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ホンダCBF125Rの新車がレッドバロンで販売されている。しかも価格は23万8000円! ホンダが国内正規販売しているスポーツネイキッドのCB125Rが52万8000円、人気モデルのCT125・ハンターカブが47万3000円なので、それらと比べると激安である。果たしてその乗り味と信頼性はどうなのか?

驚きの価格と意外な乗り味
日本に正規導入されたのは教習車仕様のみだったが(2015~2022年)、2000年代後半以降のホンダはアジアやヨーロッパを中心に、ダイヤモンドフレーム+空冷単気筒のベーシックモデル、CB125・CBF125・CBF125Rシリーズを販売している。
一般的な視点で考えた場合、中国・インド・パキスタンで生産されるこのシリーズの最大の特徴は、価格が非常に安いことだ。
試乗車を借用したレッドバロンでの価格は、近年の日本で販売されている125ccマニュアルミッション車の平均を大幅に下回る23万8000円なのだ。
とはいえ、実際にこのバイクを体験した僕は、価格よりも乗り味に大いに感心。誤解を恐れずに言うなら、個人的には価格が+10万円以上でも、このバイクは読者の皆様にオススメできる価値があると感じている。
なお、レッドバロンが取り扱うCBF125Rは、中国の「新大洲本田摩托有限公司」製で、コスト抑制を念頭に置いて、現在はABSが義務化される以前の2019年型を販売。当初のカラーは3色だったものの、すでにパールプロキオンブラックは完売で、現状で選択できるのはキャンディシンティレイトレッドとロスホワイトの2色である。


最新スポーツネイキッドとは異なる性能
今回の試乗で僕が最も興味を惹かれたのは、昔ながらのフィーリングが味わえること。
と言っても、ルックスはストリートファイター然としているのだが、ライディグポジションがゆったりしていて、エンジン特性が低中回転域重視で、細身の前後18インチタイヤ(前80/100-18、後90/90-18)を履くこのモデルは、いい意味で1970年代以前の旧車を思わせる資質を備えているのだ。
中でも僕が感心したのは、軽快感と安定感を絶妙の塩梅で両立し、悪路に強く、乗り手を優しく導いてくれるかのような挙動を示す、前後18インチタイヤの挙動だ。
それに加えて、ショートストローク型が主力の昨今の水冷単気筒とは趣が異なる、ロングストローク型(52.4×57.8mm)ならではの柔軟で穏やかな特性を実現した空冷単気筒エンジンや、ロングランが快適にこなせそうな乗車姿勢も、個人的にはツボにハマった要素である。
もちろん、トップスピードやワインディングロードでの旋回性では、このバイクの性能は水冷単気筒エンジンと前後17インチタイヤを採用する最新の125ccスポーツネイキッド、ホンダCB125RやヤマハMT-125、スズキGSX-S125、KTM 125デュークなどに及ばない。
とはいえ、CBF125Rに乗って昔ながらのフィーリング、他の現行車では味わえない貴重な資質を認識した僕は、そのあたりのことはどうでも良くなってしまった。
余談だが、僕は以前からホンダに対して、スーパーカブC125やモンキー125、CT125ハンターカブ、ダックス125などに続くクラシックウイングマークシリーズの新作として、オーソドックスなモーターサイクルスタイルを採用する“スポーツカブ”の復活を期待していた。
外装類の雰囲気やシリンダー+ヘッドの配置などは異なるものの、CBF125Rはそんな僕の期待に応えてくれるライディングフィールを備えていたのだ。







レッドバロンで購入するなら心配は不要

実際にCBF125Rを購入するとなったら、多くのライダーが心配するのは車両の品質や整備環境、部品供給だろう。
その3つの要素に関して、まず品質に関してはまったく問題ナシ。
もっとも2000年代までの中国を含めた東南アジア生産車は、各部の仕上げが大雑把だったり、走行中に何らかの不安を感じたりすることが少なくなかったのだけれど、近年はメキメキと品質が向上し、日本人の感覚でも仕上げと乗り味に違和感を覚えないことが普通になっている。これは新大洲本田摩托有限公司に限らずの話だ。
と言うより、そもそもきちんとした品質が確保されていなければ、レッドバロンは取り扱わないだろう。
続いては整備と部品の話で、これらについてもレッドバロンで購入するなら心配は不要である。
同社はすでにCBF125Rの構造を熟知しているし、万が一のトラブルに遭遇した際は、全国に300以上が存在する店舗で均一なサービスが受けられる。
そして中古車を通して補修パーツの重要性を認識しているレッドバロンだけに、部品の供給で悩むこともないはずだ。
足着き&ライディングポジション
ライディングポジションは1970年代以前の旧車的。前後17インチタイヤを採用する現代の125ccスポーツネイキッドを基準にするなら、ハンドルグリップは高く、着座面は低く、ステップは前方かつ下方に設置されている。シート高は760mmで、モデルを務めた身長172cmのライダーは両足が地面にベッタリ接地。


CBF125R 主要諸元
エンジン種類:空冷4サイクル単気筒SOHC2バルブ
総排気量:124.8cc
ボア×ストローク:52.4×57.8mm
変速機:5速リターン
最高出力:7.72kW(10.5ps)/8000rpm
最大トルク:10.36Nm(1.0kgm)/6500rpm
全長×全幅×全高:2047×757×1067(mm)
ホイールベース:1292mm
シート高:760mm
装備重量:130kg
燃料タンク容量:13L
タイヤサイズ:前80/100-18、後90/90-18
価格:23万8000円

report:中村友彦 photo:山内潤也
















































