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日本円で約2388万円!だけど……超スペシャルな30台限定のスーパーバイク【アプリリアX 250TH】発表

Aprilia Racing がアメリカ建国250周年を記念して製作した限定生産の市販オンロードレーサー

2026年3月27日、Aprilia(アプリリア)レーシングは、アメリカGP開催中のサーキット・オブ・ジ・アメリカにおいて、MotoGPで培われた最先端テクノロジーを結集した特別仕様車「アプリリアX 250TH」を発表した。

アメリカGP開催中のサーキット・オブ・ジ・アメリカで発表されたアプリリアX 250TH

この新型アプリリアX 250THは、1776年7月4日に署名されたアメリカ合衆国独立宣言250周年を記念して企画されたもので、生産台数30台のうち25台を米国市場向けに割り当て、残りの5台を世界各国向けに販売すること、そしてアメリカ国旗の色にインスパイアされた壮大な「星条旗」カラーリングを施すことが決定されたという。

X 250TH
X 250TH

同車は、MotoGP専用装備であるカーボンブレーキを搭載した世界初にして唯一の市販バイクであり、X 250THはアプリリアのMotoGPライダー、マルコ・ベッツェッキとホルヘ・マルティンが駆るアプリリアのワークスマシンRS-GPと同等の制動力を発揮するなど、最高峰のモーターサイクルレース選手権との直接的な繋がりを象徴しているモデル。

アメリカ国旗をモチーフにした壮大な「星条旗」カラーリングをまとったX 250THは240馬力を誇る、これまで製造されたRSV4の中で最もパワフルで、165kgの軽量ボディが、かつてないライディング体験をもたらすパワーウェイトレシオを実現。

またXブランド(※アプリリアレーシングが手掛けるサーキット専用の超高性能・限定モデルシリーズ)の第6世代となる新型X 250THは、MotoGP世界選手権に参戦するRS-GPプロトタイプにのみ採用されている最新世代のシートウィングを備え、卓越したエアロダイナミクスを誇っている。

前述のように、同車は2019年にRSV4 Xでスタートし、2020年にTuono X、2022年にRSV4 X Trenta、2024年にRSV4 X ex3ma、そして2025年にRSV4 X-GPと続いた、世界でも類を見ないプロジェクトの第6世代に当たる。「X」の称号を持つこれらの特別なモデルは、一般向けに販売されるバイクにおいて最高の卓越性を具現化しているが、以下に主要な各部の装備を紹介しよう。

X 250TH

■ブレーキシステム

アプリリアX 250THの際立った特徴の一つは、ファクトリーバイクとしては他に類を見ないBrembo製カーボンブレーキシステム。このシステムは、MotoGPでも使用されている直径340mmのカーボンブレーキディスクを、カーボンパッドと冷却フィン付きのビレットアルミニウム製キャリパーと組み合わせて採用。一方リヤブレーキディスクはニッケルメッキのキャリパーを採用している。

X 250TH:Brembo製カーボンブレーキシステム

カーボンディスクの採用により、従来のスチール製ディスクの半分の重量となり、ハンドリング性能の向上に貢献し、カーボンパッドはシンタードパッドに比べて約3分の1の軽量化を実現すると同時に、過酷な使用条件下でも安定した性能を発揮し、MotoGPプロトタイプマシンに近いライディング体験と制動力を提供。

■エアロダイナミクス

空力性能もアプリリアX 250THの際立った特徴の一つで、この分野においてアプリリアレーシングはMotoGPにおけるパイオニアとしての地位を確固たるものにしている。実際、新型XのボディラインはRS-GPからインスピレーションを得ており、特にリヤのデザインは空気の流れを忠実に再現。空力パッケージには、MotoGP由来の先進的なソリューションが採用されており、アプリリアレーシング独自の技術であるシートウイングや、RS-GP25で初めて採用されたテールウイングなどを採用。

X 250TH:アプリリアレーシング独自のシートウイングとテールウイング

シートウイングとテールウイングの組み合わせが、コーナでのブレーキング時に空力的荷重を増加させるだけでなく、リヤウイング、アンダーウイングも同様の効果をもたらすという。

そして、もう一つの特徴的な要素は、PAN Compositi社製の「サンドイッチ構造」を施したカーボン製サドルサポート。これは、剛性を維持しながら極めて軽量化を実現するために、カーボンファイバーを特殊な方法で加工したもの。これらの要素すべてが、車体後部のダイナミクスをレーシングプロトタイプのものにさらに近づけ、グリップ力を向上させ、リヤタイヤのパフォーマンスとライダーの感覚をダイレクトにつなぐ。

そして特別感をより演出しているのは、パフォーマンスを最大限に引き出し、レーシングサウンドを実現するSC Project製のチタンMotoGPレプリカダブルエキゾーストだ。

X 250TH:SC Project製のチタンMotoGPレプリカダブルエキゾースト

またX 250THには、アプリリアレーシングが開発し特許を取得した先進的なグラウンドエフェクト空力システムも搭載される。サイドフェアリングのデザインにより、バイクをバンクさせた際にダウンフォースが発生し、コーナリング時のグリップと安定性が向上するという。

またすべてのフェアリングは、PAN Compositi社によるカーボン製で、MotoGPバイクと同じ製法で作られている。直線走行時の垂直荷重はAprilia RSV4 の5倍で、安定性が向上してウィリーが軽減される一方、コーナリング時の荷重は3倍となり、グリップ力が向上するが、このフェアリングはアメリカ国旗の色をあしらった「星条旗」カラーが施され、この特別なバイクの個性を際立たせている。

X 250TH

■エンジン

X 250THのエンジンは、レーシング部門がSBKレース仕様として開発した1099cc 65度V4エンジンを搭載。最高出力は13,750rpmで240HP(最大回転数は14,100rpm)、最大トルクは11,750rpmで131Nmを発揮。

この性能は、圧縮比を引上げ、Sprint Filter製の高透過性レーシングエアフィルターとレーシングスペックのエアボックス吸気トランペット、SC Project製のチタン製デュアルパイプエキゾースト、そしてSTM製乾式クラッチなど、V4エンジンのパフォーマンス向上をねらった進化によって実現されたものだ。

X 250TH

■エレクトロニクス

電子制御はアプリリアレーシング APXコントロールユニットによって行われ、これはマックス・ビアッジがRSV4でチャンピオンを獲得したWSBK選手権で使用されたシステムを直接進化させたもので、ライディングスタイルや路面状況に合わせてパラメータを完全に調整できるユニット。APXシステムは、フロントリフト抑制機能、各ギヤの出力、トラクションコントロール、エンジンブレーキのコントロールを可能にし、統合型GPSシステムによって補完される。

■シャシー

X 250THの車体は、アルミニウム製のダブルトレリスフレームと、専用セッティングのÖhlins製メカニカル式サスペンションで構成されている。ホイールはマルケジーニ製の鍛造マグネシウムで、スーパーバイク世界選手権で使用されているピレリ製スリックタイヤを装着。

X 250TH

その仕上げのレベルは、アプリリアレーシングのアプローチを反映しており、アジャスタブルフットペグやシリアルナンバーが刻印されたステアリングプレートなど、多くがカーボンまたはビレットアルミニウムで作られている。そのほかには、WSBKテクノロジーを採用した大型のラジエーター、軽量化されたPBR製の前後チタンスプロケットを備えたファイナルドライブ、そして520レジーナ製チェーンも含まれている。

X 250TH

至宝の限定モデルだが……

アプリリアX 250TH は30台が生産され、25台は米国市場向け(希望小売価格は15万米ドル、日本円で約2388万円※2026年4月10日時点)、残りの5台はヨーロッパを含むその他の市場向けで、価格は11万5000ユーロ(税別)。専用サイトFACTORYWORKS.APRILIA .COMにてすぐにオンライン予約の受付が開始されるというが、リリースの最後のほうには「日本からは購入できません」という(残念な)断り書きが入っている。

普通の経済力では手に入れられない金額ゆえに、実際のオーナーになる夢など描かないが、日本で実車を見る機会も限りなくゼロに近いということに失望を禁じ得ない。しかし、ここまで来たら最後までリリースを紹介しておこう。

前述したように、X250THはシリアルナンバー入りの限定生産なのに加え、購入者にはECUパラメーターと電子制御を管理するためのソフトウェアを搭載したYashi製ノートパソコン、マット、専用バイクカバー、RCB製チタンフロントスタンドとリアスタンド、そしてIRC製タイヤカバーも付属するという。

そしてX 250THは、「アプリリアracingが立ち上げたファクトリーワークスプログラムの一環で、ノアーレに拠点を置くレーシング部門が構想・実現し、レースで開発されたテクノロジーを、このファクトリー派生シリーズでトップレベルを目指す人、あるいは最高レベルのパフォーマンスを備えたRSV4やTuono V4を所有したい人に向けて提供することを目的としています」と結んでいる。

X 250THとアプリリアレーシングのMotoGPライダー、マルコ・ベッツェッキ(左)とホルヘ・マルティン(右)
X 250THのテクニカルスペックシート

まとめ●モーサイ編集部  写真●ピアッジオ

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