾姿勢ながら、ツーリングにも対応できそうなレベル

399ccの並列4気筒は、相応に元気なサウンドを奏でる。静かとは言えないものの、ZX-4Rと同等かもしれない。低回転はトルクが細めで発進はデリケートかと想像したがそうでもなく、クラッチミートだけでもスルッと車体が進む。そして、ザラッとした低中回転の回り方から、力がみなぎり高回転へギュンと鋭く回転上昇していく感じは、ZX-4Rとよく似ている。

……と思ってスペックを比較してみるとボア・ストロークは両車同一の399cc。圧縮比は4R(12.3)より若干低いものの元気な加速に差はなく、4気筒スーパースポーツの弾ける感じの回転感と速度の乗りが気持ちいい。現場のことは分からないが、QJモーターの開発陣は、ライバルをよく研究したのではないだろうか。

クラス最強スペックの水冷4気筒。従来型のスロットルワイヤ式ながら、ノーマルとスポーツのライディングモードを搭載。アップ&ダウン対応でオートブリッパー付きのクイックシフターは標準装備

トップ6速のメーター読みでは60km/h≒3500rpm、80km/h≒4500rpmと回転上昇するが、元気に鋭く立ち上がっていくのは5000~6000rpmから上。だが、それ以下の回転でもギクシャクせず、実用的に加速できるのが4気筒エンジンの利点だ。少し気になったのは、4000~5000rpmの回転域での加減速でシート付近に微振動が出ること。サーキットやワインディングで攻めていたら分からないだろうが、普通に流して加減速するとき、尻が微妙にムズかゆい。ただし、振動が伝わる箇所に制震材を挟むと、解消されるかもしれない。

前後フォルムで特徴的なのは、やはりフロントのDRLとウイングレットの装備。跳ね上がったテールセクションに配置される縦型3灯式のテールライトも個性的なデザイン
全長2020mm、ホイールベース1385mm(ZX-4Rは1990/1380mm)。400ccとしては平均的なサイズだが、軽量な176kgの車両重量がZX-4R(SEで190kg)と異なる点。スチールとアルミを組合せたハイブリッドフレームの採用、アルミパーツの各部への採用などが貢献している模様

非凡な400ccSSを実感させてくれる高速・ワインディング性能

SRK400RS。乗車しているライダーは身長183cmと大柄なモーターサイクリストの太田編集長

SRKのエンジンに拍車がかかる高速は、爽快なパワーを味わえるステージだ。トップ6速の100km/h≒5500rpm、120km/h≒6500rpm……回転がよりシャープさを増すと前述した振動も消え、一丸となったパワーが引き出されていく。400ccに59psまでの上限値(メーカー自主規制)があった時代を過ごした世代にとって、これは想像を超えた性能で、数値的には80年代のナナハンに匹敵する。大台も目前の最高速が得られるのだろうが、試してはいない。

前後サスペンションは、一般道走行から(SSとしては)比較的柔らかめで、凹凸通過などでもゴツゴツした印象がない。ならば、高速でどうかと思って意識を向けてみても、通常の高速レンジで破綻しそうな感じはない。そして高速では、意外と高めの位置まであるウインドスクリーンも貢献して、伏せ姿勢を作れば適度な防風性能も確かめられる。

低中速メインのワインディングに入っても、400ccならではの生きのいい走りが楽しめる。程よくしなやかな前後サスは不満のない挙動を示し、短めのストロークのシフトはシャキッと入る。アジア系ブランドやアジア生産の普及版モデルでは、大きめなストロークや大雑把な節度感のモデルは多々あるが、SRKはこの点でも国産SSと遜色ない。

ブレーキも大きな不満はなく、特にリヤブレーキは操作感も良好。フロントはパッドが慣らし段階だからか、引きずるような制動をする際の感触に若干強弱の波があるが、これは使い込むほどに解消されるものかもしれない。

ZX-4Rと異なる印象を強く与えるのが、意外に高さのあるスクリーンと、昼間点灯用のDRLの縁取り+その内側のヘッドライトという構成のマスク。スポーツツアラー的な印象でもある

つらつらと印象を述べたものの、総じて感じるのは、この400ccがカワサキ以外の国産3メーカーが出した4Rのライバル車と言われても疑いないパッケージとなっていること。車体、エンジンの基本性能について、自分を含めた日本人が中国製というフィルターで見るのが、時代遅れではないかと自省させられるかのようだ。細部まで含めた耐久性、先々の部品供給といった誰しも気にする面はあるにしてもだ。

国産400ccクラスで、最高出力が抜きん出た4気筒がカワサキから出ると聞き登場前から注目を集めたのは約3年前。これで400ccクラスのガチライバルも国産で出揃うかと期待していて肩透かしを食ったが、ようやく中国メーカーがそこに1石を投じた。そういう意味で、今期待できるのは(残念ながら)国産ではなく、中国メーカーなのかもしれない。SRK400RSは、そうしたことも感じさせる1台だった。

SRK400RSの各部紹介

セパレートハンドルは意外とスポーツツアラー的な高さに設定。幅広にセットされるミラーにより後方視認性は良好
7インチフルカラーTFTメーターでは速度、回転、燃料計、時計、ギヤ段数を表示のほか、モード切り替え、トラクションコントロール、ABS、IMU連動ローンチコントロールなどの各種メニューを呼び出し、設定変更も可能。周囲の明るさに応じて、自動で白黒を反転させる表示変更機能も搭載
左グリップの操作スイッチは、レバー側のパッシング&ハイ・ロー切り替えのほか、各種表示のセレクト、エンターボタン、ウインカー、ホーンという配置。レバーには位置調整ダイヤルを装備
右グリップはセル&キル兼用のスイッチとその下にハザードボタン組合せ。ブレーキレバーにもダイヤル位置調整機能を装備
SSモデルの定番パーツとなりつつある左右のウイングレットを装備するが、セパレートハンドルの位置と高さは、SSカテゴリーでは緩やかな部類。燃料タンクは16.5Lと、十分な容量を確保
伊マルゾッキ製倒立式フロントフォークは41mm径で、フルアジャスタブルタイプ。ブレーキは300mm径ディスク+ブレンボ製ラジアルマウントキャリパーの組合せ。アルミキャストホイールには台湾CST(チェンシン)製MIGRA・S3Nを標準装着
ストレート形状の左側に対し、右側スイングアームはサイレンサーを避けるようにガルアーム形状を採用。リンク式モノショックもマルゾッキ製で、プリロードと減衰力調整が可能。ブレーキは240mm径ソリッドディスクとブレンボ製対向2ポットキャリパーの組合せ
イタリアンな雰囲気を漂わす前後セパレートのシート。比較的フラットな形状で快適性も悪くない前側に対し、リヤ側は肉薄でデザイン優先の雰囲気
フロントシート下はキー開閉でアクセス可能。真下にバッテリーが収まるほか、ミニマムなスペースにはETC車載器がなんとか収納可能か
個性的な縦型ランプで構成されるテールセクション。中央がテールランプ、左右がストップランプという構成

SRK400RS 主要諸元

■エンジン 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク57✕39.1mm 排気量399cc 圧縮比11.8燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル
■性能 最高出力57kW(77.6ps)/1万4000rpm 最大トルク39Nm(4.0kgm)/1万3200rpm 燃費─
■変速機 6段リターン 変速比─ 一次減速比─ 二次減速比─
■寸法・重量 全長2020 全幅755 全高1170 軸距1385 シート高795(各mm) キャスター─ トレール─ タイヤF120/70ZR17 R160/60ZR17 車両重量176kg
■容量 燃料タンク16.5L エンジンオイル─
■車体色 レッド、ホワイト、ブラック、レッド×シルバー
■価格 104万8000円

SRK400RS

レポート●モーサイ編集部・阪本一史  写真●関野 温、モーサイ編集部

取材協力●QJモータージャパン

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QJモータージャパン

https://qjmotor.co.jp/

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