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【3分25秒】SOTO MUKAストーブ SOD-371「予熱不要のガソリンバーナー」(ガソリン)

ガソリンを燃料にするバーナーは気化率を上げるため、ポンピングによる圧縮やプレヒート(余熱)を必要とするが、このMUKAストーブはポンピングのみで強い火力を実現した分離型。
このモデルのいい所はレギュラーガソリンが使える点。通常のガソリンバーナーの燃料にレギュラーガソリンを使うと不完全燃焼で煤が多くなり、機関部が煤で詰まってしまうので、非常時以外はホワイトガソリンを使うのが常識だが、MUKAストーブは燃焼効率が高いのでレギュラーガソリンを入れても問題なく使える。


ガソリンストーブとしては珍しく、中火、強火の強弱調整が可能。
スペック上の火力は4000kcal/hとかなり強力だが、今回のテストでは500mlの湯を沸かすのに3分25秒とやや時間が掛かる結果となった。
価格:1万7050円
発熱量:4000kcal 本体サイズ:135×135×80mm
収納サイズ:80×65×80mm 重量:333g
【6分45秒】OPTIMUS 8R「カッコかわいいスタイルも魅力」(ガソリン)

もともと19世紀のキッチンウエアメーカーとして生まれたオプティマスを代表するガソリンストーブが「8R」で正式名称「No.8」。初代モデル登場は1940年ごろと言われ、初期は箱がアルミ製で後期かはスチール製。約40年間に渡り多くのアウトドアマンに愛されてきた名機中の名機。これも筆者の私物で、おそらく80年代のブラスタンクモデル。火力はあまり強くないが「ブバババ」という独特の燃焼音や美しいデザインは、今でも使う喜びを存分に与えてくれる。



火力が安定するまでに2分ほどかかり、安定してもそれほど高火力ではないので、500mlの湯を沸かすのに6分45秒という遅めの結果に。それでも美しいデザインに愛おしさを感じるので、個人的には問題なし(笑)。
価格:廃盤商品
【7分35秒】EVERNEW チタンアルコールストーブ「低温時でも確実に燃焼」(アルコール)

今でも一部の登山家やミニマリストに人気があるのがアルコールストーブだ。アルコールもホームセンターやドラッグストアなどで比較的簡単に入手でき、500mlで約500円と経済的な点も特徴。このエバニューのチタンモデルはなんと重量34gという軽さ。単に燃料だまりで燃えるだけでなく、副室で熱せられたアルコールの蒸気が噴出し、外側でも力強く燃えるオープンジェット機能を搭載。70mlの燃料で約15分燃焼する。

アルコールは低温時でも確実に燃焼して、燃焼音がまったくしないサイレントなところも魅力。しかし、それと引き換えに火力は弱く、500mlのお湯を沸騰させるまでに7分35秒ほどかかった。
今回のテストでは別売りのチタンゴトク (1430円)を使ったが、各メーカー (100円ショップにもある)からアルコールストーブ用ゴトクが発売しており、いろいろ組み合わせられる。
価格:4180円
発熱量:─ 本体サイズ:直径71×42mm(※収納時も同寸) 重量:34g
【28分41秒】DAISO ちょこっとストーブ「時間は掛かるがコスパは◎」(固形燃料)

今回オマケ的に試したのがダイソーの固形燃料。使ったのは25gのタイプ。
「自動炊飯」で人気のメスティンなどを使えば、固形燃料1個で1合分のご飯が炊けるので、500mlの水を沸騰させることなど訳ないと思った が、予想は外れて28分41秒で燃え尽きた。お湯もボコボコの沸騰 状態ではなく、沸騰直前の約93 度ほど。まぁこれならラーメンやコーヒーはいける。とはいえ、ダイソーだと25g×3個が100円で買えるので、このコストパフォーマンスは最強と言えるだろう。


2021年9月のテスト当時、ダイソーでは25g×3個のほか20g×5個、 30g×3個の固形燃料を入手できた。
固形燃料は焚き火の着火剤やガソリンストーブのプレヒートにも使えるので、装備に忍ばせておきたいアイテムだ。
ゴトクには同じくダイソーで330円(税込) の「ちょこっとストーブ」を使用。クッカーの安定性も良く、火から鍋底までの距離もいい感じだった。コンパクトに収納できるのもうれしい。
自分に合う方法を見つけてお湯を沸かす時間を楽しもう!!
最新モデルから往年の名機、100均アイテムなど8点のバーナーについて500mlの湯を沸かすのに掛かった時間を計測したところ、最速は2分12秒だった。このタイムを叩き出したのは、意外にも最新機種ではなく、1994年に登場したチタン製バーナーのPRIMUS エクスカイザーEX-ULT-1だった。
反対に、500mlの湯を沸かすのに掛かった時間が最も長かったのは、100円ショップダイソーの固形燃料を燃料とする、同じくダイソーの「ちょこっとストーブ」で、タイムは28分41秒だった。
また、使用する燃料別に考えてみると、CB缶(2機種)の平均タイムが2分33秒、OD缶(2機種)の平均タイムが2分15秒、ガソリンバーナー(2機種)の平均タイムが5分5秒だった。
つまり、安定して早く湯を沸かせるバーナーは「OD缶を燃料とするもの」ということになりそうだ。

一方で、沸騰時間が早かろうが遅かろうが、それぞれの沸かし方に良さがあるということも見えてきた。
例えば冬山で遭難してしまった場合のような、命が懸かっている状況下であれば、いち早くお湯を沸かして体を温める必要があるだろうが、遊びのキャンプであれば、多少時間が掛かったとしてもまったく問題ない。
自分の気に入ったアイテムを使って、自然の中で優雅なひとときを過ごしていると、お湯を沸かすという単純な行為ですら楽しく感じてしまうものなのだ。
まあ、さすがに100円の固形燃料で30分かけてお湯を沸かすのは現実的ではないが、それ以外のアイテムなら十分許容範囲ではないだろうか。タイムアタックしておいて「時間の問題ではない」 というのはいささか矛盾してはいるのだが、これが実際にテストしてみて正直に思った感想だ。
レポート&写真●櫻井伸樹 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実
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■櫻井伸樹(さくらい のぶき)

フリーの編集&ライター。10代よりキャンプツーリングに目覚め、その後ツーリング雑誌「アウトライダー」の編集部員に。取材で日本全国および、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、モンゴルなど海外ツーリングも多数経験。4年ほど前からアウトドアメーカー「テンマクデザイン」のキャンプ用品プロデューサーとしても活躍中。




































